2002年8月

7月 よもだ亭日乗 目次 9月

8月1日(木) 

 エアコンのタイマーをセットして家を出る。人がいないときにしか使われないエアコン。
 新宿三越の「ディック・ブルーナ100展」へ。ブルーナさんの100冊目の本は「ミッフィーのおばけごっこ」。おばけに扮したミッフィーちゃんはどうみてもニョロニョロに化けたムーミン。ブルーナさんは毎朝5時に起きて、カフェで休憩してからアトリエに行くのだそう。うらやましい。
 暑いので果物が食べたい。たぶん行列だろうが高野を覗いてみることにする。するとフルーツバイキングの方は気の遠くなるような長蛇の列、パーラーのは気持ちいいほど空いている。今の時期は桃のメニューが多い。昨日のお口直しをする。
 秋葉原、八丁堀をまわったあと、立川へ。伊勢丹を覗くとなんと今日は「がんばるスヌーピー大集合」の初日であった。「お仕事」をテーマに公募したスヌーピーのデザインが並んでいる。「消防士」というのはどう見ても消火器。
 夏バテ、夏風邪にはカレーがいい。インド風のカレーのお店でも、油っこくて胃にもたれるところがけっこうある。その点『マユール』のカレーは胃にやさしくて味に飽きがこないところがいい。ミックスライタ(ヨーグルトのサラダ)にはちょっと辛めのスパイスが効いていて食欲をそそる。今日のマンゴラッシーはひときわ濃厚だった。フィッシュマサラは固形燃料の入ったコンロの上に載せられる。今までになかった趣向だ。そういえばメニューが少し変わっていた。たぶんテーブルクロスも。レシートにも品名がちゃんと載るように変わっていた。パンジャビースーツが欲しくなったのは、ここの女性の店員さんが着ているから。
 家に帰るとほどよく部屋が冷えていた。

8月2日(金) コーヒーの摂取量は健康のバロメーター。マテ茶飲んでます。

 午後から降りだした雨で夕方は涼しくなった。夏は毎日午後に少し雨が降ってくれるといいな。できれば雷抜きでお願い。
 出張料理へ行ったら鮎の炊き込みご飯ができていた。

8月3日(土)

 実家の近所の印度食堂『なんかれ』へ。
 車でお店の前を通ったら「CLOSED」になっていてあせった。車をとめて来たら「OPEN」になっていてすでにお客が一組いた。しかしここは地理的に地元以外の人が来るのは一苦労だ。それがいいところでもあるけれど。

8月4日(日)

 先日『モスバーガー』でナンタコスを食べておいしかったと言ったので、オットも散歩に出かけて食べてきたらしい。味はおいしいのだが、非常に食べにくいという点で意見が一致した。どうやって食べたらいいんだ。
 今日はお稽古から帰って久しぶりにわが家で夕食をとった。KINGSBURYはいまいち。

8月5日(月) 何もそこまでしなくても。

 ノンアルコールビール5種、ローアルコールビール1種を試してみたなかではWEST END EXTRA LIGHTが一番おいしい。ビール好きにはちょっと軽いと感じるかもしれない。
 というわけで、当面マイ・ビールはWEST ENDに決定。次はノンアルコールワインかな。

8月6日(火) 39℃。

 梅雨明け直後の方が暑かったような気もする。慣れたのかな、こわれたかな。
 ここ数日近所のスーパーで売られている巨峰には種がない。ぶとうは飲み込むくちなので(噛むとすっぱいでしょ)、オットに言われるまで気がつかなかった。

8月7日(水) 

 実家からぶどうが届いた。すぐ近くにぶどう園があるのだ。子どもの頃にくらべればずいぶん減っちゃったなぁと思うけれど、もぎとり園があったりワイン工場ができたりと、健闘している。
 ぶどうを買いに行くと、藤棚のようなところの下でおばさんが作業をしていて、大人が井戸端会議をしているあいだ、ぶどうをもらって食べていた。あのころはもっぱらデラウェアで、巨峰などはいただきものでしか食べなかったような気がする。そのせいか、今では巨峰にばかり目がいって(巨峰の季節には)、デラウェアには見向きもしない。でも久しぶりに食べたら何というか、自分のぶどうの基準味がよみがえったような気がした。

8月8日(木) 

 ふたりで初めて鎌倉へ行ったときは、ちょうど鶴岡八幡宮でぼんぼり祭りが行われていました。そこでまたぼんぼり祭りを見てくることにしました。暑いのでのんびりと。

 ***一日中ひぐらし、抜け殻だらけ***
 まず初めに行ったのが初訪問の報国寺。だいぶ日が高いというのにひぐらしが鳴いている。木陰の涼しいところでは一日中鳴いているのだろうか。ベンチに坐って庭を眺めていると、手前の柵にセミの抜け殻がしがみついている。初めのうちこそおもしろがって写真を撮っていたが、以後、そこかしこで無数の抜け殻を見ることに。
 明月院ではセミが土から出てくるときにできた穴を見た。アリにしては穴が大きいとは思った。セミの生態を頭では多少理解していたつもりでも、出てきた穴をこの目で見ると驚きを感じる。人の通る砂利道に穴があいているのだから、今こうして自分が立っている場所の下にもいつか出てくるセミさんがいるのかもしれない、と思うと不思議な感じ。アスファルトが敷かれたらどうやって出てくるのかな。
 あずまやの柱に止まって鳴いているひぐらしを見つけ、デジカメについている録音機能で鳴声を録音した。家で鎌倉の思い出にふけりながら涼を取ろうと思っていたのに、再生したらひどく間延びしている。レコードの回転数が遅くなったみたいな。

 ***報国寺の竹林***
 ガイドブックの写真に涼感が漂っていたので即決。
 入り口は岩と木々に覆われ、バス停からの炎天下がうそのよう。竹林のなかでしばらく竹涼み。そしてセミの抜け殻を見つけた境内の裏庭のベンチでしばし放心。時間もたっぷりあるし、暑いところに出るのも何だし。トンビが鳴いている。鳴声に関してはタカよりトンビだと思う。

 ***浄妙寺***
 日当たりの良い芝生の庭、水鉢に植えられた蓮。栗の青い毬がたくさん落ちている。

 ***高徳院の大仏***
 ただいま境内を工事中。大きなイチョウの木を切り倒しているのは、京都からきたお寺専門の業者さんらしい。今日の大仏様は暑くてうとうとと居眠りをしているように見えた。笠か頭巾をかぶせてあげたい。

 ***浄智寺***
 こちらも初訪問。門前のかまぼこ型のかわいい石橋は古すぎて渡れず、下の池が澱んでいるのがなんとも惜しい。お寺の建物は素敵なかやぶきの平屋。広くはないのに、各所に道案内が出ていて、最後は石の布袋様を撫でて朱印所に行き着くことになっている。ユーモアのセンスが感じられるお寺であった。

 ***明月院***
 茶寮風花でのんびり休憩していたら閉門30分前になっていた。後ろ庭園が見える覗き窓の向うはガラスで景色がゆがんで見えた。後ろ庭園を手入れする植木屋さんの姿も見えた。あじさいの枯れ枝にセミの抜け殻の賑わい。ここにも小さな孟宗竹林がある。

 ***鶴岡八幡宮***
 ぼんぼり祭りの中日。養老孟司さんのぼんぼりは虫の絵。
 餌をつつくハトの群れに向かってファイティングポーズを取る首輪をつけた黒ネコ。ハトはまったく相手にせず、ネコもあくまでポーズだけ。それを木の上から傍観するリス。平家池は蓮で水面が埋まっていて鳥の姿は見られない。カメラをかまえているとカメがたくさん寄ってきた。

 ***食べ物事情***
【昼】ドイツパンのお店『ベルグフェルト』が出しているカフェが長谷にあるので住所を頼りに行ったら一度は通りすぎたことのある所にあった。ランチには飲み物とケーキがつく。亭主は「ザワークラウトとドイツパン」とアイスコーヒー、オットは「ベルグサンド」とストレートティーのホットを頼む。「ザワークラウトとドイツパン」の内容はザワークラウト、ベーコン、ソーセージ、ゆでたジャガイモ、ブロッコリー、粒マスタード、全粒粉パン、ライ麦パン。ザワークラウトは細切り。しっかり発酵していてとてもおいしい。「ベルグサンド」は、白パンにソーセージを挟んだホットドッグのようなもの、全粒粉パンにシーチキンとトマトを載せたもの、ライ麦パンに薄切りのソーセージを載せたものの3種類と、小さいキュウリのピクルス。これに、リンゴとカスタードを使ったアプフェルトルテというタルトがつくのだからかなりのボリュームである。こういう食事が外でできるとほっとする。
【おやつ】『茶寮風花』で、亭主はめずらしく冷抹茶セット、そしてオットがアイスコーヒーセットを頼む。
【夜】『ボデゴン』。ガスパチョを頼もうとしたら、終わってしまったとか。暑いからランチでたくさん注文が出たのだろうか。こんどこそ食べたい、でも夏季限定のガスパチョ。

 ***人力車のお兄さん***
 さいきん見かけるようになった。あちらこちらで声をかけられる。
今回おもしろかったのは、長谷駅前で「メガネは人力車によく似合いますよ」と声をかけてきた人。それと、帰りに鎌倉駅へ向かう途中、「お帰りにはまだ早いですよ」と言った人。セリフはキザなんだけど、本人にまだ照れがある。勧誘する人、道端の掃除をする人、体力づくりに余念のない人さまざま。お客を載せて走る人はごくわずか。地元の人でもお買い物とかに使えるのかしら。やっぱり頭には何かかぶった方が良いと思います。

 ***夏の鎌倉***
 海水浴をしに行く人はたくさん見かけたけれど、さすがに観光客は少ない。そして日に何度も同じ人と出会う。報国寺・浄妙寺からバスで駅へもどるとき、発車まぎわに現われて運転手に「ダイブツ?」と尋ね乗り込んできた外国人総勢16人はイタリア語を話しているらしかった。このあと我々もダイブツを見に行く(そのまえにお昼)のだが、バスを降りてからあの16人はどうしたか気になった。お昼を食べて高徳院へ行く途中、喫茶店で休憩している彼らを見てひと安心。
 人が少なくて涼しいスポットがたくさんある夏の鎌倉のお寺巡りも良いものです。

8月9日(金)

 寒いところと暑いところを出入りして、おいしいものをたくさん食べたので、今日はお腹やすめ。

8月10日(土)

 朝のレッスンを受けるため、8時に家を出る。レッスンのあと発表会のリハーサル。夜のレッスンとリハーサルまで空白の数時間。お昼はモスでナンタコス。夕方にはお腹がすいてへろへろだったのに、疲れて食欲が失せてしまった。
 オットは友人の祝賀パーティへ。どんなごちそう食べているんだろ。

8月11日(日) 誰か飲んだことのある人いませんか。

 先日鎌倉を散策していた折に「炭酸コーヒーってどんなもんだろうか」という考えが浮かんだ。聞いたこともないし、もしかしたらこれはすばらしい発明かも、と思ったのだけれど、自分が考えつきそうなことはすでに誰かが考えているもの。UCCから商品が出ていたみたい。今はもうないのでしょうか。
 さっそく炭酸水を買ってきて試してみました。結果についてはいつかまた書くかもしれません。

8月12日(月) お子さまランチのカップはスヌーピーだった。

 帰省した友人を迎えてのランチ。この暑い時期、小さなお子ちゃまにご飯を食べさせるのは大変なのだそうだ。でも人がたくさん集まると対抗意識が出て、ふだんは食べない嫌いな野菜を食べたり、自分の注文したものより人のを欲しがるのをこれ幸いと取りかえっこして仲良く食べたりする。ああ美しい友情。

8月13日(火) 夜風に感じる秋。

 お昼に枝豆をしっかり食べて(そうめんも食べた)、今日もリハーサル。その前にかねひろ治療院へ。久しぶりに行ったら治療院のマスコット、カメのやん君の家が立派になっていた。ずいぶん大きくなって前々から脱出を試みていたので、壁を高くされてしまったらしい。わたしはというと「まにゅぽんさんには夏バテがよく似合う」と言われ、さらにいつもより長い鍼を打たれる始末。とほほ。

8月14日(水) 

 タイ旅行のおみやげにもらったヤシの実の汁から作った砂糖をどうやって使おうか検討中。
 鎌倉で買った南部鉄のカメ風鈴は、ベランダに吊るすとにぎやかなので、風通しをよくして部屋の中に吊るしている。

8月15日(木) 

 東京都美術館の「飛鳥・藤原京展」。お目当ての亀型石像物ほか、玄武の亀がたくさん。熱心に見る人が多いのが印象的だった。
 お昼は上野薮そばへ。お昼どきで賑わっている。ふたりともせいろう。久しぶりでどんなそばだったか忘れかけていた。きりっと冷えていておいしかった。
 銀座の中央通りに88円ショップができていた。しかし中央通りはほとんど日陰がないのでさっさと銀座三越の「Snoopy in 銀座」へ向かう。スタンプラリーに参加し、ノンアルコールビールを飲むためのステキなグラスを買い求める。銀座は案外人が多く、帰省もせず、旅行にも行かなかった都内の人たちがみんな銀座に集まってきたのではないのかと思った。
 夕食は『煉瓦亭』へ。亭主はメンチカツレツ、オットはポークカツレツ。ポークカツレツととんかつ、食べてみると微妙に違うけれども言葉で表わすのはむずかしい。

8月16日(金) 皮算用。

 枝豆をステンレス多層構造鍋で水を入れずに加熱してみたらどうか。この鍋は水なし調理はお手のもの。失敗したら悲しいので、こんど少量で試してみよう。うまくゆけば、栄養をそこなわず、枝豆のおいしさを最大限に引き出せるはずである。

8月17日(土) 壷に羽ばたく2対の鳳凰 金銅製四環壷文様を初確認」ってそれ、いつわかったの? おととい、行ってきちゃった。

 あたたかい飲み物が恋しくなった。レッスン中の水分補給量も今日は少なかった。

8月18日(日) 

 何を食べたか思い出せない。

8月19日(月) 

 あと一ヶ月もすれば、牡蠣や栗が出始めるかなぁ……。

8月20日(火) 夏のゴミの臭い消しに!?

 さいきん近所のスーパーに出ている枝豆は「湯あがり娘」という茶豆。味はなかなかおいしいけれど、惜しいことに茶豆にしては香りが弱い。オットがたまたま駅の近くのスーパーで同じ湯あがり娘を買ってきたところ、これがとても香りが強くて、三角コーナーの中でも芳香を放っていた。パッケージも同じなのだけど。市の境を越えて坂を登ってくるうちに消えちゃったのかなぁ、茶豆の香り。

8月21日(水) 

 寒くて目が覚めた。
 今日は出張料理でほぼ半年ぶりの手作り餃子。ひたすらみじん切りが楽しい。小さめの皮の方が、包み方が上手に見えることを発見した。大きいと、具の分量の差が歴然とする。でもって同じ分量でも個数を多く食べた方が得をしたような気分になる。

8月22日(木) 

 東京国立近代美術館「小倉遊亀展」へ。すてきなお名前なのと、20世紀をまるまる生きて105歳という長寿を全うした人に関心をもった。初期の絵は日本人がきものを着ていた頃なので、人物はみなきものを着ている。ああきもので日常生活を送りたい。舞妓の絵がよかった。舞妓の英語のタイトルは「Dancer」なのだけど、遊亀さんの描いた観音や菩薩の方はまるでバレリーナのようだった。創作意欲の尽きない人のようだった。
 お昼は近くの科学技術館の地下の食堂でオリエンタルカレーを1人前とそしてそれぞれ飲み物を買う。オリエンタルカレーの詳細は、ナンとパセリのかかったライス、丸いステンレスの皿に入ったカレー2種(ビーフとチキンキーマか?)、サラダ。サラダにドレッシングをかけるのを忘れた。
 皇居東御苑の中で、弱って地面を這っているミンミンゼミと、アスファルトの上を歩く巨大な芋虫を木陰へ移動させる。助けてやったつもりだけれどもありがた迷惑だったかしらん。
 夕食は立川までもどって『テンガロン』へ。牛タンステーキ、スペアリブ、トマトサラダ。今回のトマトサラダの盛りつけは前より少し進化していた。

8月23日(金) 

 食べるそばからお腹がすく。食欲の秋は発表会が終わってからにしてほしい。

8月24日(土) 

 レッスンのあとモスへ行ったら、メニューのナン・タコスの横に「当店では販売を終了しました」という大きなシールが貼ってあった。店長イチオシのナン・タコスなのに……と思いつつ別のものを注文し、後から来た友だちにもナン・タコスの終わりをふれまった。が、店頭や店内にはあいかわらずナンタコスのポスターが貼ってある。もしかしたらナンタコスの隣のナン・カレードッグが販売終了で、その上にシールを貼っていたのかも。だとしたらわたしは罪深い女。自分だけならまだしも、友だちまで巻き込んだことになる。

8月25日(日) 

 ヤトウムシにやられたあと、なんとか生き残った茎から花を咲かせ実をつけているミニトマトが少しずつ色づいてきた。もうちょっとだ、がんばれー。
 電車が止まって立ち往生したわたしはナン・タコスの疑問を解明する暇もなくスタジオへ。

8月26日(月) 

 久しぶりにパンを焼いた。腕が痛い。1ヶ月ちょいのブランクでこの体たらく。

8月27日(火) 

 やっと赤くなったミニトマト2個を収穫。ほおずきみたい。

8月28日(水) 

 しらすも真夏は水温の上昇により不漁で、ネットでの販売は涼しくなった9月から。9月には一年で一番おいしい秋しらすが獲れるとのこと。
 玄米は虫が出ないように、唐辛子と穴をあけたにんにくを入れて保管している。おかげで虫は出なかったものの、玄米にほのかなにんにくの臭い。ふつうに炊いて食べるより、リゾットなどにした方がおいしいかも。新米もそろそろだ。しらすかけご飯は発表会と試験が終わるまでのおあずけ。

8月29日(木) 謎とともに去りぬ

 モスの前を通りかかったら、新メニューが出ていた。ナンは……。

8月30日(金) みっけ!

 友人のお芝居を見に中野へ。はじまる前にサンモールやブロードウェイ、プチパリなどを巡回していたら見つけてしまった。しかし食べるのはまだ早い。夕食は立川へ帰っておとなしくとんかつを食べた。


8月31日(土) 思いがけないシアワセ。

 本日は発表会の照明下見。
 コンビニでマロンあんぱんを見つけ、きっとふつうのあんこの中に栗の粒でも入っているのだろうと思って買ってみた。そうしたら中は黄色いマロンの餡だった。



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