2002年4月

3月 よもだ亭日乗 目次 3月

4月1日(月)
料理集に新しいジャンルが加わりました。

 くやしいけど、おいしかった。
 探していた『パン「こつ」の科学』[amazon.co.jp/bk1]も出てきた。あとは研鑽あるのみ。

4月2日(火)

 紫蘇もミニトマトもなかなか芽が出てこない。去年の種じゃだめかな。待ちぼうけは困るから新しいの買ってこようか……と思っていたら1つだけ出てきた。まだどちらかわかならい。小ねぎはつんつん伸びて5センチくらいになったけれど、以後、縦にも横にも大きくなる気配がない。いちごは次々花が咲いている。これからが勝負。

4月3日(水) センチメンタルジャーニー

 学生時代の友人(後輩)たちと梅ヶ丘で会う。かつて住んでいたところなので、昔の恋人(そんなもの存在しないが)に会うような気分で前の晩から落ち着かない。
 昼食は『パンの笛』で。住宅街の平日の昼間なのにあっというまに席がうまった。予約しておいてもらって正解だった。さすがにもうカキフライはないのでグラタンを注文した。
 そのあとつきあってもらって元近所を歩き回る。思ったほど変わっていなくてほっとした。

4月4日(木) 北斗七星を見ました。

 「LORD OF THE RINGS」を見に行った。原作も途中までしか見ていないし混みそうだし、チケットをもらわなければ縁はなかったかもしれない。
 時間を調べると、次の回までの時間がとっても長い。上映時間推定3時間。あれだけの大作だものそのぐらいかかるわなぁ。初回で見ることにして、新宿伊勢丹の地下でサンドイッチを買って、屋上で早めの昼食を取る。
 映画館の外観は古いけれど、座席は新しくしたのか、大きくてひじ掛けに飲み物が置けるようにもなっている。3時間あまり苦にならなかったのは収穫だが、甘かった。3時間ですべてが終わるような代物ではないのだあれは(よく考えると続編の予告を流していたのだが)。
 その後、吉祥寺へ移動して、ユザワヤで生地を物色。しじら織を見つけて買う。
 夕食は北欧料理の『ガムラスタン』で記念日のお祝い。このまえと同じコースで季節の素材が少しずつ変わっている。メインディッシュは牛タンの煮込み。おめあてのライ麦パンは本調子ではなかったみたい。でもしっかりお代わりをもらって平らげた。

4月5日(金)

 スーパーに行ったら鮪のぶつ切りがたくさん出ていて、そのせいか鮪の血合(一皿100円)もたくさんあった。もちろん安い血合を選ぶ。骨がついていてスペアリブみたい。お昼ご飯の後であまりお腹がすいていなかったので、迷った末、おやつは買わなかった。
 昨日、自分はなんと"LOAD OF THE RINGS"と書いていた。そら、あんな指輪持って旅するのは重荷にはちがいないが。

4月6日(土) 美容院へ行ったあと、お稽古場で「髪、伸びたね」と言われてしまった。

 ミニトマトらしき芽がふたつ。いちごもだいぶいちごらしくなってきた。

4月7日(日)

 ドトールでアイスラテ(ミルク多め)を頼むような季節になった。
 先日、電子レンジで30秒醗酵、しかもこねないパン作りの本を買った。毎日焼きたてのパンが食べたかったら、いそがしい現代人、やはりこのくらい工夫をしなければ。
 オットは散歩ついでにライ麦粉を買ってきた。目標は『ガムラスタン』のライ麦パンか。

4月8日(月)

 グレイターの替刃が欲しいのだけれど、替刃だけというのが売っているのかいないのかわからない。だんだんレバーが重くなってきて、人参サラダを作るのもひと苦労なのだ。なくなったらすぐにつくっておかないと次の日の朝がさみしい人参サラダ、そしてわたしのやる気を試すかのようなグレイター。いつのまにか「にんじんのうた」というのもできていて、忘れたまま朝を迎えないように、人参サラダを作る自分を励ましている。
 けさもつつがなく、いつもと変わらない朝食を食べられた。

4月9日(火)

 今日もオットがライ麦パンを焼いた。いつものくるみand/orレーズンパンの作り方で、ライ麦の割合はとりあえず小麦粉の4分の1。
 夕食に石焼きご飯(具は牛挽き肉、小ねぎ、山芋)を食べたあと、パンを試食する。まだまだライ麦の割合を多くしてもよさそうな感じ。

4月10日(水)

 ベランダに桜の花びらが1枚ひらり。2、3日続けて1枚づつ、というのも変だと思ったら、うちのいちごの花びらだった。それにしても次から次へとよく咲くこと。花だけで力尽きませんように。

4月11日(木)

 映画「エトワール」鑑賞。
 映画館サイトの情報によると、平日でも早めに整理券をもらわないと満席とのこと。小さい映画館なのだけれど、そんなに人気があるのか。
 パリ・オペラ座のドキュメンタリー。舞台そのものより舞台裏やレッスン風景が大好きなわたしにはとてもうれしい内容だった。エトワールの月給3万5千フランて何ユーロ? 何円?
 夕食は立川の『
タパス』へ。偶然にも初めてここに来たのは2年前の今日である。シーフードミックスパエリア、羊のチーズと青かびチーズ、いわしのマリネ、スペインオムレツ、タパス風気まぐれサラダ、ハウスワイン赤グラス、グレープフルーツジュース。
 青かびチーズは舌にぴりっとくるし、羊のチーズはどこか羊肉の匂い。スペインオムレツはなつかしい家庭の味。今オムレツといえば半熟とろとろで、しっかり火の通ったオムレツを食べて育ったわたしはちょっとひけめを感じたが、なんだうちのオムレツはスペイン風だったのかと納得がいった。今日のパエリアはお焦げがいっぱい。わたしの取ったエビはみな子持ちであった。

4月12日(金)

 パリ・オペラ座のバレエダンサーのように、禁欲的なまでに何かに打ちこむ人生に憧れる。今から頑張れば、30年くらいのキャリアは積めるぞ。修道女になりたかったけれど向いていなかったからバレエに身を捧げている、と言っていたダンサーがいたけれど、わたしにはお坊さんの修行は無理だわ。
 そこでパンをこねた。ライ麦と全粒粉の割合は思いきって2:3。レーズンは入れず、くるみだけ。さらにアスコルビン酸(ビタミンC)を添加。これはきのう本屋で仕入れたネタで、イーストの好物でパン生地をきめ細くするらしい。
 夕食前に試食をした。今までより気泡がきれいに出ている。自分が上達したとは思えないからこれはきっとアスコルビン酸効果にちがいない。

4月13日(土)

●今日はレッスンでずいぶんと汗をかいた。この熱心さが持続すればいいのだが。
●『モス』でかき揚げバーガーとオニポテセット、しめて598円。スタンプは600円からなので非常にくやしい。
●家に帰ったらパンが焼けていた。パン焼きも競争の世界。

4月14日(日)体がギシギシ。

 今日もにんじんのうたをうたった。パンも頻繁につくるようなら、パンこねもできるフードプロセッサーがあるといーなー。でも貧乏性だからなかなか踏み切れない。問題は置く場所なのだけど。

4月15日(月) 本日、真夏日を記録したそうです。

 うちに養子に来たジャスミンに赤いつぼみがついた。種類はわからない。花も赤いのだろうか。ジャスミン茶にできるかなあ。皮算用、皮算用。

4月16日(火)

 スパティフィラムのつぼみ発見。これはお祝いにいただいたもので、いただいたときはもちろん花が咲いていた。一昨年、昨年は花がつかず、よそでスパティフィラムの花を見るたびにため息をついていた。
 さらに、今年植えたアーモンドの種もひとつ芽が出ていた。今回は時間がかかったのう。これで去年のと両方が大きくなって花を咲かせたら受粉ができる。虫がつかないように気をつけなくちゃ。

4月17日(水) 亭主20465歩、オット17052歩。

 朝、市役所の出張所で市民証の申込みをしてから横浜線・横須賀線を乗り継いで鎌倉入り。江ノ電で長谷へ行き、まず大仏さまに挨拶をする。この日の大仏さまは葉桜と青い紅葉というシックな装いだった。
 長谷寺へ向かう途中にある前にも入ったことのあるそば屋で豆腐そば(オット)ととろろそば(亭主)を食べる。細くて腰のある上品な味。お座敷で小学生だけのグループがそば談義にふけっていた。
 長谷寺の門前にある邪宗門は閉まっている。賓頭廬(びんずる)様、大黒様、観音様を撫で、経蔵の輪蔵を回し、弁天窟をくぐる。やるだけのことはやったという感じ。牡丹と海芋の花が見ごろ。
 歩いて鎌倉文学館へ。鎌倉文学館の建物は、旧前田侯爵家の鎌倉別邸だったもの。文学館の門へ通じる道の手前に、前田という表札のかかっている大きなお屋敷がある。文学館には鎌倉にゆかりのある文学者などの資料が展示されている。
 由比ヶ浜駅まで歩いて、電車を待ちながら次に行く予定の明月院をガイドブックで見る。100円ショップで購入した小さいガイドブックだが、けっこう情報が詰まっていて茶寮風花も載っている。で、それによると茶寮風花は水曜定休とあるので、明日にまわすことにした。
 鎌倉駅にもどって小町通りをぶらつく。なんとなく休憩はお汁粉がいい、ということになって甘味処をさがす。一軒見つけたが、鎌倉にはまだまだありそうなので歩いていると『くるみ』というお店があったので、名前で決めた。中には「特製 くりクリームあんみつ」という文字が。亭主は迷わずこれに決める。オットは田舎しるこ。あとで調べてみると、ここは手作りの白玉が評判だというので、こんど食べてみよう。できればくりクリーム白玉あんみつがあるといいな。
 宿泊先はいつもの横浜。ホテルに荷物をおいてスヌーピータウンを巡回したあと、ホテルのベランダで食べるむき栗を買う。夕食は初めて入るイタリア料理店。イワシのソテー・甘いトマトのソースがとてもおいしかった。パン粉をつけてソテーした熱々のイワシとすりおろした冷たいトマトの調和がいい。他の料理はそこそこ。お腹に余裕があるのでデザートにベリーのタルトとティラミスとエスプレッソを追加する。
 部屋に戻って備えつけのお茶とコーヒーを入れて、強風にも負けずベランダでむき栗を食べる。まえはティーバッグのお茶と紅茶しかなかった(有料のドリップコーヒーはあった)ので、アンケートに、コーヒーも欲しいと書いておいたのが聞き入れられたのか。そう思うことにする。観覧車は今回もライトアップしておらず。

4月18日(木) 亭主23246歩、オット19133歩。

 ふたたび鎌倉へ。今まで行ったことのない材木座方面へバスでむかう。まずバスで光明寺まで行く。100円ガイドによると光明寺内の庭園が美しいとのことだが、境内はいたるところ工事中。庭園の方は一般客立入禁止。山肌に野性の藤。そこから千手院、材木座海岸、九品寺、補陀落寺、五所神社、来迎寺と、路地を縫うようにして歩く。千手院の小さな石碑の表面に巣作りをする蜂。民家の裏に「お持ちください」と書いて置かれた夏みかん。民家の2階まで伸びたサボテン。
 駅前の喫茶店で休憩したあと、北鎌倉へ。まずは東慶寺、かつての縁切寺から。なんだか心がなごむ。住んでもいいような……。さかんにうぐいすの鳴く声が聞こえるのだが、うぐいすの声を聞くと「これは本物?」と疑ってしまう癖がついている。
 明月院も工事中。花見が一段落した時期なのか、人はまばら。茶寮風花、この日はマスターが一人で切り盛りしていた。ここで例の100円ガイドを開いていたら、お勘定のときに、「ガイドを見て来てくださったんですか」と言われ、今回が3度目であることなどを話す。マスターとお話できたのも100円ガイドのおかげ。
 鎌倉のお寺は地形的に奥が深い。門をくぐると、門前から想像がつかなかった景色が奥へ奥へと広がってゆく。円覚寺もそのひとつで、山門があまりに威厳たっぷりなので気がひけるが、中へ入ると自然と前へ足が進む。仏日庵を見て昔の記憶がよみがえった。高校の遠足で、抹茶をいただいてお腹が非常に刺激されたのはここだったのだ。円覚寺も工事中。牡丹にさしかけている傘が柄物でちょっと残念。
 夕食は『ボデゴン』で。焼きトマトボデゴン風、タコとイワシのマリネ、スペイン風ポテトオムレツ、イカスミのパエリア、エジプト豆のパエリア、オットには赤ワイングラス。
ここのパエリアはお焦げの具合がとてもおいしい。こんがり焼けたエジプト豆(ひよこ豆)は栗のよう。うちではもっぱら茹でて食べているので、これはぜひ真似したいと思う。

4月19日(金)

 疲れはなく、すがすがしい気持ちで起きる。明日のパンがないので、仕事のあいまにパンを焼く。
 TOEICの結果が予定より1週間も早く返ってきた。勉強しなかった割りにはよくやったか。提出した証明写真は気に入らなかったが、白黒で証明書に印刷されたら粗が目立たなくなったみたい。
 夕食は鯵の刺身。買い物に行って迷ったあげく、塩焼きにでもしようか、と言ってオットが鯵を選んだのだが、刺身になったうえに、骨で出汁を取ったお吸い物までできてしまった。薬味はわさびがないのですりおろしたにんにく、山芋、ねぎ。料理に関しては大胆なオットである。

4月20日(土)

 お稽古。そろそろ発表会練習モードで、スタジオが混んできた。
 今日はモスでスタンプがもらえるようにメニューを選んだのに、スタンプカードを忘れた。代わりにレシートにスタンプを押してもらう。

4月21日(日)

 茶寮風花のことを調べてみると、うさぎ饅頭はお店を開いた年の干支にちなんでいるのだそうだ。のれんもうさぎ柄だし、出窓にはうさぎの土鈴も並んでいる。巳年じゃなくてよかったよかった。

4月22日(月)

 先日、スーパーでオットが枝豆を見つけた。一袋100円、台湾産。今年は枝豆の出まわるのも早いかな。要チェック。

4月23日(火) ささやかなしあわせ

 牛乳を買いに行ったら牛乳の安売り日だった。毎週火曜日は牛乳の日。いつもの20円安。

4月24日(水)

 本日は別館へ出張料理。たけのこごはんを用意しているというので、鮭のあらを買って行く。献立を考えるのはオットなので、わたしは言われるがままに材料を切る。
 じゃがいも、かぶは4分の1、その大きさににんじんを合わせる。大きすぎて切ったうちに入らないような気がする。まあなんでも細かく切ればいいというものではないけれど、数少ない腕の見せどころがなくなってしまう。
 あらかじめ軽く茹でておいた鮭のあらと一緒に煮る。なかなか煮えない。お腹はすく。
 調味料は鮭の塩分だけ。だいじょうぶかいな。
 できてみれば、バターでも入っているような酷のある、繊細な味の料理になった。不思議。

4月25日(木) ジェフ一周忌

 ユトリロ展で、ユトリロがクリスマスに知人を招待したときの食事のメニューというのがあったので、ポストカードを買った。家に人を招くと絵つきのメニューを書くのがユトリロの役目だったとか。1921年のMenu de Nöelは、Potage(ポタージュ), Jambon(ハム), Poulet rôti(ローストチキン), Salade(サラダ), Fromage(チーズ), Desserts(デザート), Fruits et Gateaux(果物とお菓子), Vins(ワイン)は Port blanc, Bordeaux blanc, Rouge 1ères Côtes, Morsala, (一箇所不明), Champagne Fine。料理はもう少しくわしく知りたかった。
 夕食は『テンガロン』へ。開店時間に行ったのに、すでに先客あり。景気いいなー、店長てんてこまい。ビーフステーキ(亭主)、牛タンステーキ(オット)、それにチリビーンズを頼む。チリビーンズはちょっぴり辛いけれどおいしい。あとから次々とお客が来て満員になってしまった。給料日だから? 6時にはアルバイトの人が登場してほっとする。実はいちばんオーソドックスなビーフステーキを初めて食べた。

4月26日(金)

 乳清寒天にメープルシロップとシナモンをかけると、信玄餅のようになる。なかなかオツな味です。

4月27日(土)

 モスの新商品で、コロントという不思議なお菓子をみつけた。1個80円。栗あずき味とカレー味。栗あずきを頼んだら「クリコロ入りました〜」だって。猫舌の人(自分)は気をつけて食べましょう。

4月28日(日)

 8時50分羽田発徳島行き飛行機に乗る。乗っているのは1時間かそこらで家から空港までの時間の方が長い。
 お寺(四国霊場八十八ヶ所、第七十七番札所)で祖母7回忌、祖父3回忌の法要。そのあと豆富懐石の店で会食。八王子にも豆腐懐石の店はあるけれど、こちらは和洋さまざまな豆富料理を扱っている。湯豆腐の湯が白かったので、煮詰めて湯葉にするのかなーと思っていたら、「湯葉はできません」とお店の人に下げられてしまった。田舎者だと思われたにちがいない。
 家に戻ってもお腹がいっぱいで、勧められるものも食べられない。が、料理上手な親戚のおばさんが作ってくれたおはぎは食べた。初めて食べるのになつかしい味がする。
 最終便で帰京。合併予定の会社のヒコーキ、かつてはお手拭き、飲み物サービスであったが、飲み物サービスだけになっていた。飛行時間が短いから忙しいんだけどね。

4月29日(月) 今日もはりきって仕事だぁ

 午後、お散歩がてらサーティワンへ行き、アイスを食べてシールをもらった。
 いちごを1個初収穫。小さいのをさらに半分にして食べた。酸っぱいかと思ったけれど酸味はそこそこ。小さくてもちゃんといちごらしい味がする。うれしー。


4月30日(火)

 朝食→お腹が苦しい→昼を抜く→お腹がすいて死にそう→夕食→お腹苦しい
 5月の目標は、「よく噛んで食べよう」です。



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