2002年5月

4月 よもだ亭日乗 目次 6月

5月1日(水) 
《今日届いた本》
わがままな帽子―初めての帽子作り
帽子を作る

 ぴったりの帽子がない。
 わたしの頭は大きい上に、ビリケン頭と言われている(ひたいから上の部分が長い)。
 ダイエットのしようもないので、自分で作ることにした。

5月2日(木) 

 今日も仕事をしながらパンを焼く。フードプロセッサーが届いたらちがう種類のパンにも挑戦してみたい。
 いちごやアーモンドの苗は、アブラムシがつかないようにしっかり見張ってときどき木酢液をかけているので、今のところ大丈夫。ところが、木酢液をかけていなかった三つ葉(根つきの三つ葉の根だけ植えたら葉が出てきたもの)と、いちごのランナーの先に出てきた葉にアブラムシがびっしりついていた。
 夕食は鯵のオーブン焼き・玉ねぎとすりおろしたトマトで作ったソースがけ、ベランダのパセリを散らす。鯵の中骨で作ったすまし汁・アブラムシのついていないベランダの三つ葉入り、納豆のライスペーパー巻き、など。

5月3日(金) c∩- c∩- c∩-

 雑誌『散歩の達人』5月号の錦糸町・亀戸特集を見て、亀戸に行くことにした。ちょうど亀戸天神の藤まつりの時期だった。亀戸天神まで歩きながら、亀の絵を見つけては写真を撮る。『散達』に載っていた、亀あんぱんを売る店を見つけて、亀パンの大中小3個セット(880円)を買う。
 亀戸天神の藤は終わっていたけれども境内は大にぎわい。試験の合格を祈る。池には亀がいるわいるわ、石の上でひなたぼっこする亀、鯉といっしょに餌をねだる亀、親子で泳ぐ亀……なかには親亀の背中に子亀が乗って泳いでるのもいた。
 境内はゆっくりできる場所がなさそうなので、近くに小さい公園を見つけてベンチで亀パンを食べる。親亀はつぶあん、子亀孫亀はこしあん。これだけ食べるとさすがにお腹のあんこが重い。


 七福神のいくつかを回ったり、雑誌に載っていたいろいろな亀のモニュメントを探したりして疲れたので、これも『散達』に載っていた『珈琲道場 侍』という店に行くが、連休中は休みであった。いつか出なおして来ることにする。
 夕方から知り合いのバレエの発表会を青砥で見て、新宿まで戻ってくる。とんかつ屋を調べておいたのだが、新宿東口アルタ近くのその店が見つからない。電話をしてみたら番号が使われていないらしいので、うろ覚えの記憶をたよりに別のとんかつ屋を探しに行く。するとそこはとんかつ屋ではなく天ぷら屋であった。こうなったらいつもカキフライを食べるあそこしかないかと思いながら歩いていると偶然『とんかつ三太』という看板を見つけた。
 ショーウィンドウを見ると、とんかつに水晶の結晶のような衣がついている。あとで口の中が心配だが、背に腹は変えられない。
 テーブルは電車のボックス席のようなレイアウトでくつろげる。ヒレカツとロースカツのセットを注文。特上ってものある。セットでご飯と味噌汁とお新香、食後にコーヒーかシャーベットがつく。衣は思ったほどかたくなくて、口を傷つける心配もない(パン粉ではなくてパンを刻んだものみたい)。これでキャベツとご飯はお代わり自由で、よくカキフライを食べるあそこと値段がさして違わないのはすごいことだ。


5月4日(土)

 お稽古のあとに食べるチョコひとくち。

5月5日(日)

 お稽古へ行く途中、乗換えの駅でおばちゃんが柏餅を売っていた。帰りにはもういなかった。しかし誕生日にはどうしても柏餅を食べなければならんと思い、駅ビルの団子屋へ行った。ゆず味噌だけが残っており、他のお客さんはちょっとがっかりしていたみたいだけれど、あんこはおとといたくさん食べたので、迷わず2ついただき。

5月6日(月)

 サーティワンへ行ったらもうシールは終わっていた。
 いつもなら、終わってしまったのかなと思いつつ、大人げなく店員さんに聞いてみるのだが、今日はお休みで店内には子どももたくさんいる。きっと終わったんだなと思ってあえて聞かないことにした。

5月7日(火)

 さいきん、舌のさきっちょをよく切る。
 何か熱いもの食べたっけ、と思いながら目を寄せて舌を見ると、血が少しにじみ出ている。どうも、お正月からずっと食べているくるみ入り田作りのしわざのような気がする。
 このくらいでケガをするなんて、どうも納得がいかない。


5月8日(水)

 フードプロセッサーが来た。
 ほしいものリストにこれだけ長く載っていたものはない。この数年で候補もいくつか変わった。どんな状況で使うのかさんざん検討した。盛りあがって買う手前のとこまで行っては他のものに先を越されていた。
 ちょうど人参サラダを食べきったので、さっそく性能試験。ぶーん、ぶん、ぶん。刺身に添えるつまみたい。

5月9日(木) 博物館の埃と新緑にむせた日

 「雪舟」展。入場券売場は大行列。会場入口で入場制限10分待ちにてまた行列。教訓:日本画を観るときは早起きすべし。ひどくおなかがすいたので、東洋館のミイラに挨拶もせずに出てきた。
 昼食は、幻の豚まんとお汁粉を天秤にかけた結果、『福助』で、白玉クリームあんみつと餅入り福助あづき。どれをどちらが食べたかは言わずもがな。
 旧古河庭園はバラの見ごろ。日本庭園の池では鯉と一緒に亀が寄ってくる。亀も亀好きな人がわかるのかな、と思ったけれど、あれは餌をねだっていたにちがいない。
 先週からとんかつ熱にうなされていて、今日もとんかつを食べることにしていた。立川グランデュオ内の『かつくら』へ。幻の豚「桃園豚」のヒレとロースをひとつずつ取って、半分ずつ分ける。ロースはヒレかと思うような柔らかさにうま味がある(オット談)。今日はロースに軍配があがった。麦ご飯もうれしい。


5月10日(金) 

 朝食後、フードプロセッサーでパンをこねた。刃の回転がものすごく速い。こんなに乱暴にひっかきまわしていいんだろうか。それでもこねた時間はたったの2分弱。片づけの方が時間がかかる。
 できあがったパンをおやつに試食した。まだ使い慣れないので今日のところはしかたないだろうなーと思いながら口に入れたら、今までのとは別物のようなやわらかさ。喜ぶべきことではあるが機械に嫉妬している。
 雨なので家に籠りきり。今日はしらすかけ玄米ご飯だけでいい、と言いながら、乾物総動員の海山味噌汁、納豆のライスペーパー巻き、ベークドポテトとベークドにんにく(?)、近隣で採れたトマトのスライスを食べた。

5月11日(土) 猫舌の負け惜しみ

 揚げたて、焼きたて、淹れたて、というと、おいしいという印象があるのかもしれないけれど、熱いから揚げたて、焼きたて、淹れたてとはかぎらない(熱したてではある)。熱すぎて味がよくわからないこともある。

5月12日(日) 

 発表会の練習がちょっと早く終わり、なんとか終バスにまにあいそう、タクシーを使わずにすむ、とスタジオを飛び出して地下鉄に乗った。余裕のはずが、中央線で線路に立ち入った人がいたため電車が遅れ、3分差でバスを逃した。人身事故でなくてよかったと思うべきか。バスで帰れるかもしれないと欲を出した自分を責めるべきか。
 一方、オットは有意義な休日を過ごし、フードプロセッサーで大豆マヨネーズを作り、小豆を煮て常備おやつを作っていた。早く気持ちを切替えよう。

5月13日(月) 萬珍樓さん、火事お見舞い申上げます

 乳清寒天に茹で小豆をかけて食べた。これにアイスクリームと白玉があれば、ちょっと白玉クリームあんみつ。さらに栗を入れればちょっと白玉栗クリームあんみつ。

5月16日(木) 失われた二日間の舌の記憶。

 午後から外出。
 立川の、前から少し気になっていたカレー屋へ行く。オットは野菜カレー、亭主はキーマカレーを頼む。野菜カレーはご飯にさらさらの薄黄色いスープがかかっていて、ブロッコリー、じゃがいも、にんじん、さやいんげん、たけのこがごろごろと載っている。リゾットのようでもある。ココナッツ風味のやさしい味で、病み上がりに食べたいカレーである。キーマカレーは、ご飯と別にカレー入れに入ってくる。こちらもたぶんそれほど辛くない。わたしの舌が荒れていただけで。
 野菜カレーには食欲増進効果があった。まだ時間も早かったので、帰りにタルトを買って帰った。

5月17日(金) つまりおいしいってこと

 今日はパンを型に入れずに小さくわけてまるめてみた。レストランで出された自家製パンをイメージしたのだけど、見た目はまるでじゃがいも。しかも数に限りがあるので、お店のようにお代わり自由というわけにもゆかず。


5月18日(土) おーい、店長!

 スーパーにもう巨峰(山梨産)が出ている。しかし、「今が旬」とはどういうことか。今年は桜も藤も早かった。巨峰もそうだとしたら、由々しき事態ではなかろうか。それとも毎年使いまわしの貼り紙を出しているだけなのか。

5月19日(日) おかげさまで

 先週の反省をふまえ、バスの時間を気にせず無心で練習に励んだ。そうしたらなぜか最終のバスに間に合った。

5月20日(月)

 電子レンジで30秒醗酵の本を参考にパンを焼いてみた。意外と膨らむものだ。しかも読みまちがえて塩を指示の5倍もいれておきながら。
 辰巳芳子さんの『味覚日乗』[amazon.co.jp/bk1]を読みはじめる。

5月21日(火)

 電子レンジ醗酵パンは、こねないのも特徴のひとつで、耐熱容器に材量を入れ、箸でまぜてそのまま電子レンジでチンする(「チンする」って英語で "nuke" というのをさいきん知った)。
 その箸でまぜるというのがくせもので、きのうからひどい筋肉痛に悩まされ、肩凝りも再発中。この辺は自分でこねるかフードプロセッサーにまかせた方がよさそう。

5月22日(水)

 心の中で衿を正して『味覚日乗』[amazon.co.jp/bk1]を読む。何ごとにもよらず、心をこめる、というのは大切である。頭ではわかっている、いや今どきそんなこと……とは思っていないだろうか。
 今日の失敗にはちょっと懲りた。まずくはないが、このパンを食べながらちと反省。

5月23日(木)

 映画「突入せよ あさま山荘事件」を観る。事件当時、この世に生は受けていたものの、事情をよく知らないので勉強のつもりで見に行ったのだが、結局よくわからなかった。藤田まこと扮する後藤田長官の話し方がなかなかよかった。後藤田さんが実際どんな風に話すかは知らないけれども、藤田まことの後藤田を見て、後藤田さんが徳島出身だったことを思い出したくらい。
 観客は年配の人がほとんどで、「突入しよう」と言いながら映画館に入って行く人もいた。
 終わったのが1時すぎ。夕食にお腹を空かせておくために、昼はケーキとお茶で軽くすませる。
 5時すぎ、『とんかつ三太』へ突入。お客はもとより、厨房以外に人はなし。好きな席に坐って待ち、オットは特ヒレカツとビール、亭主はカニクリームコロッケを頼む。カニクリームコロッケに、揚げたカニの甲羅がついてきたので、これはただの飾りか、食べられるのか真剣に迷った末におとなしく残した。おいしかったけれど、お腹を空かせすぎたようで、オットのヒレを少しいただいた。

5月24日(金)

 スーパーから電話あり。旬の巨峰の疑問をご意見カードで投書したのだ。巨峰は今ごろからでもハウスものなどが出まわっていて、収穫時期が早まったものではなく、「今が旬」というポップは取り下げたとのこと。とりあえず異常気象で今が出盛りでなくてよかった……ことにする。
 右の肩凝りがきのう映画を見たあと左にも移って苦しいし、お誕生日割引のはがきもいただいていたので、かねひろ治療院へ。映画ファンのかねひろさんに、さっそく「突入せよ あさま山荘事件」の話をした。ほとんど中身しゃべっちゃったな。

5月25日(土) 雑食やねー

 本日の昼食は、玄米餅(チーズと一緒に海苔で巻く)、乳清寒天に茹で小豆、白花豆のサラダ、甘夏。

5月26日(日)

 お稽古の終わりごろから雨が降ってきた。この降り方なら家の方では降っていないかもしれないと思ったら家の方も地面が濡れている。さいわい雨の合間を縫って帰宅。こちらでは二重の虹が出たとのこと。
 日曜日に家で夕食を食べるのは久しぶり。野菜カレー、酢でしめた鯵、納豆のライスペーパー巻きなど。食べていると、とつぜん銃声のように雷が鳴って地響きが起きた。あともう少し帰るのがおそかったら恐かったろうな。近所のワンコたちは大丈夫かな。

5月27日(月)

 ときどき家の中でパチン、パチンという音がする。ラップ現象か、なんて思ったこともあるけれど、音源は水に浸けたひよこ豆だとわかった。これがひよこ豆だけでほかの豆では音はしない。どんなふうに音を出すのか、ふたを開けてのぞいているときにかぎっておとなしくなる。

5月28日(火)

 帽子をかぶり、ベランダでジャスミンやポトスを植え替え、コリアンダーの種まき、アブラムシの払い落としなど。どこからともなくホトトギスの鳴声が聞こえてくる。生で聞いたのは初めてではないかと思う。野鳥の鳴声を収録したCDで覚えたばかりだから今までは聞いてもわからなかっただけかもしれない。
 今日は小ねぎを初収穫。ベランダは足の踏み場もないので、オットがパズルのように鉢を動かし、慎重に足場を作って取ってきた。

5月29日(水) あの人に会っておきたいシリーズ

 荻窪から善福寺川沿いを歩く。わたしが歩くのは去年に引きつづき二度目だが、オットはしょっちゅう来ているので、川のスッポンとは顔馴染みである。歩いているとだんだん肩が凝って頭痛がしてきた。これは上半身の筋力不足ゆえか。方南町でギブアップして『モスバーガー』に入り、玄米フレークシェイクの道明寺もちと木いちご、ホットウーロン茶とアイスコーヒーを頼む。バスで新宿まで行って電車で中野へ。
 夕食はバーラットのあとにできたタイ料理のつもりが、ふとビルの2階を見るとガランとしている。入り口には「テナント募集」の貼り紙。同じサンモールのパン屋もまた別のパン屋になっている。どうしやう、とりあえず『くれない茶房』で休憩。
 南口のインド・パキスタン料理のお店で無事に食事をすませて、中野ZEROホールへ。
 今日は中村紘子ピアノ・リサイタル。何を隠そう、わたしはネスカフェのCMで中村紘子さんがショパンの幻想即興曲を弾いているのを見てピアノを習いはじめたのである。朱色のドレスをまとった中村紘子さん、一晩寝てもなかなか治らない頭痛が、演奏中に影をひそめてしまいました。

5月30日(木)

 ピアノは物にならなかったが、コーヒーは豆もインスタントもこよなく愛す立派な中毒になった。
 インスタントはお茶代わりに一人で飲む。ビンが空になるたびに、量を減らさなあかんかいな、といちおうは反省してみる。毎回豆をひくようにすれば手間がかかって飲む量が減るのでは、とも考えた。しばらく続けてみて結局またインスタントも買うようになった。
 こんどはちと珍しいインスタントコーヒーを探して見ることにした。他のが飲めない、というくらい気に入ったら大事に飲むだろう。ほんとかな。
 で、見つけたのがアフリカフェ。これを置いている店が中野にあったのできのう買ってきました。この苦みとコクはわたし好み。お金がかかるから機械も化学薬品も使わない、これすなわち極上のインスタントできるあるね。


5月31日(金) ストレートパーマをかけた

 別館よりたらの芽の天ぷらをいただく。もちろん、たらの芽だけということはないとあてにしていたところ、空豆&帆立、茄子、ピーマン、にんにく(これは素揚げ)、そしてなんとミントの葉まであった。



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