2002年1月

12月 よもだ亭日乗 目次 2月

1月1日(火) 旧暦ではまだなんと11月18日

 これから続くごちそう攻めにそなえて、朝はコーヒーとヨーグルト(プルーンとりんごジャムを含む)だけ。
 昼、別館へ赴いてお節料理をいただく。今年は仕出し屋に頼んだお節料理に別館特製の栗きんとんや田作り、お雑煮など。仕出し屋のお節は和洋中のお重があって、昼は和のお節を食べた。
 午後は読書三昧。お正月を意識して白洲正子著「明恵上人」、大野晋著「源氏物語のもののあはれ」、赤瀬川原平著「千利休 無言の前衛」など。  夜も別館にて、今度は洋食と中華のお節。ご飯と漬物と味噌汁がおいしいのであった。

1月2日(水) 今日の月は寝待月、だそうです。

 実家で昼も夜も鰤三昧。居間の石油ファンヒーターが突然火を吹いた。そういえば年末の新聞にそんな広告が載っていたと思ったので確かめてみたら、まさに該当機種。何だか宝くじに当たったみたいな気分がした。何ごともなくてよかった。

1月3日(木) 来年の目標はこれできまり。

 オット、胃の不調にて朝昼食べず。
 亭主、朝は食べたものの、風邪の気配を察してふたたび蒲団の中。
 年末・お正月の過酷な食生活に負けない胃力(いりょく)を養おう。

1月4日(金) 肩凝り自慢。

 風邪ではなくいつもの肩凝り頭痛。そういえば一週間前にケーキを焼いたときも肩凝り頭痛だった。
すがる思いでかねひろ治療院に電話する。留守電かな、と思ったらご本人の声なのでうれしくなってしまった。鍼を4本打ち、治療直後はすっきりしてるんるんお家に帰ってきたのに、家に帰ったとたんに、うー頭痛い首が痛い目の奥が痛い気持ちが悪い……。
 オットもあまりお腹がすいていないというので、ぼちぼち夕食の準備。お腹にやさしく栄養満点リゾット、海山味噌汁、この冬はじめて漬けたザワークラウト

1月5日(土) バレエに正月なし。

 レニングラード国立バレエ「眠りの森の美女」全3幕プロローグ付きを鑑賞するため、有楽町へ。
 正月の疲れが多少残っているので、ゆっくりと出かけ、お昼ごろ有楽町につく。さいきんここに開店した無印良品の中にある『Meal MUJI』で昼食。ここは健康的な食材による素食がテーマとのこと。デリ4品とパンかご飯のつくセットメニューにする。亭主はルッコラの白和え、かぼちゃとさつま芋のサラダ、豆腐とひじきのコロッケ、クスクスサラダ、パン、コーヒー(MUJIブレンド)、オットは、豆腐のマリネ、小鰯のマリネ、白野菜のサラダ(カリフラワーと蓮根と長葱)、かぼちゃとさつま芋のサラダ、パン。パンはライ麦全粒粉のパンだった。セットは650円(飲み物は別)。分量も適当で種類も豊富。お持ち帰り用の箱に入れてもらっているOLさんらしき人もいる。こういう店が増えると外出しても悩まないんだけれど。
 レニングラードの人たちは、12月から2月ごろまで日本で踊っているらしい。日本のバレエ教室の子どもたちも出ていたけれど、プロ顔負けの演技力。踊りもうまい。
 芸術鑑賞をして、お腹もすっかりこなれたので、久しぶりに『グルガオン』で夕食。サモサ、パンジャビーキーマ、季節の野菜カレー、タンドーリチャパティ、バスマティライス、赤ワイン(キュベ・アンドリュー・メルロー)グラス、マンゴラッシー。ふたつ出てきたサモサはそれぞれ味が違うことを知らず、ものすごく辛い方をわたしが取ってしまった。気がついて取り替えたときには、オットはすでに辛くない方をおおかた食べてしまっていた。
 気がつくとお店の外に待ち行列ができている。われわれは『どんパ』を探してさまよいだした。

1月6日(日) 初稽古

 お稽古の前に『ドトール』のガトーショコラ(とカフェラテ)だけではさすがにお腹がすいた。しかし家に帰れば夕ご飯が待っている。
 今夜はスペイン人の神父さんの本からタコと野菜の重ね煮。本当はイワシの重ね煮なんだけど。里芋じゃなくてじゃが芋を使うんだけど。でもおいしいからいいんである。タコにはトマトがよく似合う。

 『フラガ神父の料理帳 スペイン家庭の味』 [bk1/amazon.co.jp]

1月7日(月) 

 年末に会った高校時代の友人との新年会。これで年末年始の行事はおしまい。
 転勤で関東に戻ってきた友人宅でくつろぐ。友人が作ったグラタン、サラダ、それから宅配のピザ。お菓子は各自のお持たせ。何か作って持っていこうかとも思ったのだが、勉強不足なのでカステラを買っていった。こんど小さなおこさまにもよろこばれそうなパンかケーキの研究をしよう。
 女の子どうし(わたしも含む)でお買い物ごっこをした。みんな幼稚園に入るまえからクレジットカードの使い方を知っているので感動した。

1月8日(火) 

 久しぶりに発芽玄米を作った。部屋が寒いのでヨーグルトメーカーを使って一昼夜温めると、胚芽の部分がすこし尖ってきた。あとはふつうの玄米と同じように炊くだけ。見ためはほとんど変わらないんだけれど、久々においしく炊けたと言われた。

1月9日(水) やっぱり貧乏性

 別館でタラバガニを食べた。
 生まれてこの方、家庭でこんなに大きな蟹を食べたのは初めてだ。蟹は殻から身をはずすのが大変で、苦労のわりには報われないイメージがあるけれど、これはおもしろいほどきれいに身がはずれる。冷凍してあったためか、殻も素手で割れる。はずした身は本物とは思えない。まるでカニかまぼこそっくり、と思う自分がちょっと情けない。レモンをかけて食べた。すだちがあったらもっとおいしかっただろうな。
 また贅沢をしてしまった。蟹の殻は後日、雑炊の出汁にして供養します。

1月10日(木) よもだ懺悔禄

 Bunkamuraザ・ミュージアムにて「ウィーン分離派展」を鑑賞。ヤン・トーロップという画家のポストカードを買った。日本の絵巻物に出てくる亡者みたいなところが気に入った。『Fatalism』という作品らしい。オットはシーレにいたく感銘を受けた様子。
 吉祥寺の『武蔵野珈琲店』で、昼食代わりにガトーフロマージュとブレンドをいただく。ここに来たらチーズケーキとコーヒーの組合わせを試すべし、と誰かがレストランガイドでコメントしていたのでそのとおりにしてみた。チーズケーキは表面にうっすらと焼き色がついていて、中がレアチーズのように濃厚。その後、井之頭公園へ足を延ばす。
 部屋着を作るべく、ユザワヤで布地や材料を買い込み、夕方の開店を待って『GAMLASTAN(ガムラスタン)』へ。吉祥寺はあまりよく知らないので、これもインターネットで探した。北欧料理の店ということだが、北欧料理がどんなものかはわからない。
 コース料理がメインのちょっとしゃれた感じの店だった。暖炉には本物の火が燃えている。なんとコースの中に牡蠣のグラタンが。前菜は魚介類が中心。評判の自家製ライ麦パンは噂にたがわぬおいしさだった。ライ麦が入っているのに酸味がほとんど感じられず、モチモチとした食感もふつうのライ麦パンにはない。どうやって作るのだろう、と大きいかたまりを2個たいらげながら考えた。常連さんになったら作り方教えてもらえるだろうか。このパンはコースにしかつかないというから、このパンをめあてに来るのも大変である。

1月11日(金)

 くるみand/orレーズンパンを焼いた。このまえピザを作ったときの反省をふまえて、朝から小麦粉をあたたかい部屋に置き、ボールや器も温めておいた。醗酵するのも遅いので、粘り強く待った(いつもの倍はかかった)。
 『台所重宝記』の心得問答の項に、お菓子を焼く場合に器に水を入れてテンピの中へ置くと焦げないと書いてあるので、試してみる。さらに、蓋のあるパン型は蓋をして焼いてみた。いつもけっこう黒くなって表面に出ているレーズンが苦かったりするのだ。
 今回は蓋なしのほうもわりと良い焼き色になった。蓋つきの方はかなり色が薄い。いちおうは焼けているみたいだけれどもどこか頼りない。心配なので型から出してすぐに食べてみると、
 ほわほわほわ〜ん。おいしいでないの。
 そろそろ新しいパンに挑戦してみてもいいころかな。昨日のライ麦パンはほんと、おいしかった。

1月12日(土)

 お稽古のあと、モスで海鮮かき揚げバーガーとミネラル野菜のセットを食べる。本当はポテトを食べたいのに揚げ物が重なるので控えるところは、読んだばかりの本の影響が少し残っている。でもやっぱりお腹が空いた。

1月13日(日)

 お昼はドトールでベーグルサンド・ベジタブル。そのあと踊って家に帰ったら夕食もベジタブルであった。

1月14日(月) ちょっと詩人?

 治したくない持病
 それは貧乏性、読書癖、コーヒー中毒。

1月15日(火) 

 今日はカレー。すべてをカレー奉行のオットに託する。むきエビを買ってきたので、エビカレーを食べる体勢をととのえて待つ。できあがったのはどう見ても大根カレー。短冊に切った大根はあきらかにエビより大きい。しかし意外にも大根がいい味を出していた。

1月16日(水) 

 年が明けてからというもの、昼食は毎日のように餅を食べている。お餅を焼いて、チーズと一緒に海苔を巻く。おかずは豆のサラダザワークラウト。じつに楽ちん。

1月17日(木) 町田へお出かけ。

 旧白洲邸「武相荘(ぶあいそう)」へ。
 白洲次郎、正子夫妻は第二次大戦中に古い農家を買い取って移り住み(わたしの母の生まれた年ではありませんか!)、手を入れながら何十年と暮らしてきたという。すてきだろうなという反面、古い家で生活するのは大変ではないかな、と思っていた。寒そうだし。しかし一見して、住みたくなった。かつて土間であったところは応接間(床暖房であたたかい)になっており、ソファーの上には2階(納戸?)へあがる梯子のような階段がのびている。なんといっても書斎が魅力的。壁の本棚にはぎっしりと本が詰まって、棚がたわんでいる。書き物机の下は掘り炬燵。横浜の洋館を見ればあー洋館に住みたい、茅葺きの農家を見ればあーこんなのもいい、と節操がない。あいにくの雨天にもかかわらず、かなりの盛況であった。これでも今日はまだ少ない方だそうで。

 武相荘をあとにして、町田へ。
 町田はわが古巣である。といってもわたしは神奈川県民だったのだが、子どものころは、いちばんのお出かけといえば町田でお買い物をして小田急デパートのレストラン街でお食事、というコースだった。変化の激しい街なので、道に迷うのではないかと思ったが、わたしの元御用達はわりあい残って健闘しているし、古い店も多く残っている。
 昼食は『アンデルセン』で、発芽玄米サンドイッチというものを買って店内で食べる。発芽玄米は肉眼では確認できず。発芽させて粉にしてパンを作ったのかな。
 懐かしの富沢商店本店では、栗と亀の形をした落雁型と干し大根を買った。
 東急のプラネタリウムは、わたしたちを含めてお客が4人。生の解説つきでいい番組をやっている。がんばれ〜。
 夕食は地元のインド料理屋へ。マトンのカレー、フィッシュカレー、サモサ、アチャーというインドの漬物などを頼む。アチャーは野菜にスパイスの香りがよくしみていておいしい。マトンのカレーは朱肉のようなすごい色をしているが、辛くはなく、肉の風味もよい。フィッシュカレーは魚に酸っぱい下味がついている。こちらの方が少し辛い。店員さん同士の会話が気になったのだけれど、言葉がまったく理解できなかった。あれは何語なのだろう。

1月18日(金) よもだ亭、火星征服!

 家にある材料で「タコのガリシア風」風を作る。タコがなくては始まらないのでタコを買いに行く。
いつも買うタコのほかにイイダコがあった。手のひらサイズのテルテル坊主6個入り。これで作ったらどうかしらと思う。どうなるかわからないからいつものにしておこうかと迷う。ここは話題作りに新しいものに挑戦してみる。
 タコのガリシア風とは似ても似つかないものができた。トマトの赤い海にタコ……なんだか火星に火星人がいるみたい。名前は火星人シチューに決まり。イイダコの頭をまるごと口に入れると、茹でたまごみたいな味がする。

1月19日(土) オニポテ?

 サラダだとお腹がすくので今日はポテトにしようと決めていた。お稽古あとのモスバーガー。
 海鮮かき揚げのライスバーガーと、フレンチフライポテト&オニオンリングとコーヒーのセットにした。ポテトとオニオンをオニポテ、と呼んでいるらしいのだが、店員さんに真顔で「オニポテ」と言われるとちょっと恥ずかしい。

1月20日(日) お大寒さま〜

 ライスペーパーもメーカーによって、薄さや大きさがまちまちである。大きくて包みやすいのはいいけれど、なかなか水を吸ってくれなくて分厚いもの、もろくてすぐに破けてしまうもの、今使っているのは塩気がついている。くわしく調べて一番使いやすいのを探そう。
 きのうまとめてふたつレッスンを受けてきて、今日は終日仕事。夕ご飯のあとも仕事。

1月21日(月) 大雨――雷のおまけつき。

 納豆はとくに好きとも嫌いとも思っていない食べ物。しかし一日おきくらいに食べるとなるとわたしは苦労する。
 いつのまにか納豆をライスペーパー(生春巻用)に包むようになった。たいてい、ねぎと青海苔を一緒に包む。ちりめん山椒をまぜたり、めんつゆを作ったときは出し殻をまぜたり、好きなものを入れればいい。
 こうすると、不思議と納豆の主張がおさえられるような気がして、以来、納豆に手を焼くことがなくなった。簡単におかずも一品増えます。

1月22日(火) 

 今、作務衣をつくっている。ひまを見つけては少しずつやっている。
 料理はそういうわけにはいかない。時間との闘いだし、不確定要素が多い。布地に触れている方が好きだ。しかし服は食べられないあるよ。
 作務衣づくりはこれまで順調にすすんできた。山崎範夫のミシンは優秀あるね。しかし今日になって袖を裏表さかさにつけてしまったよ。片方で気がついてよかった。

1月23日(水) 

 昼食後から夕食の準備を始めるまでのあいだを作務衣づくりにあてている。おかげでおやつを食べなくても気にならない。これが仕事だと、何がなんでもお茶の時間をもうけたくなるのだが。

1月24日(木) 

 オットが外出。夕方、用事が済んだオットと立川で待ち合わせる。
 さいきんカキフライにご無沙汰しているので、まず伊勢丹にある『西櫻亭』に行ってみる。ここのカキフライはまだ食べたことがない。ところが入り口にカキフライのメニューがない。すでにいつもの夕食時間は過ぎている。お腹すいた……。
 そして高島屋にある『とんかついなば和幸』へ。記録によると前に来たのが1999年10月。オットはカキフライセットと生ビール、亭主はカキヒレカツセット。セットには茶碗蒸しかアロエのフルーツ添えがつくというので、ひとつずつ頼む。注文を受けた店員さん、「わたくし○○が承りました」とはりきっている。わたしが頼んだカキヒレカツセットに海老フライがついている。どうして海老が好きなことがわかったのだろう。サービスかな。いやたぶんまちがい。ひとくちヒレカツ1個が海老フライに化けただけだからいいや。レシートには、エビフライのあるミックスフライセットが打ち込まれていた。いいや、海老食べたんだもの。

1月25日(金) 
手作り作務衣1号

 作務衣完成!! 
 遅くとも3月までには完成させたいと思っていたら、ほぼ1週間でできてしまった。第1号はとりあえず自分用。オットにも着せてみたら、ぴったりサイズ。同じ型紙が使える。経済的。
 頑張ったので久しぶりにおやつを食べる。夕食はニシンの煮付け里芋大根入り、いただきもののちらしずしほか。


1月26日(土) 雪です〜

 夜は雨から雪の予報。しかしめげない。
 レッスンが終わったころには雪になっていたが、都心はそれほどでもないので、ゆっくりモスで海鮮かきあげバーガーとオニポテセット。
 地元の駅も積もるのはこれからという程度。しかしバスから降りるとそこは雪国だった。

1月27日(日) 

 お稽古から帰るとオットが石焼きご飯の用意をしていた。
 ご飯にのせる卵の代わりに山芋を使うというのはなかなかの思いつきだった。おこげもしっとりかつ香ばしい。これは山芋効果だろうか。

1月28日(月) 

 ちょうど1ヶ月前に『ベリーニカフェ』で食べたふっくらカキのフリットがまた食べたくなった。
別館へ夕食をお呼ばれに行ったら、カキに衣をつけてオレンジと一緒に焼いた料理が出た。
 超能力かと思った。

1月29日(火) 

 ヒイカを見つけたのでこれで火星人シチューを作ることにする。タコじゃないけれど火星人シチューと呼んでおこう。
ヒイカも小さな手のひらサイズ。今日食べた火星人シチューとしてはイイダコよりヒイカの方が好み。スパゲティにも合いそうだなー。

1月30日(水) 

 玄米を水に浸けて発芽玄米の用意をする。
 寒いので、夜はヨーグルトメーカーの上に乗せたり、昼間は暖房の効いた部屋に置いたりしている。そうすると一昼夜で発芽するので、コンスタントに発芽玄米が炊ける。これまではタイミングが合わなくてなかなか軌道にのらなかったのだ。発芽させた方がおいしい(ような気がする)し、健康に良さそうだし、そんな気分で食べるのが何よりの効能だと思う。

1月31日(木) 風がつめた〜。

 夕食は何にしようかとスーパーで考えていたら目の前にかぼちゃがあった。ほうとうもいいなと思ったが、ご飯を炊く用意ができているので、かわりにほうとう風かぼちゃ入り豚汁に決まり。
 レジの脇の棚にコアラのマーチが並んでいる。べつに珍しくもないけれど、おや? マロンだって。期間限定だって。お買いあげ〜。




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