2003年4月

3月 よもだ亭日乗 目次 5月

4月1日(火) 十勝の牛乳を使った大きなシュークリーム

 もうちょっとでこの冬は風邪をひかなかったと自慢できたのになぁぁと思う。やはり土曜日の薄着がまずかった。ということで買い物をお願いしてついでに特別おやつを頼んだ。子どものころ、風邪で学校を休んだ日はおやつが楽しみで楽しみで。

4月2日(水) 本日の夕食

 きのうのうちにダンドリーチキンの段取りができていたのである。

4月3日(木) 千鳥ヶ淵は満開です。

 春だというのに、日に日に目の覚める時間が早くなる。
 中央線から東西線に乗り換えるために中野駅で降りたら、カゴメの野菜ジュースの大きい看板が見えた。お兄さんがパジャマ姿で太極拳みたいなポーズを取っている。みたいな、と言ったが、本人は太極拳をやっているつもりらしいのだ。それにしちゃ上げる足が反対だ、とつっこめるのも太極拳をはじめたから。
 さて、東京国立近代美術館工芸館の人形展。いくら見ていても飽きない。竹久夢二が作った人形は、「お人形を買ってもらえない子どもが自分で作ったお人形」という感じで、縫い目が微笑ましい。
 お外でお弁当びよりなので、工芸館のある北の丸公園の売店をさがすと武道館の目の前にあった。武道館は法政大学の入学式が終わったところ。売店で肉まんとカレーまん、自販機でお茶とコーヒーを買い、ベンチに坐って食べる。ベンチの少し離れたところからネコがよだれを垂らしていた。公園内の池では亀と鴨が仲良くひなたぼっこ。
 千鳥ヶ淵へは初めて行った。公園からだとお堀の斜面に生えた桜を上から見る感じ。お堀の向こうの道路やビルがほとんど見えない。

 夕食は『カンパーニャ』に予約を入れておいた。記念日なので、おまかせコースというのを頼んである。飲み物はグラスワイン白とシチリア産オレンジジュース。前菜:生ハムとチーズを挟んだピタ、ホタテと小エビと野菜のグリル。パスタ:アスパラ・空豆・グリンピースのペンネマカロニ、カニとズッキーニの手打ちパスタ サフランソース。メイン:鴨肉のグリル赤ワイン風味。デザートは二人ともカボチャのプリンにそれぞれ紅茶とコーヒー。
 いつもパスタをめあてに来ているので、グリル料理を食べるのは初めて。おいしいのはパスタだけではなかった。鴨以上につけ合わせのキャベツとブロッコリーが印象的だった。調理法はいたってシンプルなのに、秘密はどこにあるのか。カニとズッキーニの手打ちパスタはローマで覚えてきたのだそうだが、ラーメンのような手打ちパスタとカニの風味はどこか中華の香りが……。

4月4日(金) 

 ちょっとお腹もたれぎみ。夜はアサリとほうれん草の餡かけ。

4月5日(土) 夜は松屋カレーさっ。

 まるで台風みたいな雨はいきおいが衰える気配なし。
 こんなときは用心しておとなしく家にいるのがいつものなまくらなよもだ亭亭主であるが、今日は風邪が治りきっていないにもかかわらず、果敢にお稽古へ出かけたのであった。そこまではよかった。

4月6日(日) なあ〜んか風邪を重ねびきしたような感じ。

 おとなしく家にいた。夕食はカボチャのサブジ

4月7日(月) 「楊名時のさやわか太極拳」今日からはじまります。

 ここのところ、玄米ご飯の炊きあがりが非常によろしい。腕をあげたかなと喜ぶのは禁物だ。暖かくなって水の吸収が良くなったのかな。

4月8日(火) 

 この冬は寒さが厳しかったのか、春になっても新芽が出てこないベランダの鉢植え。せめて雪の日は中に入れてあげたかったんだけどねぇ。地面に植わっているものより弱いんでしょうか。
 今年もミニトマトくらいは作りたい。

4月9日(水) あの帽子をかぶって出た。

 出産予定日を1週間まえに控えた友だちに会いにゆく。武蔵野線の新八柱駅で新京成に乗り換えるのだが、数年まえ松戸のホールで踊ったときに、このルートを使った記憶がある。舞台のあとだから帰りも遅く、雨の中、慣れない土地でお腹をすかせながら駅のちかくで見つけたイタリアン・レストランに駆け込んだのだった。そこで何を食べたのか、詳細な記録は残っていないが、とてもおいしかったと書いている。この店が見つけられるかどうか、自信はなかった。もうないかもしれない。ところがどっこい、さがすまでもなく、駅を出たらすぐに見つかった。

4月10日(木) 

 今週も中野で東西線に乗り換える。永青文庫の手前にある胸突坂のその手前に川が流れていて(あとで神田川と知った)、カメとカモが仲良くひなたぼっこしている。川のほとりの桜もきれい。「細川家と宮本武蔵」展を見たのち、護国寺まで歩く。
 池袋のデパートでおにぎりを買って屋上にあがり、動物の鳴き声のする自動販売機で飲み物を買ってお昼を食べる。
 新宿の西口に出ると都知事候補ドクター中松の選挙カーがあった。はじめご本人は見えなかったが選挙カーの上の発明品を写真に撮っていたら車に乗り込もうとしていたご本人が気がついてVサインをしてくれた。ほかにも、介護犬育成募金の活動中のワンちゃんたちがいて、最初に写真を撮らせてもらおうと近づいていったワンちゃんたちはどこかに行ってしまい、残ったワンちゃんに近づいたらお姉さんに「お仕事中なのでごめんなさい」と言われてしまった。じゃましてごめんね。
 新宿でトマトを植える紙のプランターやらもろもろの買い物をして地元に帰り、インド料理店『シャンティ』で夕食。

4月11日(金) 

 やっとミニトマトの種を蒔いた。ぐずぐずしていたら去年よりおよそ1ヶ月遅くなった。

4月12日(土) 

 お昼になかなかお腹がすかない。今年は太極拳で夏ばてはしない予定なのだが。

4月13日(日) 半年ぶりにトゥシューズ再開。

 オット、「焼き栗むいちゃいました」というのを見つけて買ってくる。Sパーラーのイタリアン焼き栗をむいちゃったみたいなもんですな。夕食後、コロンボを見ながら食べる。

4月14日(月) 「楊名時のさやわか太極拳」今週もはじまります。

 「焼き栗むいちゃいました」がおいしかったので、太極拳の帰りにまとめ買い。

4月15日(火) 毎日毎日アーモンドのハダニと戦っています。

 待ちに待ったシラス届く。さっそく小分けにして冷凍する分は冷凍し、お昼はシラスかけご飯。片づけが済んで時計を見ると、やや、12時になったばかり。シラスを見たら見さかいがなくなってしもた。

4月16日(水) 買い物の途中、テントウ虫に会いました。

 今日はお昼のビーフンにシラスを混ぜた。
 おかげさまで毎日充実した食生活を送っているが、次の食事の時間になっても空腹を感じないことがある。そこで昨日から食生活を見直して、食事の間隔も充分に空けるようにした。お腹がぐぅーっと鳴ってから食べるのはおいしさの秘訣である、と2日目にして感じている。

4月17日(木) 

 「武蔵 MUSASHI  武人画家と剣豪の世界」展へ。徳川夢声の朗読を聴く。映像がうかんでくるような、臨場感あふれる朗読。両国駅前にあるそば屋『元』でごまだれせいろを食べる。あれ、器が変わったかな。今日初めて口にする食べ物で、おいしさがお腹に染みる。
 次は大江戸線に乗って東京都現代美術館へ赴き、「舟越桂展」を見る。購読している雑誌で招待券をもらえるというので、ねらって応募したらあたったのである。木彫りの人体が広い空間にポツン、ポツンと立っている。うっかりすると人間とまちがえる(したがって、入るまえにリュックや鞄はロッカーに入れてきてほしいとお願いされる)。ブラウスやマフラーもすべて木(楠)なのに、柔らかい質感が出ている。目は大理石で裏から嵌めこんでいる様子をビデオで流していた。
 まだそばしか食べていない。半蔵門線で表参道まで行き、『キルフェボン』で休憩。オットはイチゴとリュバーブのタルトとキルフェボンスペシャリテ(紅茶)、亭主はメープルナッツのタルトとアッサムティー。どちらも季節のケーキだった。リュバーブというのを、ある小説を訳しているときに知って、初めて実物を口にした。すっぱい。今日はなぜか肩が凝って頭痛がする。さいきんではめずらしい、なんだか突然コーヒーをやめたときの禁断症状に似ている……と思ったところではたと気がついた。今日はまだコーヒーを1滴も飲んでいなかった。自分で忘れていても禁断症状って出るのね。
 渋谷で枕を買ったあと、立川まで戻り『テンガロン』へ。今日は亭主はビーフステーキ225g、オットはいつもの牛タンステーキ225g、トマトサラダ。今日のトマトはよく熟していておいしかった。

4月18日(金) 

 刑事コロンボ「美食の報酬」。レストランの経営者が殺され、捜査の行く先々で、被害者の知り合い(みんな料理人かレストラン経営者)に、励まされごちそうを振る舞われる。役得だなあ。実はコロンボ、子どもの頃から父親に仕込まれて料理の腕前はかなりのものらしい。いつもチリばかり食べているし、たまに仕事で行きつけない高級レストランに入っても頼むのはチリだし、「二つの顔」で料理番組に飛び入り出演したときの手つきは怪しげだったけれど。

4月19日(土) 

 子どもの頃からときどき行くお好み焼屋へ両親と。Bセット(お好み焼き、焼きそば、飲み物)と言うと、イカ、エビ、豚の3種類を持ってきてくれる。よもだの実家ではお好み焼きは父が焼く。したがってわたしはお好み焼きを焼くのがあまり上手ではない。

4月20日(日) 

 今日はお昼にシラススパゲティを食べた。「え、ナンプラー使ったの」と思わせるようなシラスの風味がいける。

4月21日(月)

 昨日の話。お稽古から帰って夕食の準備の最中、冷蔵庫の中に不思議なものを見つけた。オットに聞いたら「キノコのマリネを作ってみた」という。干し椎茸とキクラゲのマリネ。試作段階だが悪くない。今から名前考えておこう。

4月22日(火)

 食生活改造計画のため、食べるタイミングがいろいろ変わっているのですが、どうも空きっ腹にヨーグルトを食べるとその後お腹がすかないような感じです。理由はどうもよくわかりませんが。で、豆乳のヨーグルトも試してみようかと思います。

4月23日(水)

 台湾のお土産にもらったパイナップルケーキがとてもおいしかった。パイナップルケーキは台湾の名物らしく、もらった萬通食品のものはとくに有名なのだそうだ。

4月24日(木) 旧岩崎邸庭園の洋館、いよいよ明日から公開だそうです。

 まずは「ロマノフ王朝展」。はじまったばかりだからだろうか、意外とすいている。豪華な宝飾品の数々。宝石箱に宝石がちりばめられている。ん、宝石のついた箱だから宝石箱? それにしても革命を乗り越えてよく残っていたこと。それから、ニコライ・アレクサンドロヴィチ皇太子が来日したときのお食事のメニューも興味深い。
 お昼は上野公園のベンチで幻の豚まん。噴水まえのベンチはいつのまにか一新されていて、中央に仕切りができて座面が斜めになっており、寝られないようになっている。行きがけに駅の公園口のところで見つけた販売カーで干し芋を買う。「干し芋ひとつくださいな〜」とつい拍子をつけて言っていた。おじさんも負けず「ひとつなら300円、ふたつなら500円、でもそんなに食べられない〜」。
 お次は新宿で映画「WATARIDORI」を観る。てっきり原題だと思っていたらこれは邦題。どうやって撮影したのか、群れと一緒に飛んでいるようなシーンがたくさんある。多少の脚色はあるものの、人間さえも鳥たちにとってはあくまで環境の一部となってしまう。
 高島屋の中の喫茶店で休憩。オットはココフロマージュとハーブティー、亭主はキャトルセゾンとブレンド。ハーブティはほとんど色がないのに、レモンスライスを入れるとさっと薄桃色になる。ココフロマージュはヨーグルトの酸味がきいた柔らかいレアチーズケーキ(中にブルーベリーのようなものが入っている)。キャトルセゾンは季節のフルーツがたっぷりというふれこみだったが、半分に切った苺がちょこっと。
 夕食は新宿の「かつくら」で桃園ロースカツと桃園ヒレカツ、おぼろ豆腐(木の芽の味噌)。このまえ立川で食べそこねた桃園豚。

4月25日(金) ジェフがいなくなって2年。

 生後5日目の赤ちゃんとご対面。ついこの前までお腹の中にいたというのが不思議だ。

4月26日(土)

 じゃが芋のサブジを冷蔵庫に作り置きしている。冷たいのもオツなもので、日一日と味がしみてきます。

4月27日(日)

 梅酒の中に入っている梅を、オットがジャムを作った。これならわたしにも食べられる。見てくれはともかく、おいしいです。

4月28日(月)

 太極拳のあと、『モスバーガー』へ。期間限定もののハーブチキングラハムサンドがおいしかったので、オットに勧めた。わたしは、帰ってきた「玄米フレークシェイクのずんだあずき」。さすがにあとで無性にお腹がすいた。
 今よもだ別館にはシーズー犬が居候をしている。当初の予定より滞在期間が延びたので、犬を飼い慣れていない家族に代わってわたしが散歩を仰せつかった。犬を連れて歩くと、散歩をしているよその犬と親しくなれるチャンスが広がる。ひとりで歩いていてよその犬に(飼い主に)声をかけるのって勇気いるのよね。

4月29日(火) 今日は祝日だったのねー。

 粉が悪くならないうちにとパンを焼くことにする。今日は白い強力粉100%。陽気のせいか、醗酵させて30分とたたないうちに、もとの倍どころかボール一杯にふくれあがる。オーブンに入れたあとはオットに任せ、居候シーズー犬のサマノスケを散歩に連れ出す。
 きのうとはまったく別のコースをとり、さいきん続々と建築されて売り出し中の家を見てまわる。もう人が入って住んでいるなと思ったら、きのう散歩の途中で出会ったボクサー犬とそのおじさんであった。
 今日の夕食に焼きたてのパンを食べる。

4月30日(水) おまたせしました遠足初日の記録です。

 1泊2日の横浜遠足は、キリン横浜ビアビレッジ、島田荘司の小説に出てくる名所(?)、ズーラシアなど、行きたいところをお天気と相談しながらまわることにする。

 初日は雨という予報なので屋内を中心に。横浜駅のホテル前からビアビレッジの巡回バスに載る。赤れんが倉庫を経由してビール工場へ。受付で自由見学を申込み、試飲券をもらう(ガイドツアーにすると醸造途中のビールの味見ができるとあとで知った)。1便のバスで来てまだお昼まえ。しかしすでに空腹。無事に出口までたどり着けるだろうか。時間が早いせいか、天気のせいか、それともいちおう平日だからか見学者は少ない。ほとんど機械化されているので工場で働いている人も少ない。レストランで働いている人や見学者を迎える人員の方が多いような気がする。試飲コーナーでオットはラガー、亭主はキリンのソフトドリンク(しゃきりりオレンジ)を飲む。おつまみパックつき。外は雨がぱらついている。見学も試飲も無料だから、毎日ただでビールが飲めますね。近所の人通ってこないんでしょうか。1回だけお代わりもできるが、今後のペース配分を考えてやめておく。売店でまるごとマロンというビール酵母入りのお菓子をホテルで食べるつもりで買う。  レストランへ移動する段になってちょうどいい具合に雨がやんだ(工場内で自由に使える傘もある)。レストラン「ビアポート」は船をイメージした設計で、ビールのおいしい都市を巡って世界旅行をしている設定らしい。ただいまの季節のおすすめメニューは北欧ノルウェーの料理で、丸元淑生さんの本にも載っていた「ヤンソン氏の誘惑」があったので頼む。ほかに自家製キャベツのマリネ、自家製ソーセージ盛り合わせ、コーンブレッド、オリジナル地ビールのスプリングバレー(オット)、ノンアルコールビールのバグラー(亭主)を堪能する。

 巡回バスなので、ビアビレッジを出るとふたたび横浜駅を経由して赤れんが倉庫で降りる。バスの中ではドイツのビール造りに関するビデオが流れていたが、行き帰り合わせても全部見ることができなかったのがちょっと心残り。雨は降ったりやんだりしながら、わたしたち外に出るとやむようになっている。横浜トリエンナーレ2001の会場になった赤れんが倉庫を視察したあと、ワールドポーターズの『ケーキマニア』で休憩。席を待つあいだ、どのケーキにするかさんざん迷う。オットはベリーベリータルト(チーズケーキにも惹かれた)とアールグレイ、亭主はリンゴの季節(迷ったケーキ数知れず)+マニアプレート(水曜日はレディスデイで無料サービス)とマニアブレンド。マニアプレートは、ケーキのプレートをアイスやフルーツやソースでデコレーションしてくれる。

 本日は一番高い(高度が)ホテルに宿泊。荷物を置いてから近所のスヌーピータウンをはじめクイーンズスクエアで買い物をし、夕食は『ブコ・ディ・ムーロ』で。春の特別コース3500円というのを頼んでみる。内容は、季節野菜のサラダ、花付きズッキーニの詰め物エキストラヴァージンオイルの香り、ほたるいかと春キャベツのペペロンチーノ、自家製平打ちパスタ・パンチェッタベーコンと空豆のバジリコクリームソース、薩摩シャモとマコモ筍のグリル・粒マスタードソース、桜のジェラート、カフェ。このコースにはスプマンテ(スパークリングワイン)グラスサービスがつき、飲めないわたしはいつものシチリアオレンジジュースにしてもらう。花付きズッキーニは、花の方が大きい小指くらいのズッキーニで、花びらに挽肉の詰め物をしている。これだけでも器用だけど、それを縦に半分に割っている。ちょっとシークカバブを彷彿させる味。パスタはつば広の帽子をさかさにしたようなお皿に入っていて、量がとても少なく見える。そもそもパスタやピザだけでお腹を満たそうと思うから少なく思えるわけで、コースとして食べればちょうどよいのである。ほたるいかのパスタはぜひ家庭でも試してみたい。空豆については今までは塩茹でして皮をむきながら食べるばかりで、なんとなく味にも繊細さに欠けると思っていたけれど、このまえカンパーニャで出された頃からその考えをあらためつつある。桜のジェラードは桜餅や桜湯の味。
 1000円増しで海側のお部屋が取れると言われたが遠慮した。夜は街の景色の方がずっときれいだと思うな。夕焼けがとてもきれいだった。あしたは天気がよさそう。

<<よもだ亭日乗 Home  <<よもだ亭日乗 目次