よもだコレクション『研究所の研究』

これぞ究極の研究

「どんな研究をしているのかわからない」「なんとなくアヤシイ」研究所を集めてみました。


この研究テーマを取りあげるきっかけともいえる物件。ツタにおおわれて古そうな建物で、入り口は今は廃業してしまった医院のよう……そこで看板に目をやると、そこは『◎◎きのこ研究所』とあった。じつに怪しげで、そそられる。最初に発見したときはカメラを持っていなかったため、日をあらためて撮影をしに行った。人通りがなくなるのを見はからって、と思っていたら、前を歩いていた女性が研究所の前で立ち止まってレンズつきフィルム(いわゆる使い捨てカメラ)を取り出した。ここで自分も立ち止まってカメラを出す、という勇気はなかったので、そのまま通りすぎて角を曲がり、様子を見はからって戻ってきた。わたしと同じくらいの年代だったと思うが、まさか自分と同じようなことをする人と鉢合わせるとは思っていなかったのでびっくりした。お知り合いになっておいた方がよかったかな。そんな一件があったので、この物件はますます貴重なものとなった。

看板を拡大。わが家のきのこ栽培熱病もここから始まったのかもしれない。


都内であるにもかかわらず自動改札のないJR某駅付近の『◎◎理化学研究所』。看板までも敷地の隅に置かれ、しかも大事な「研究所」の文字が柵で隠れている。


『◎◎漢方研究所』。見た目は薬局そのもの。たぶん薬局です。


ふつうの民家にふつうの表札と並んでいる『◎◎なんとかかんとか研究所』。家庭と研究をどうやって両立させるのか、大きな謎である。


銀座のレストランでパーティを開く『◎◎総合研究所』。


うっそうとした森のはずれにひっそりとたたずむアパートの1階に設けられた『◎◎療術研究所』。研究員は一人のもよう。


堂々たるガラス張り、人目をひく文字が怪しい。


駅へ向かうバスに乗るたびに通る『中央研究所』。この研究所の近くにはバス停があり、研究員らしき人が降りるのも目撃されている。普通の会社員とみかけはかわらない。しかしこの当たり障りのない名称が怪しい。


上の『中央研究所』と同じバス通りにある。建物の3階にあり、写真には写っていないが1階の店舗では団子を売っている。研究資金は……?


物心ついたころからこの研究所の存在は知っていた。かなり古くからあり近所でも知らない人はいないが、何の研究所であるか知る人は少ない、通称これもまた『中央研究所』。研究所研究の原点はここにあったかもしれない。すぐ近くに守衛の詰所があるため、真正面からの撮影ができなかったのが惜しまれる。いったい「中央」という言葉にはどんな謎が隠されているのか。

 研究員募集中――怪しい研究所を見つけた方は亭主までご連絡ください。

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