2002年2月

1月 よもだ亭日乗 目次 最新の日乗

2月1日(金)よもだ亭開設2周年です。

 上野の国立科学博物館で、「化石の美と科学」を見てきた。数十億年まえに、未だ正体のわからない生物や波が造りだした自然の芸術を鑑賞する。プラスチック粘土で化石のレプリカを作るコーナーで、子どもに混じってアンモナイトの化石を作る。暖かければお昼はまた公園のベンチで幻の豚まんにしようかなあと思いつつ、なんとなく科博内のレストラン(精養軒)をのぞいたら、久しぶりにここのハヤシライスが食べたくなった。席につくとまたたくまに運ばれてきた。なつかしい。おいしい。満腹。
 渋谷のロゴスギャラリーで、ムットーニさんの上演会整理券をもらう。作品だけなら期間内はいつでも見られるが、できれば作者ご本人の語りも聴きたい。そしてその足で原宿まで歩き、スヌーピータウンでメンバーズカードを申し込む。
 夜は八王子に戻って『ベリーニカフェ』へ。お目当ては牡蠣のフリット。ここのお店にひとつ注文をつけるとすれば、料理の名前が長い(しかも形容詞が多い)ので、わかりやすくしてほしい。頼むときに手間取るし、覚えるのが大変なのです。今日もデザートの名前を失念してしまった。店員さんおすすめのリコッタチーズのデザート(わざわざスプーンを二人分持ってきてくれたのに)と、いろいろなチーズで作ったチーズタルト(表面はパルメザン)なのだけど。

2月2日(土) ちょっと経済してみる。

 今日はお稽古に行く前にひとっ走りスーパへ。5日からポイントカードシステムを導入するそうで、買い物ついでに申し込みをする。ボックスティッシュをもらった。
 今までは、買物袋を持参すると1回につきスタンプ1個、20個たまると100円分のお買い物券がもらえた(スタンプ1個が5円の計算)。
 新しいシステムでは、買い物持参で1ポイント、200円の買い物ごとに1ポイント、1ヶ月の買上げ累計金額に応じてボーナスポイント加算。貯まったポイントは1ポイント1円に換算される。
 これまではだいたい月に一度、1割引の日があった。ちなみに先月はなく、新しいシステムに取って代わるのかどうかは不明。
 さてこのシステム、お得になるのかどうか。ポイントにつられて余計な買い物をしたら本末転倒である。

2月3日(日) 頭を使う

 今使っているライスペーパーは、でかい・ぶ厚い・もろい。しかも枚数が多いので当分これを使わなければならない。刷毛を使って濡らすのも一苦労。これが苦痛になってくると、面倒くさい→もう生春巻食べたくない、という構図ができあがる。そこで先日思いついたのが霧吹き。これならライスペーパーにじかにふれずにまんべんなく湿らせることができる。今まで考えなかったのが不思議なくらい。
 なにごとも楽しくないと続かない。

2月4日(月) 立春

 人参がいっぱいあって毎朝人参サラダを食べるだけでは追いつかない。人参と生姜を使ったクッキーのレシピを見つけたので、作ってみようか。

2月5日(火) 

 夕食は牛肉のすき焼き風煮込み。長ねぎと麩をたくさん入れる。
 「すき焼きに麩を入れる」というのはわたしにとってカルチャーショックだった。関西では多いのかな。すき焼き麩なんてのもあるみたい。
 食べ物のことを調べているとよくここに行きつく。よろずデータベース食べ物編

2月6日(水) その名はニンジンジャー。
ニンジンジャー

 人参と生姜を使ったクッキーを作ってみた。
 材料をまぜて棒状にしてラップで包み、端っこをねじったらソーセージのようになった。冷蔵庫でしばらく冷やし、ラップをはがして切ろうとしたら、やわらかくて形がくずれてしまう。かつてテレビでハンバーガーを物差しで上手に切る方法を紹介していたのを思い出した。ハンバーガーを紙に包んだままざくっとやると、中身もはみ出ず物差しも汚さずに切れるのだ。そこでクッキーの生地をラップに包んだまま切ってみたら今度はうまくいった。
 とても素朴な味。はちみつの代わりにメイプルシロップを使ったらかなり甘さひかえめで、たくさん食べても罪悪感はなさそう。レモンの代わりにワインビネガーを使った(小さじ1のために切るのがもったいなくて)効果は不明。使った人参はおよそ半本。なかなか減らない。


2月7日(木)

 スーパーで買ってくる小ねぎは、根元にスポンジがついている。これは水耕栽培? 家で育てられたらとても重宝するのにな。
 ためしに切落した根っこを水に浸けて置いてみた。切り口から少し伸びてきているけれど、すでに風前の灯。種をさがそ。

2月8日(金)

 新国立劇場にて「白鳥の湖」を鑑賞。ここのホール(大劇場)は舞台の端に出っぱりがあるので、1階前方の客席からはダンサーの足先が見えない。その不満を補うほどのすばらしい舞台ではあっただけに、もったいない。
 4時半ごろ終わり、吉祥寺のユザワヤで作務衣2号の生地を選ぶ。生地をカットしてくれたコットン生地売り場のおじさんは、職人気質でとても親切なので感激した。誇りを持って仕事をする姿は美しい。それに引きかえ某売り場のカットコーナの店員さんたら……。
 夕食はインド料理の店『ムンタージ』へ。このまえ行った『武蔵野珈琲店』と同じ建物。魚のカレー、チャパティ、ベジタブルビリアニ(ピラフのようなもの)、ヨーグルトサラダ、ビール、マンゴヨーグルトシェークを頼む。
 料理がそろうまえはお腹がすいて死にそうだったのに、食べたあとはお腹がいっぱいで苦しくなった。ビリアニが予想外の大盛りだったので、残すまいと必死に食べたのだ。

2月9日(土)

 お腹が苦しい。なんとか朝食は食べたものの、昼食は抜いて胃薬を飲む。
 それでもお稽古へは行き、レッスンをふたつ受けた。今日の海鮮かきあげバーガーの肴はミネラル野菜サラダにしておいた。
 それでも苦しい。帰ってまた胃薬を飲んだ。

2月10日(日)

 きのうより体が軽い。適度なバレエのレッスンは疲労を回復させるらしい。したがって今日も雪にもめげずはりきって稽古へ。
 夕食は鶏肉と野菜にカレー粉とスパイスをまぶしてオーブンで焼いたもの。鶏の皮がおいしい。子どものころはこれが大好物だったのでとてもなつかしい。

2月11日(月) 目からウロコ

 今日は仕事待ちなので作務衣第2号の作製にとりかかる。
このまえ買った方眼入りの定規と縫い代を測るためのゲージは重宝した。技術不足を道具で補うのは料理と同じか。
 夕食は別館へお呼ばれ。おでんであった。ちくわぶを食べていると、とつぜんあることに気がついた。ちくわぶってちくわ「麩」なんだ! 別にちくわぶを今日生まれてはじめて食べたわけではないけれど。子どもの頃、「ちくわぶ」という言葉をはじめて耳にしたとき、高木ブーと関連があるのかと思った。それ以来、深く考察しないまま今日まで生きてきた。ちょっと感激したので調べてみると、関東特有のおでん種とのこと。知らなんだ。

2月12日(火)

 牛挽き肉のそぼろ石焼きご飯を作る。こうして食べるとあっというまにたいらげてしまうのでちょっと寂しい。

2月13日(水) 今日は旧暦正月二日

 献立がなかなか決まらない。なんとなく魚より肉を食べたい気分ではある。オットの提案により、すき焼き風煮込みにした。二日続けて牛肉を食べた。牛さん、喜んでくれるだろうか。

2月14日(木)

 オットにチョコレート贈呈。今年は『ボブザビルダー』チョコ。ボブザビルダーはイギリスのアニメキャラクターらしい。ひょんなことからわが家で話題にのぼったのだが、まさかチョコがあるとは思っていなかった。受けを狙ってばかりいるので、年々チョコ探しが難しくなる。
 牡蠣が安かったので、バレンタインついでに夕食はオットの好きな牡蠣をチーズ焼き。

2月15日(金) 充実。

 まず「いわさきちひろと日本の絵本画家たち」展へ。東京のいわさきちひろ美術館はただいま改築中で、今年の9月10日オープンとのこと。子どもの頃の絵本の記憶があまりない……が、赤羽末吉氏の「スーホの白い馬」は見たことがある。この展示をもって伊勢丹美術館は閉館する。
 お次はムットーニさんに会いに渋谷へ。わたしたちは昨年から見せていただいているが、もう7年もロゴスギャラリーで作品の展示と上演会を行っている。今年は期間中に12日間、1日4回の上演だから大変だあ。しかも見る方はただ。ちょっとずっこけた二枚目ぶりはあいかわらずだけれども、彼のロマンチシズムはマンホールの下にも広がっている(作品、見てください)。

 夜は立川談志の独演会を聴きに、中野へ行くことになっているので、夕食はひさしぶりにバーラットへ行くつもりだった。そういえば昨年は中野に来ていない。商店街にはあちこち閉店のお知らせが貼ってあったり、記憶とは異なる店ができていたりで少し心細い。バーラットがあるはずの場所には、昔からそこにあったように別の店の名前が出ていた。夕食にはまだ間があるので『くれない茶房』で休憩し(ここは健在)、バーラットのお兄さんのことをしばし思う。いつからないのだろう。もしかして、あらたにできたタイ料理の店はお兄さんが商売替えしたのではないか。そのあとひさしぶりに中野ブロードウェイを歩きまわったあと、バーラットのあとにできたタイ料理の店に入ってみることにした。
 お店はタイ人らしき女性が二人でまかなっている。入り口で見てきたおいしそうな写真のほかにも、メニューがたくさんある。まずは本場のタイ風生春巻き(ポーピア・ソッ)、グリーンカレー(ゲーン・キョウワン)の具は魚団子にする。それから餅米ライス(タイの餅米は細長いのかぁ)、写真がおいしそうだった豚肉とキノコ入りライスのグリル(カオ・オプ・モーディーン)、生ビールとタマリンドジュース(梅ジュースみたいな味)。ご飯のグリルは日本の土鍋に入って出てきた。細長いご飯の上に、味つけした豚肉ときのこ(フクロタケ)とパプリカがのっていて、炊き込みご飯のよう。タイのお袋の味だろうか。おいしい。ひとりならこれだけでも満足できる。こんど来たら他の料理も試してみたい。

2月16日(土) 

 実家に寄ったときにテレビを見た。オリンピックのフィギュアスケート、アイスダンスの演技を見た。
 かつて、夏は新体操、冬はフィギュアスケートだけは見逃さなかったわたしであるが、ちかごろ取り残されている。このまえの夏のオリンピックのときは、発表会の練習が遅くなってタクシーを使ったときに、運転手さんに話を合わせることができなかった。今年もいつのまにか冬季オリンピックが始まっていた。ま、それはともかくやはりバレエは基本よね、とわかったような口をききながら見た。そしてお稽古に行った。夜はモス。フレッシュバーガーを頼んでみた。

2月17日(日) 

 おととい中野の100円ショップでマルタイの棒ラーメンを買った。近所のスーパーで買うようになって、このよもだ亭を開設するまえはお昼の定番だった。煮豚を入れたり、暑いときには冷やしラーメンにして食べてもおいしい。いつのまにかスーパーから姿を消したので行方を案じていたが、あるところにはあった。おいしいラーメンのスープが手軽に作れればまた定番メニューに復活させたい。それにしても近所のスーパー、気に入ったものに限って置かなくなる。
 米大統領が訪日するから都心に近よるのはやめた方がいいかな、と思ったけれども、とてもサボる口実にもなりそうにないので真面目にお稽古をしてきた。

2月18日(月) 

 お昼に棒ラーメンを食べた。棒ラーメンには、ごま醤油味、みそ味、九州味、スタンダード(?)がある。買ったのは九州味とスタンダード(?)で、今日食べたのはスタンダード(?)。具は麩、わかめ、長ねぎ。先日のよもだアンケートでは、麩をすきやきに入れる人が少なかったのですが、これは汁を吸って実においしい具になるのですね。おためしあれ。

2月19日(火) 

 作務衣2号上部完成! と思いきや、途中のある過程を飛ばしていたことに気がついた。見ためにはあまりわからない。アイロンをかけたら大丈夫そう。でも洗っているうちにボロが出るかも。今、良心と闘っている。
 夕食のおかずは別館特製ししゃもの南蛮漬け。

2月20日(火) 良心の女神は微笑んだ。

 作務衣の衿をつけ直したらずっと良くなった。教訓:焦るな、手を抜くな。
 夕食は鯖と野菜のカレー煮。意外とおいしかった。

2月21日(木) 花運はいまいち。

 「未完の世紀」を鑑賞。新しくなった東京国立近代美術館を4階から1階までくまなく見てまわる。ご近所の科学技術館の食堂へ行ってお昼を食べる。
 梅を見るために東御苑に来たのだが、梅がない。天守閣跡や展望台をまわって平川門へ向かう途中、前方に数本の梅を見つける。そちらへ向かって歩いていると背後からパッカパッカと蹄の音が聞こえてきた。馬車だ。あわてて写真を撮る。動いているので撮るのが難しい。中には誰も乗っていない(乗せて〜)。馬車が見えなくなってから梅を目指して歩いていると、また後ろから馬車がきた。同じところを何度も回っているらしかった。珍しいものを見られて良かった。梅は門の近くに少しだけ。


 歩いて神保町へ。今日は古本屋さんには失礼して、タキイで野菜の種などを買う。スマトラカレーの『共栄堂』で焼きりんごを食べる。席に着くなり、カレーについてくるスープが出てきたので、焼きりんごだけのお客は珍しいのかな。
 電車一本で立川まで戻り、夕食は『テンガロン』へ。亭主はスペアリブ、オットは牛タンステーキ。今日は早い時間からお客がちらほらと来ている。

2月22日(金) 
《今日届いたCD》
『Bob the Builder - The Album』BBC Worldwide Music[amazon.co.jp]

 午前中、ニンジンジャー(人参と生姜のクッキー)を作る。
 午後はパン焼き。干しいちぢくと干しあんずの賞味期限が切れているので、レーズンの代わりに入れることにする。今日は集中力が今ひとつ。クッキーにはレモンを入れ忘れ、生地も何だかお肌の曲り角みたいであまりふくらまず。
 元気づけにボブザビルダーのアルバム(↑)をかけてみる。

2月23日(土) 

 「家事を楽しみに変えるコツ」という特集につられて『婦人公論』を買った。

2月24日(日) 

 ほとんど茎だけで冬を越したアーモンドから、また新しい葉が出てきている。だいぶ暖かくなってきたので、残っている種を早く蒔いてしまおう。
 昨年のミニトマト、バジル、ルッコラに加えて今年は小ねぎとコリアンダーも植える予定。ベランダはどこまで耐えられるか。

2月25日(月) 

 オット、今日から作務衣2号を着て仕事。自分が作ったのに人が着ているのを見るとうらやましい。しかも1号を作ったときの反省をふまえている分よく見える。自分用に作った1号は生地が薄いので、まだ着られない。
 今日のおやつはニンジンジャーと乳清寒天、エスプレッソ。

2月26日(火) 

 冷蔵庫に細切りチーズの残りといただきものの鈴廣のちくわとがあるので、夕食はこれをチーズ焼きにする。スーパーで舞茸を目にしたので、これもチーズ焼き加えることにする。この舞茸、栽培から出荷まで人がさわっていないので洗わずに食べられると書いてある。洗わない方がおいしいのだそうだ。多少の抵抗はあるが、洗わなかった。たしかにしっかりときのこの味がしておいしかった。

2月27日(水) 

 餃子を作った。16枚入りの皮を2つ買ったので、具を4等分してその4分の1から8個ずつ作ればいい、と考えた。しかし二人で包んで同じ皿に並べているうちに自分が何個作ったかわからなくなった。いろいろと小細工をしてなんとかうまくおさめた。

2月28日(木) 気がついたら2月は今日でおしまい。

 水族館とプラネタリウム、それから特別イベントをおめあてに池袋のサンシャインへ。
 特別イベントは動物のふれあいコーナー。馬、犬、うさぎ、他いろいろ。係のお姉さんにはなついているのにお客さんには愛想がいまいち。人間にさわられてやるかなぁ、仕事だしなー、といった態度。犬稼業もなかなか大変である。三宅島で飼われていた動物のための募金をする。
 お昼はロッテリアを見つけ、前から気になっていた石焼きビビンババーガーを食べてみる。どこが「石焼き」なのかは皆目不明だが、思ったより悪くない。他にはサムゲタンスープとふりタコ(粉のソースを振りかけて食べるたこ焼き)も食べた。楽しかった。
 水族館に入ったらちょうどアシカショーが始まったので見学。アシカ稼業もなかなか大変である。
 夜は中村屋『ルパ』でインドカリー。



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