2002年3月

2月 よもだ亭日乗 目次 4月

3月1日(金) 今日は暖房をつけませんでした。

 家庭内の不良債権といえば、賞味期限のせまった食品というところだろうか。非常食にともらった玄米あずき粥の缶詰の賞味期限が昨年の終わり頃になっていたので、お昼にせっせと食べてようやく片づいた。もう少し早く気がつけばよかった。

3月2日(土) さよならグレイス

 別館に住む猫、ロシアンブルー推定10歳が昨年の秋から肝臓を悪くしていた。
 仔猫のころ、迷っているところを近所の子どもが拾って里親探しをしていたところを、オットの家でひきとったのだというから、わたしなんかよりオットとのつきあいははるかに長い。
 病気になってからは別館ではご飯や排泄の量に一喜一憂の日々。無事にお正月もむかえられ、冬も越してほっとしていたところだったが、本日未明にお別れとなった。
 お稽古を休んで出張料理。

3月3日(日) さむいっ。

 今日はお稽古。オットがまた何やら変わった料理を考案していた。豆鯵にカレー粉で味をつけてローリエと一緒に圧力鍋で煮る。味はよかったのだが、身がほとんどなくて骨ばかり。名づけて豆鯵のカレー地獄。

3月4日(月) 

 ひさしぶりに気持ちの良い晴れ。そこで小ねぎの種を蒔いた。

3月5日(火) 

 夕食は鯖のトマト煮。缶詰のトマトと適当な野菜と鯖を一緒に煮る。鯖というと、しめ鯖か味噌煮しか思いつかなくて、冴えないお魚だなぁと思っていた。しかしこうして食べると、おいしい。なかなかやるでないの。

3月6日(水) うちのオットは寝ぐせが悩み

 高校時代の友人とランチ。「たまには子どもを預けてゆっくりと食事がしたい」というママさん組みの要望にこたえてイタリア料理のコースをいただく。マンションの1階にあって、狭いながらも庭がある、雰囲気のよいお店。小さな子どももOKで、子ども用の料理もあるが、次の料理を待ちながらおしゃべりが楽しめるのはオトナの特権である。人前でメニューの詳細を書きとめるわけにもいかず、覚えたとしてもしゃべっているあいだに大分忘れてしまった。
 髪に悩む夫を持った妻たちの会話は新鮮だった。高校時代には想像できない話だ。

3月7日(木) 山芋を入れたこともあります。

 お昼は棒ラーメンゴマしょうゆ味。なんといっても入れる具がすごい。麩、ひじき、わかめ、干し椎茸、寒干し大根……七味唐辛子を入れてみようかな、それならガーリックパウダーもいいんじゃない? ラーメン屋さんにはおろしにんにくあるし。海苔も入れよ。

3月8日(金)

 バス停ちかくの植え込み、そろそろつくしが出ていないかと思ったら出ていた。去年、このあたりのスギナを移植させていただいたのだが、うちのプランタにつくしが生えるのはいつの日か。
 『プラド美術館展』を観に上野へ。上野駅は改装して構内にお店がたくさんできていた。展覧会ではスルバランの「神の子羊」という絵が気に入った。お昼は公園で幻の豚まんを買って食べる。
 夜は牧阿佐美バレヱ団の「ドン・キホーテ」を観るので、夕食を早めにとることにしている。そろそろ牡蠣の季節も終わるので、カキフライの食べ納めもしたいので、『煉瓦亭』に決まり。
 休憩に入った喫茶店でお茶だけにするつもりが、このお店の定番のモンブランのほかに和栗のモンブランなるものを見つけてしまったために、ケーキセットを注文する。このマロンペースト、田舎から送られてきた栗と同じ味がする。しかも下の生クリームのミルクの味が濃厚で、ふたつがあわさると天にも昇る心地。
 夢からさめたあと、デパートをぶらぶらしていると、作務衣が2万円で売られている。自分で作ったのがこのくらいで売れたら元は十分に取れるだろうに、などと思う。地下の資生堂パーラーの売り場でイタリアン焼栗を買う。
 ちょっと早めに『煉瓦亭』を偵察してみると、4時40分から営業と書いてある。あと30分くらいあるので本屋で待つ。5分前に煉瓦亭に向かってゆっくりと歩き始める。まだ開いていないので通り過ぎ、引き返してくると店員さんが営業中の札を出したところ。一番乗りだっ、と早足に歩きだして前を歩いていたおばさんを追い越す。すると反対側からとつぜん人が現われて一足先に入って行く。開店5分であれよあれよという間にテーブルが埋まってしまった。煉瓦亭恐るべし。
 オットはカキフライ。亭主はメンチカツレツを注文。

3月9日(土) あたしほとんど何もしてない。

 お昼は質素にポップコーン、のつもりが、残っていた青梗菜をブレイズにし、常備してある豆のサラダと別館特製のくるみ入り田作り(お正月に好評を博していらい、切らさず作っている)を出して豪華ランチになった。

3月10日(日) 

 お休みの日にはひたすら歩きつづけるオット。昼食はコンビニの肉まんが定番となっていたが、今日入ったお店にはもう中華まんの保温ケースがなかったとか。こんなところにも春の気配を感じる。

3月11日(月) 

 田舎から送られてきたというお餅をお昼に食べる。これがまんまるの球体。色は白とピンクとブルーで、まるで飴玉みたい。玄米のお餅やお米をまぜたお餅をよくもらうけれど、今回のはどうしたわけだろうと思ったら、厄年の人が配る風習があるそうで。

3月12日(火) 3月危機?

 明日のパンがない●ということでパンを焼く●粉が少ないので1斤分だけにする●それでも足りない●近所のスーパーにも全粒の強力粉が小袋で売られていたはず●行ってみたらなかった●欲しいものから姿を消す近所に1件しかないスーパー●気を取り直して全粒薄力粉をまぜる●固い●膨らまない●いちおうできた。

3月13日(水)

 朝、ベランダに出てみたら、いちごにつぼみができていた。お昼には花が咲いていた。
 そこで午後は少しベランダ仕事をした。パセリとミントとカゲツの植え替えと、ミニトマトと紫蘇の種まき。わたしにはベランダでコンテナ栽培くらいがいいところかな。

 

3月14日(木) ホワイトデーはマロングラッセとキャンディーいただき

 小石川植物園へ。
 まだ咲いていない桜の木を眺めながら、売店で買ったおにぎりとパンを食べる。人が腰をおろすと猫が寄ってくる。しばらくじーっと坐っていて、何ももらえなさそうだと判断すると、次に腰をおろしかけている人の方へ行ってしまう。売店に鯉の餌は売ってたけれど、猫の餌はなかったなぁ。
 本日のお目当ては桜ではなく、植物園の日本庭園の奥にある旧東京医学校である。はじめて小石川植物園を訪れたときに、この紅色の怪しい建物には近づくことができなかった。ここが改装され、東京大学総合研究博物館小石川分館として開かれたことを知ってのぞきに来たという次第。昔の工具や模型の展示。当時使われていたであろう棚、机がさりげなく展示に使われている。階段の下に昔のバケツを置いたりして、心憎い。

3月15日(金)

 キャベツがたくさんあるので、お好み焼きを提案した。お好み焼き奉行はオット。家でお好み焼きを作るのは、実は初めて。具に小エビを買い、卵の代わりに山芋を入れてみる。ソースがないことに気がつき、タレ作りの得意なオットにすべてを任せる。
 なかなか固まらなくて、お好み焼きというよりもんじゃ焼きのような感じになってきた。粉の配分の問題か、卵をけちったせいか。蓋をして蒸し焼きのようにしてごまかす。匂いはとてもおいしそう。秘伝のソースと鰹節、青海苔をかけて食べたらおいしかった。とくにソースがいい。即席で作ったとは思えない! 中身は何かというと、醤油、バルサミコ、コチジャン、すりおろしたにんにく。

3月16日(土)

 実家へ。
 いつも実家へ来ると昼はどこかへ食べに行くことになるのだが、ここへ行きたいという店があまりない。そこでわたしがまだ行ったことのない所へ連れていってもらった。
 川魚の料理を出すお店である。山と畑に囲まれて、生け簀には鯉や鱒がいる。湧き水をどこかから引いているのだと思う。わたしたちの席から見えるのは、池の鯉(これはたぶん観賞用)とあたり一面の田んぼと畑。この辺りではまだホタルが見られるという。蓮華が咲いていた頃に、ジェフを連れて来たことがあると言っていた。
 鯉のあらい、鱒のからあげ、鱒ずし、鯉の味噌汁を注文すると、あっという間に出てくる出てくる。鯉を見ながら鯉のあらいを食べると、鯉さんに感謝の念がわいてくる。鱒のからあげは大根おろしをたっぷりかけて食べる。大きいのが2匹で1人分だというから、注文するときは控えめに。しつこくないうえに骨まで食べられる。鱒ずしは、肉厚の鱒がでで〜んとのってくる。鯉の味噌汁、おいしかったなぁ。鯉さんありがとう。
 とっても庶民的で気楽にお好み焼きを食べに行くような感じで行かれるのがいい。

 ちょっと早めに、還暦バースデーのお祝いの品を父に贈る。バカの一つ覚えの作務衣、ただし上だけ(だってサイズ不明だもの)。

3月17日(日)

 アーモンドの花が見ごろというニュースを見た。うちのアーモンドも早く花が咲くくらい育たないかな。ハダニにやられて一時はただの棒になってしまったけれど、木酢液が功を奏したか、今回葉が出てきてからは虫はついていない。
 いちごの花はふたつ目が開花。小ねぎもたくさん芽が出てきた。

3月18日(月)

 今日はお誕生日会(父とは別の)で、近所の『眞一館 宇津木亭』へ。牛タンに黒タンと白タンがある。違いはいかに? せっかくだから高い方(黒)を頼んでみたらさすがにおいしい。サムゲタンフェアーというので、サムゲタン粥も食べる。まだもう少し入りそうなので、白タンも追加。

3月19日(火) をぢさんお誕生日おめでとう

 春って気分はうきうきなのに、体がついてきませんね。
 今日はコーヒーの摂取量が少なかったな〜。

3月20日(水) 日曜日の試験にそなえて、シャーペンの芯と消しゴムを購入。
御用達、更新しました。

 鮭のあらがあったので、粕汁を作ることにした。別館へ行ったら春のてんぷらがたくさん。
 ふきのとう、よもぎとじゃこ、ユキノシタ……

3月21日(木)

 外出は午後からということにして、パンを焼く。
 このまえふくらまなかったのはイーストのせいではないかと勘繰っていた。賞味期限前でも開封したらだめになるのが早いのではないかと。試しにきのう、ちょっとだけぬるま湯をかけて置いておいたらちゃんと醗酵した。疑ったりしてごめんよ。
 無事にパンを焼いて外出。バスを途中で降りて、川沿いの桜を眺めてから駅まで歩く。久しぶりに『珈琲倶楽部 田』へ寄って、珈琲クリームぜんざいと珈琲パフェ。お昼を加減していたのでひときわおいしい。
 買い物ののち、これも久しぶりの『カンパーニャ』で圧力鍋の音を聞きながらの夕食。サイトもできたという。今日はパスタコースで、選んだのはボローニャ風ミートソースのタリアテッレと、牛肉をじっくり煮込んだトマトクリームのスパゲティ。それから「小さなサラダ」というサラダ、フランスパン、デザートはいちごのムース(オット)とカボチャのプリン(亭主)。飲み物はグラスワインの赤とシチリア産オレンジジュース。

3月22日(金)

 スーパーで、そばもやしやブロッコリーもやしを見るようになった。これがブームにのっただけでなければいいのだけれど。もっとも、ここにアルファルファが置いてなくて自分で作るようになったのだから、なくなったら、自分で作ってみよう! と思う人が出てくるかな。
 もやしはこちら

3月23日(土) 明日はTOEIC®。

 モスの新商品、野菜マリネとひな鶏のタンドリーチキンバーガーを試してみた。わたしにはちょっと辛い。

3月24日(日)

 頭が疲れた〜。約10年ぶりにTOEIC®を受けた。「本当の実力をはかるため」に、試験勉強しなかったんだもんね。会場は同じ市内なのに1時間以上かかるし、今度受けるときまでに脳と体を鍛えておかなければ。
 モノレールで立川まで戻ってオットと待ち合わせ。試験お疲れさんディナーは、中華街の素食料理の店。一見普通の中華料理なのだが、肉、魚、ニラ、ニンニク、ねぎ、らっきょうなどをつかっていないのだそう。満腹定食のなかから、オットは「新竹(しんつー)」セット(酢豚風と台湾焼きビーフン)、亭主は「台南セット」(茄子と挽き肉風味噌炒めと坦坦麺)を選ぶ。どちらもご飯か玄米、飲み物は豆乳かココナッツジュースが選べる。玄米ご飯はうちで食べるのとはまたひと味ちがっておいしい。この杏仁豆腐はもしや豆乳で作っているのではないかしら。総合的な感想:何ももどき料理にこだわらなくてもいいんじゃないかなぁ。

3月25日(月)

 昨年は、ミニトマトは約10日、アーモンドは約1ヶ月で芽が出た。それでいくとそろそろ今年も芽が出てきていいころなのだけど。暖かいと思って早く蒔きすぎたかな。つくしも出てこないしなー。今年はスギナじゃなくてつくしの胞子を採取してみるつもり。

3月26日(火) よもだ亭証人喚問

 無農薬の甘夏の皮をせっせと集めていたオット、たしか先週わたしがお稽古で外出しているときにマーマレードを作ったといっていたはず……。わたしもスヌーピーの保存瓶に入った黄色いモノを冷蔵庫で見たような気がする。
 いつ口にする栄誉にあずかれるのかと待っていたが、一向に出てこない。スヌーピーもいつのまにか食器棚に戻っている。おやつのときに聞いてみたら、「記憶にございません」だって。

3月27日(水)

 水曜日は別館へ出張料理と決まっているが、今日はお呼ばれ。
お刺し身、茶碗蒸し、炊き込みご飯、お吸い物その他いろいろ、そしてデザートは手作りオレンジケーキ、コーヒー付き。
 披露宴の伊勢エビ食べそこない記念日である。

3月28日(木) エビ食べそこないの翌日引越し記念日

 晴れたっ。
 午前中に洗濯物をちょっとだけ外に干して、昼に多摩動物公園に着くように家を出た。園内の桜は満開。案内図を見て、一日で回れるのかと心配になったが、律義に順路を追ってゆく。お弁当はきのうの別館製炊き込みご飯をおにぎりにしたものをベンチで食べる。
 ライオン、チーター、トラは思ったより肉がだぶついていない。昆虫生態園の温室は一見すると植物園なのだが、葉は虫食いだらけ。この中で700点の蝶が飛び交っている。
 歩いてほとんどすべて見て回ったのに歩数はそれほど稼げず、お腹を空かせながらモノレールで立川へ。『黎明舎』に入っておそいおやつ休憩。わたしが食べたカマンベールタルトは、上の層のチーズは甘くないチーズそのまま。このお店は紅茶のおいしい店に認定されているのだけれど、コーヒーがおいしいのだ。
 夕食は『マユール』。今日はちょっと辛いものが食べたい気分でタンドールセットを頼んでみた。セットの中のチキンの辛さがだいぶあとから効いてきた。それまでは、カレーのマトンチリもベイガンバルタ(焼き茄子とトマトのカレー)もおいしく食べていたのに途中で味がわからなくなった。オットは今までで一番おいしかったと言う。

3月29日(金)

 目が覚めたらごみ出しタイムリミットをとうに過ぎていた。でも回収車が来ていなかったのでセーフ。
とうぜんのことながら、お昼になってもお腹がすかないので、おやつ(乳清寒天とこのまえのオレンジケーキ)を早めに食べた。
 きのう動物園に行って、人間があのように飼育されるとしたら、何をして暇をつぶすか、という会話をした。延々と編み物、延々と機織り、延々と写経。みなさんならどうしますか。

3月30日(土)

 ジェフのお参りに行く。このまえ連れて行ってもらったお店にオットを連れて行くいい機会なので、オットも誘う。
 お寺では昨年とおなじくボランティアの人が犬や猫の里親探しをしている。なかに一匹見たことのある犬がいると思ったら、昨年もここに来ていたワンコだった。名前はサクラ。おとなしくていい子だけれどもらい手が見つからない。
 川魚料理のお店は『飄禄玉(ひょうろくだま)』(瓢箪のではなく)。鱒のから揚げ一人分というと、大きい鱒が二匹出てくるので、お味噌汁の他は人数の半分で注文する。季節になったら鮎の塩焼きが食べたいのでお父さんよろしく。

3月31日(日)

 「こねるときにもう少し水入れてもいいんじゃない」「じゃあこんど作ってみて」「いいよ」
 というわけで、今日はオットがパン作り。わたしは指定の分量の水を少し余らせている。まえに分量どおりにしたら、いつまでたっても生地がべとべとしたままで、けっきょく粉を足したからだ。しかしオットはレシピどおりにする。
 オットがこねるとあっというまにまとまって醗酵もいい感じ。でもわたしはちょっとおもしろくない。作務衣を作らせても、わたしよりうまいんじゃないだろうか。ま、食べるまでわからないけど。



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