1月2日(カメ)
お兄ちやんとオクサンが来て、おねえちやんがダンナを連れて来たのでにぎはつてゐる。
おねえちやんとダンナを連れて散歩に行つて、書き初めをした。ダンナはボクの写真をたくさん撮つてくれた。ダンナはボクがかはいく写るアングルを心得てゐる。
お正月にはいつも缶詰をもらつてゐたけれど、缶詰は去年さんざん食べて飽きたので、きんとんとぶりをもらつた。ぶりはをぢさんがさばいたんだつて。
かきぞめ
1月7日(ネコ)
けふは冷えるなあ。もぞもぞ。おしつこいきたい。お腹すいた。もう寝るう。
雪が降つてきた。ねえ遊びにゆかうよ。
1月16日(カメ)
雪が降つてからの寒さにはただならぬものがある。
雪が降らうが寒からうが、ボクはいつものとほり、お日さまより他のイヌより早く起きて散歩をしてゐたのだけれど、ちよいと油断したやうだ。鼻が詰まつて匂ひがよくわからない。したがつて食欲もわかない。
気がついたらまたちよつとやせたみたい。バレエは習つてないけれど。おねえちやんが買つてきた(お金出したのは誰だらう)粉ミルクを少しなめた。先生も来てくれて、体温を測つたり(はずかし)、心臓の音を聞いたりする限りにおいては異状なし。食欲の出る注射をしてもらつて、「食べなければ点滴ですよ」とおどかされてしまつた。
おねえちやんはボクが夕ご飯を食べないので、お薬だけ口にねじ込んで帰つた。おねえちやんが帰つたあとで、ゆで卵を食べて、ミルクもなめた。へへへ。
近ごろではボクがその屋根の下に居住する名誉を得ている家の主人(!)、つまりをぢさんだけれど、をぢさんも夜遅くまで起きて、ボクの面倒を見てゐる。朝早く起きるママと交代勤務なのだ。
1月19日(イヌ)
前のやうに左手がつけなくてひとりでは歩けない。
一日中ストーブをつけてもらつて、タオルケットをかけて寝てゐる。
1月23日(カメ)
何日かぶりに歩けるやうになつた。毎日鯵の干物を食べたからかな。
タオルケットを首までかけて寝てゐると、赤ずきんちやんのおばあさんになつたオオカミみたいだとおねえちやんは云ふ。
「ジェフちゃんのおみみはどうしてそんなに大きいの?」
「……」
「ジェフちゃんのおめめはどうしてそんなに大きいの?」
「……」
「ジェフちゃんのおくちはどうしてそんなに大きいの?」
「……」
1月26日(イヌ)
おねえちやんがいつもおいしさうにご飯を食べてゐるので、ボクもお腹が空いてきた。けふはお皿までなめてママとおねえちやんを喜ばせた。
おねえちやん、帰るときわざわざボクを撫でてお別れしなくていいよ。眠いんだから。
1月30日(カメ)
けふボクは雪山にのぼつた。すべつてもへこたれず、もういちど挑戦してシリモチをついた。
屋根の雪がとけて、お庭に作つたボクの屋根に落つこちた。屋根に穴があいた。お庭にゐたら今ごろボクはどうなつてゐただらう。