2004年11月

10月 よもだ亭日乗 目次 12月

11月1日(月) 納豆の糸でつながれた縁。

 太極拳のあと、お昼を食べてから伊勢丹の納豆売り場へ直行。ちょうど年配の婦人が納豆を選んでカゴに入れていたところで、横から「失礼します〜」と鎌倉山納豆極小粒に手を伸ばす。毎週、賞味期限と相談しながらその週の分を買いだめしているのです。今週はけっこう賞味期限が先だわ〜、といっぱい手に取っていたら、お隣のご婦人に「それおいしい?」と声をかけられた。
 「おいしいですよ〜(って好みもあるけど)、まえに鎌倉で買ってきて気に入ったので、いつもここで買ってるんですぅ」。と言うと、「じゃあわたしも。どのくらいもつかしら」などと話が弾み、別れるときにはお礼を言われてしまった。なんだかよくわからないけど、嬉しかった。
 さらに、葉つき人参も買った。大根でもそうだが、葉っぱがついているとなぜだか得した気分になる。葉のついたものって葉っぱも値段に含まれているのだろうか。もちろん、食べていいんですよね葉っぱ。ふだん、葉を切った大根でも十センチほどの葉の部分もしっかり食べているし、ひところわざわざ葉を伸ばして食べたこともあった。

11月2日(火) 朝、メジロが数羽飛び回って遊んでいた。CLIE TJ25退院。

 今日も岩国れんこんで作った蓮根とろとろスパゲティ

11月3日(水) 『ルパ』でカキと白あわび茸のカリー(期間限定)食べました。

 『カリーナ』さんにおいしいサンドイッチありがとう!って手紙を出したくなって、住所を調べていたら、ホームページができていたのでメールを出した。ここ数年おじさんを見ないので気になっていたのだが、おじさんご自身からお返事をいただいた。豆腐屋さんなみに早起きをして、わたしたちがのんびりお昼を食べに行くころには息子さんにバトンタッチしているのだそうで。
 子どもの頃、近くにサンドイッチ屋さんがあって、そこは店頭販売だけだったけれど、ここも夜明け前から準備をしていた。その夜明け前の準備中でも行くと売ってくれたのがとてもうれしかった。それから、大学が片道2時間半もかかったので、家から自転車で駅まで行く途中にあったお豆腐屋さん、やはり、朝つらくてめげそうなとき、そのお豆腐屋さんの灯りに何度はげまされたことだろう。

 今日は新宿で七五三のお祝いらしき和服姿の子どもを3組見た。7歳の女の子(ちょっとお疲れモード)、5歳の男の子(長く引きずった袴の下にスニーカーが見えた!)、と3歳の双子ちゃん)。

11月4日(木) 

 中国国宝展。東京国立博物館の庭園も公開されているというので早めに家を出る。
 開場時間、すでに人多し。今日見た仏像は、知っている誰かに似ている、というのが多い。見終えるのに約2時間。疲れたよ〜、お腹が空いたよ〜、と言いながら、庭園を歩く。
 お昼は、近いところで手を打った、というか、天気がよいので、前回に引き続いて上野公園で幻の豚まん&缶コーヒーとお茶。アメ横を縫って(『釜めし春』にカキ釜めし発見)御徒町へ向かい、『福助』へ行ってみた。水曜が定休なのだけれど、昨日が祝日だったので、どうやら今日は振り替え休日らしい。開いていたら観念的欲望に悩まされるところだったのでほっとする。
 大江戸線で飯田橋まで行き、そこから新宿をめざして歩く。お散歩日和ということで歩くことをテーマにした。場所はなんとなく、歩いて楽しそうなところを選んだ。神楽坂を歩いて、箪笥町、細工町、二十騎町……なんだかおもしろい町名が続く。西へ向かって歩くので、つねに太陽を見続けている。
 夜は『とんかつ三太』。先週カキフライを見つけた。とんかつ三太のカキフライ、かつてメニューで見たことはあるが、食べたいと思ったときにはなく、まだ一度も食べたことがない。ここのカツのころもは、水晶の結晶のような、フライドポテトのような、パンを拍子切りたものが特徴である。したがって出てきたカキフライは巨大なミノムシ。やわらかいころもでジューシーさを引き出すタイプとは対照的で、しっかりとおいしさを“ミノ”で包み込むタイプ。
 そしてまた先週に引き続き、向かいの『らんぶる』へ行き、今日こそパンプキンを食べた。

11月5日(金) 

 新宿の「BERG(ベルグ)」で買ったコーヒー豆がとてもおいしい。挽いているときから香りが立ちこめて、お湯を注ぐと、コーヒーのおいしい入れ方などに載っている写真のように粉がきれいにふくらむ。これは煎り方とか豆のブレンドの仕方によるものなのだろうか。自分の入れ方が格段に上達したというわけではない。なくならないうちにと、おとといももう一つのハウスブレンドを買った。

11月6日(土) なかなか便利なところにないと思っていたら、新宿の伊勢丹にあった。忘れてただけかな。

 メゾンカイザーのパンに惚れています。
 庭園美術館の喫茶で食べたサンドイッチに使われていたのが出会いのはじめ。形といい、ペロッとめくれそうなクープ(切れ込み)といい、かわいくてしかたがない。固いながらも柔らかい。弟子入りするならここか。
 横浜のホテルを調べていたら、あの、横浜みなとみらいの、スヌーピータウンのほぼ向かいにあるというだけでも素敵なホテルの朝食ブッフェでメゾンカイザーのパンが食べられるそうで……

11月7日(日) 

 オットは散歩。わたしは久しぶりのバレエのお稽古。2クラス受けて帰ると、この時間、電車が駅に着くと同時にバスが行ってしまうので、次まで20分待つことになる。ぼよよん。
 帰ってからぼっちゃんかぼちゃを蒸す。オットは散歩から帰り、トマトと生椎茸でマリネを作ってくれている。かぼちゃをつぶして、クルミとレーズンを入れ、今日はライスペーパーで巻かずにそのまま食べる。残ったら冷凍のつもりが全部食べた。

11月8日(月) 

 お昼は『てんや』。オットはかき天丼(牡蠣4個、かぼちゃ、いんげん)、亭主はえびかき天丼(牡蠣2個、海老1本、イカ、蓮根、インゲン)。ともに味噌汁つき、680円。
 明日、亭主は恒例の健康診断。いちおう朝食は抜き、ということになっている。でも未来は明るいのだ。

11月9日(火) 

 午前、健康診断。いちおう朝食は抜き。戻ってくると同時にオットがスパゲティの準備をはじめ、昼食ののち横浜へ。
 今回はみなとみらい線で横浜入りしようと思っていたのだが、ちょうど桜木町行きの快速が来たので終点まで。チェックインの時間にも間があるので、乗り換えて関内で降りる。
 降りたとたん、どこか東京とはちがった空気を感じるのは、当人の思い入れの問題か。さっそく馬車道十番館で休憩(シュークリーム、アーモンドのミルフィーユ、アッサム、オリジナルブレンドコーヒー)。本館の方へ入るは初めて。そして馬車道を歩き(ポニーにカキフライ発見!)、みなとみらい線にのってみなとみらいへ。なぁんと予定通り、みなとみらい線でやって来た。
 今回はのんびりするつもりなので、チェックインのあとは近くを軽く散歩してからレストラン探し。インターコンチネンタルのアジアンレストランの噂を聞いていたので見学に、と思ったらまだ開いていなかったのでそそくさと退散。ま、よそのホテルだし。そのままワールドポーターズへ行き、牡蠣料理のある店をチェックするが気分はいまいち。そしてなぜかインド料理の店とインドネシア料理の店に惹かれて、インドネシア料理の店『スラバヤ』へ。テンペの魅力にはまる。料理が次々と出てきてテーブルの上はバイキング状態となる。
 とっても満足して汽車道を歩き、ふたたびお茶の休憩。ちなみに宿泊したホテルの喫茶のモンブラン1800円也。泊まるだけでじゅうぶん満足なのでおなじみとなった『アフタヌーンティールーム』へ。『ブコ・ディ・ムーロ』のデザートも気になったのだが、夜にデザートだけで入るのはちと恥ずかしい。
 今回はくつろぎ着を持参している。それに着替えてわたしは島田荘司の新刊を読む。

11月10日(水) 横浜2日目。初めて野口英世(千円札)に遭遇。

 朝食はいつもの『マウカメドウズ』へ。場所がらのせいか、のんびりまったりしたここの雰囲気がいい。
ホテルで部屋着に着替えてのんびりまったり。お昼まえに馬車道へ向かって歩き、11時になるのを待って『ポニー』に入る。ふたりともカキフライ。小さいながら味が濃くておいしい。カキフライを揚げているおじさんは、青い洒落たシャツを着ていた。横浜の飲食店のおじさんは小さな店でもみんな素敵におしゃれしている。
 バスで三渓園へ。合掌作りの家をボランティアらしきおじさんが若い外国人女性を案内している。くみ取り式の厠を、「ノーウオータークリーン、ポットントイレ、You see ?」と説明していた。あそこまでできたら偉い。
 三渓園にはあちらこちらの由緒ある建築物が配されている。美術品を蒐集するような感じで買いまくったのだろうか。手放した方は財政難だったんだろうか。今でも勢いのある企業ががいろんな企業を吸収して話題を呼んだりするけれど、モノがモノだけにスケールの大きさを感じる。後世にもちゃんと貢献しているし。

 バスで中華街近くまで戻り、中国茶の店で休憩。ふつうの喫茶店とちがっていいのは、中国のお茶はゆっくりと何杯も飲むので長居に適しているところ。コーヒーと紅茶をミックスした香りという「インヤンティー」というのに少し惹かれたが、暴飲暴食のお腹をいたわるために暴暴茶にする。オットはオリジナル清香ウーロン。ココナッツタルトとくるみのクッキーも。お茶請けに小皿に載ったドライマンゴーとカボチャの種とサンザシが出る。何をいたわってるんだか。時間がたっぷりあるのでここでも読書してみる。
 夕食は中華街で。初めての所にしようと決めたのはいいものの、なかなか決まらない。大通りで候補を絞るが、けっきょく小さい通りに入り込む。『鯉鰻菜館』に決めたのは、牡蠣メニューと、色紙がいっぱい飾られていて愛されている感じがしたから。牡蠣と黄ニラの湯葉巻き揚げは、揚げ春巻きくらいの大きさのものが4つ。これが決定打でお腹はいっぱい。スブタなど他の料理も全体に薄味でおいしゅうございました。中華は味つけ濃いというのは思いこみなのかな。
 帰りに馬車道のイルミネーションを見る。植え込みに電球が飾ってあるだけの控えめなイルミネーションで好感を持った。もうお腹はいっぱいだけど、このまま宿に戻るのは何なのでスタバで飲み物だけ。

11月11日(木) 横浜3日目。

 朝は『カフェクロワッサン』。ここはロイヤルホスト系。いろいろな店を見ていると、あれとあれは同じ会社なのかぁ、とだんだん頭の中に地図ができてくる。ときどき、え〜、こことここが〜!? なんて意外なのもある。オットがチーズベーグルというのを頼んでみたら、ベーグルの上に溶岩のようにチーズがかかったこてこてのものだったのでびっくり。亭主はブルーベリーチーズベーグル。カウンターで、窓の外を眺めながら食べる。
 チェックアウトぎりぎりまで部屋で読書。そして馬車道へ行き、別館馬車道十番館を覗き、本館を覗き、別館に戻ってきて入る。1階のパン売り場でパンを買って上で食べるつもり。ライブレッド、クルミパン、緑茶あんパンを買って、上で食べると言ったらおばさん「これ全部ですか」と呆れ顔。さらに、売り場に渋栗あんパンとかぼちゃパンの札が出ているのに実物がないので、聞いてみたら奥から出してくれたのでお買いあげ。こちらはお持ち帰り用。上で、ロイヤルミルクティーとブレンドを注文する。馬車道十番館のコーヒーにはポットに入れた砂糖、ミルク、クリームがつくのだが、あとから来たお勤め風のおじさま2人はクリームをたっぷりどぼんつぎ込んでポットを空にしていた。前回、パンにクリームをつけて食べたわたしがおどろくことではないか。
 馬車道から伊勢佐木モールを歩く。意外にも韓国料理やタイ料理の店がたくさんある。てきとうなところで引き返し、馬車道の『サンマルクカフェ』でブレンドより10円安いブラックとゆず茶一息入れたあと、ホテルで預かってもらった荷物を受け取り、みなとみらい線から東横線直通の渋谷行きに乗る。元住吉で降りる。ここにも、島田荘司の小説に出てくる喫茶店がある。まずはここのブレーメン通り商店街を歩く。とっても長くて蜃気楼のように果てしなく続いているので疲れたところで引き返し、『和蘭燈』へ。今日は朝からかなりコーヒーを飲んでいるが、ここには入っておきたい。
 ここでオットがお寿司を食べたいと言った。そういえばコーヒーをたくさん飲んで塩分が欲しい今の気分にぴったり。お寿司屋さんはまったく知らないので、あまり迷わず立川で思いついたところに入った。漁師汁、里芋の衣かつぎ、お寿司をお好みでいくつか。わたしの好きな玉子と海老(ボイル)、おすすめの秋刀魚、しめさば等々。少量で満足。

11月12日(金) 

 今日も一日中飛び回っているが疲れ知らず。昨日まで横浜にいたのが遠い昔のように思える。

11月13日(土) 

 朝からバレエのレッスン。気がついたら左足、一瞬だけど使えていた。

11月14日(日) 

 今日もお稽古。久しぶりに『モス』でお昼。昨日まえを通りかかって気になったモスライスバーガー蒟蒻(田楽風味)と、クラムチャウダー。台風の影響で、菜摘バーガーなど、一時販売停止しているものもあった。
 夕食はオット製、秋のカレー。岩国蓮根、ピーチ蕪、鳴門金時、玉ねぎ……今週はお泊まりした関係で野菜がたくさん残っているのでそれらの総決算。

11月15日(月) 

 太極拳のあと、グランデュオの『菜香』へ足が勝手に向かう。カキの巻き揚げ辛みマヨネーズソース(2個)、カキと中国野菜(ガイラン)と黄ニラの塩あじ炒め等々。牡蠣を調理することにかけては中華はさすがである。グランデュオカードのお楽しみスロット、同じ動物の顔が揃うと、その動物の種類によってポイントがもらえる。このまえあたったとき、ん? これはある程度の買い物をした後で挑戦するとあたるのかも、と思った。今日も縁起を担いで食後に挑戦。パンダが揃って50ポイント。
 帰宅後、明月院に電話をする。「後ろ庭園の公開予定は決まりましたか〜」「それがですね〜……」
 台風で土砂崩れが起き、復旧の目処が立たないため今回の公開は見送ったとのこと。土砂崩れの場所は後ろ庭園内ではないらしいのだけれど。明月院には入れるそうなので、紅葉の具合を見ておじゃますることにしよう。ご近所のクマちゃん、台風のときはおうちに入れてもらえただろうか。

11月16日(火) 

 オット、今日はいちにち検査食のエニマクリンです。おやつまである。一緒に食事をしていて、わたしの方が「いいなぁ」なんて思っている。オットがわたしの食事をつまみ食いするのは御法度だが、その反対は別にいいのよねぇ、別に栄養摂取量が減るだけよねぇ。

11月17日(水) 

 オット、朝食抜きで検査へ。
 いちおう「自宅待機で連絡待ち」のわたし。ちょうど注文していたこたつとこたつ布団が届く。それぞれ別の店で注文したのだけれど、ピッタシカンカン。これからは坐る生活にするのだ。
 お昼のスパゲティはちょっと手法を変え、オリーブオイルも加熱しないでみる。要領は、冷製スパゲティの、ただ茹でたパスタを冷やさないだけ。にんにくはパスタのお湯を沸かすときに茹でた。具はトマトのみなので、パスタと和えるときにちょっと茹で汁を加える程度で温度を均(なら)す。なんとなく、昨日の夜から「明日のお昼どうしよ〜」と考えていてひらめいただけ。
 オット、無事帰宅。帰りにヨーグルトを買ってきた。

11月18日(木) かつてオットは椅子道楽であった。

 こたつを導入する。机の回りにそびえる資料の山々、机上のモニター、パソコン、たくさんの配線、タカラモノ、捨てに捨てられず物置台にしていたパソコンの本体、捨てに捨てられず机の奥に押し込められていたパソコンの本体、プリンター、スキャナ等を洗いざらい引っ張り出す。もうもどれない。このままどこかへ遊びにいっちゃおうかな……などと思う。今は使わなくなったものも、現役も、これまでの生活を支えてくれたのだから、ありがたく思え〜。これで少しは物を増やすのも慎重になるだろう、しばらくのうちは。
 掃除機をかけ、こたつの位置を決め、最低限必要なものだけを配置してゆく。それだけでも何と多いことか。憧れのこたつライフ、憧れは現実になるともはやそれは厳しい現実。それでもまあなんとか生活できるようにスペースを確保する。
 お昼はおいしっくす(Oisix)のオレンジいも。ガスレンジのまえにもなかなかいけない状況で、で蒸し焼き。ほんとうにオレンジ色。つぶしたらかぼちゃとまちがえるかも。水分が多く、ねっとりしている。ちょっとやけどする。
 午後、近所のスーパーへ。『リトルマーメイド』の開店(20日)準備は着々と進んでいるもよう。入り口のドアを入ったところに元気のいい若い女性が立っている。ワインの試飲である。ボジョレー・ヌーボーの解禁日である。「ぼんじょれ〜・ヌーボー、いかがですかぁ」と張り上げる声は、かわいそうに、すでにかすれている。みんなもなんだか近寄れない。こんなことさせるの、誰?
 家のまえで廃品回収車をつかまえる。買い物袋を下げて歩いている人が手を振っているので、回収車のおじさん、はじめはお客さんだとは思わなかったらしい。「無料で回収」といいながら回っているのだけれど、物によっては有料です、と言って現物を見る前に説明する。こちらは、今日中に片づいてくれるだけでもありがたいので一通り話を聞いて料金を確認をしてお願いする。モニタ1台(明るさ調整がボタン式なので無料だとか)、本体2台(ハードディスクを抜いてあるので1台千円)、プリンタ1台とスキャナ2台で二千円(小さいスキャナはオマケしてもらった)。よかった。これで椅子をしまう場所が確保できた。
 お昼はお芋だけだったのに、意外と平気。夜は吉祥寺の『ドイツパンの店リンデ』で買ったライ麦100%の硬いパンを切って、チーズや野菜を思うままに載せて食べる。おいしっくす(Oisix)の紫大根、昨日は薄切りにしてそのまま食べたが、今日はおろしに。紫色の大根おろし。そこへすだちをかけたら濃いピンク色になった。とても食べ物とは思えない、こんな粘土あったなぁ。そこに納豆としらすも入れる。


11月19日(金) 帰ってきたら健康診断の結果が待っていた。

 今日は朝ゆっくり起きて、上野に着いたらまずお昼。『BECK'S』でバタートーストとコーヒー(亭主)、カフェラテ(オット)。いたって質素。そして小雨のなか東京都美術館へ向かう。途中、遠足(修学旅行?)らしき高校生の団体を見かける。あいにくのお天気ですね〜。今日は東京都美術館へ日展を観に来ている人が多い。われらは「フィレンツェ 芸術都市の誕生展」。お昼をすませているせいだろうか、いつもより時間をかけて観ていた。美術館を出てると、公園を走るミニトレインに遭遇。ミニトレインの前を数人がロープを持って先導している。人が引っ張っているわけではない。
 新宿でお茶休憩に入る。本当にお茶だけ。
 八王子、東急スクエアの『三四味屋』で夕食。いつもの感覚なら行き倒れそうにお腹が空いていても良さそうなのだが、ちょうどよく、おいしくご飯が食べられそうな感じである。ちなみに『三四味屋』は上の階にある『ベリーニカフェ』と同じ会社がやっている。
 まぐろのメンチカツを頼もうとしたらなくて、まぐろ頬肉カツもなくて、つまり今日はまぐろの揚げ物類が全滅だという。結果、手作り豆富、沖縄産天然もずく酢、焼きたて厚焼き玉子、海老スティック春巻(まぐろが化けた)、目鯛の刺身(本日の刺身)、鮭とイクラの小丼、蟹の石焼きチャーハン、生ビール、苦丁茶と相成った。お通しは茶碗蒸し。

11月20日(土) 

 『権米衛』というおにぎり屋さんで玄米おにぎり(じゃこ、高菜)を食べた。ここのおにぎりの形は奥行き(?)があるのが特徴。三角の面積は小さいのかな。ふんわりにぎってあるのでお箸の方が食べやすい。

11月21日(日) さるシンポジウムの帰り。

 なんとなく、朝、昼も軽めにおやつ抜きで夕食を迎える。インド料理、いつもより控えめな量にしてお腹をいたわろうと思ったつもりが、カレーを、2品とも辛いのにしてしまった。店員さんの「2つともカライ」という忠告に耳も貸さず。しかも辛いだけでなく、味が濃くて油っこい。どちらにも黒っぽくなった唐辛子がたくさん入っていて……。サラダやフィルニというデザートをサービスで出してくれたのは、お店の人がお腹を心配してくれたのだろうか。
 味つけが濃いとそうたくさんは食べられないものだなぁと思いながら電車に揺られていたわたし。一方オットは胃に穴があいたかと思ったそうだ。

11月22日(月)

 胃や腸を休めるには食べないこと。考えてみればもっともな話だが、つい「栄養取らなくちゃ」と思ってしまうのも事実。
 さすがに食欲がないので、水分補給だけは怠らず、太極拳へ。太極拳が終わってもわりと元気である。オットは検査を受けたばかりなので夕食までお腹休め。駅で別れて美容院へ向かったわたしは途中、『ドトール』でグレープフルーツジュースを飲む。
 夕食はだいたいややおとなしめのいつも通り。

11月23日(火) 

 お昼はスパゲティ。正確にスパゲティ。いつもはスパゲティより細いスパゲティーニを使っているのですが、それでもスパゲティと言っています。アネージのキャンペーン応募用紙ほしさに、スパゲティを買ったのでした。スパゲティーニも対象なのだけど、たまたまお店に応募用紙のついたスパゲティーニがなかったのです。
 久しぶりのスパゲティ、太いだけあってモチモチした食感が印象的でした。具は、岩国れんこんとブラウンマッシュルーム(バルサミコ味で)。

11月24日(水) これなんでしょう↓?(左・写真中央 右・そのアップ)

 おおよそ西の空。16時34分ころ。鉢を部屋の中へしまおうとベランダに出たオット撮影。ほうきのような形をしたものがどんどん下降していく。我が家では確認できないので立派な未確認飛行物体です。
 さてお昼。先週からソースの加熱時間を減らす工夫をしている。時間の節約というより、さいしょに加熱するオリーブオイル、にんにく、唐辛子が気になるので。
 今日は生しいたけと、ブラウンマッシュルームがある。久しぶりにトマト缶を使う。トマトの缶詰はかなり煮詰めないとおいしくない。そこで、トマトだけ鍋にあけて煮込んだあと、パスタの茹で時間を利用して、にんにくと唐辛子をオリーブオイルになじませたあと、トマトソースときのこを加える。

11月25日(木) 

 通勤ラッシュの電車に揉まれてほぼ開館直後に江戸東京博物館へ到着。今日は「大(Oh!)水木しげる展」。入り口で、先着?名様限定の妖怪カードをもらう。自伝まんが、原画、作中の小道具などの展示。水木さんが復員して腕の手術を受けた病院に、実はわたしも子供のころ入院したことがある。戦時中からある古い病院で、入院中は恐い話に事欠かなかった。
 お昼は『シャノアール』でトーストにアッサムのミルクティー(オット)とカフェオレ。いちごのジャムとママレードがつく。シャノアールってほんっとに安い。そのあと電車で飯田橋まで行き、小石川後楽園へ。
 夜は『彩箸』。このまえは栗ご飯を食べた。今は牡蠣ご飯である。
天王寺かぶら海老そぼろあん、三陸産牡蠣松前焼き、ずわいがにだし巻き卵(さいきん、ちょっとした玉子焼きブームである)、鹿児島黒豚スペアリブ、大根と水菜・揚げ湯葉サラダ、牡蠣飯。インターネットのクーポンを持っていったので生ビールと烏龍茶は無料。お通しに栗とかぼちゃの温かいスープがでて嬉しいのなんの。あんのダマくらい大目にみようや。
 お昼ひかえめ、休憩もコーヒーだけにしておいたのでご飯がおいしい。よもだ亭日乗のサブタイトル「おいしいものが食べたい」を「おいしく食べたい」に変えようか。
 食後、調子に乗って夕食前に通りかかって見つけたお店でパンプキンプリンを食べる。オットはいちごのショートケーキ(これはオットのマイブーム)。こうもいろいろと珍しいデザートがたくさんあると、いちごのショートケーキを食べる機会がなかなかない。存在すら珍しい。でも、ごまかしがきかなそうだから、ケーキ職人の腕が試せるかも、なんちゃって。

11月26日(金) 

 新宿の三越のある界隈にちょっと変わったエクセルシオール・カフェがある。ドトールのエクセルシオール(EXCELSIOR)なのだけれど、インテリアやロゴが普通のエクセルシオールとちょっとちがう。でもたしかにドトール系で、エクセルシオールショップリストにも載っている。が、よくみるとここは「エクセシオール(Exceisior)」なのでした。きのう休憩したとこ。

11月27日(土) 

 キャンペーンに目がくらんでたくさん買ったアネージのスパゲティ。うちパスタはやっぱりスパゲティーニだなぁ……。おいしく食べるの道のりはまだまだ長い。

11月28日(日) 日曜日いろいろ。

 日曜日の北の丸公園。紅葉がきれいで楽しくひなたぼっこ。しかし皇居のお堀端はどこも開いていない。駅ビルの食堂街すらしまっている。『ドトール』にだって休みがある。偶然に神保町の『タリーズ』を見つけられなかったら命はなかった。
 新宿、17時の『とんかつ三太』。賑わっている。すでに食後のデザートを食べている人もいる日曜日。
 食後、『らんぶる』へ流れ込む。ここも大にぎわい。なんとなくそんな気がしたが、パンプキンケーキは売り切れ。ブルーベリーケーキ以外は全滅であった。そこで、「じゃあコーヒーだけ」にしないところが意志が弱いというか、すべてのケーキに慈悲深いというか。

11月29日(月) 今日も元気に太極拳。途中Suicaのキャンペーンでペンギンメモパッドをもらう。

 ◎おいしっくす(Oisix)より栗じゃが芋が届く。小さくて黄色い。鍋で蒸し焼きにして食べた。

 ◎『ボデゴン』にウナギの稚魚オリーブ油い炒め予約を入れる。
  わたし「明日ウナギの稚魚おねがいします」
  おじさん「あ、水曜日は定休日で……」
  わたし「?! 明日は火曜日……」
  おじさん「あ、そうですね、じゃ、やってます」
 明日は休みだと思って楽しみにしてたのかなぁ。

11月30日(火) 写真の上にカーソルを持ってゆくと説明が見られます。

 明月院の後ろ庭園は公開を中止しているものの、そろそろ紅葉を拝みに行こうと、7時まえに家を出る。東の空に朝焼け。
 9時には鎌倉へ着く。寒いので鎌倉駅構内のコンビニで温かいお茶を、“ポイントが貯まる方のSuica”買い、またまたペンギンメモパッドをもらう。立川駅の店員さんはペンギンの顔(4種類)を選ばせてくれた。こちらはポンと出してくれたのだけれど、きのうのとは別の顔。

 江ノ電の切符を買おうとしたらお財布がないことに気がついた。お財布ないのに鎌倉まで来られてお茶まで買えてしまった。お財布はたぶん家にあるだろう。ついでに鍵も忘れてきたらしい。オットとはぐれさえしなければ大丈夫。
九品来迎印の中の上品上生  大仏(高徳院)へ来ると空は抜けるような快晴。横浜へ行くと雨が多く、鎌倉の大仏は晴れることが多い……気がする。もみじは部分的に紅葉している。鎌倉へ来たり、美術館でも仏像を観る機会が多いので、まえもって仏像入門の本を読んでおいた。おかげでちょっと大仏さまの印の組み方や服装を気にしてみる。
 長谷寺はほんとうに見どころがたくさん。少し仏像に興味を持つと、今までただなんとなくもらっていたパンフレットを読むのも楽しい。経蔵をぐるっと1回まわし、なんだか回転扉みたいだ〜と思った。

 ふたたび江ノ電で鎌倉駅へ戻る。お昼は段葛の『こ寿々』と決めてある。知り合いおすすめのおそば屋さんで、わらび餅が名物とのこと。若宮大路にあって有名なお店らしいのだが、いつもこの通りの反対側ばかり歩いているので知らなかった。開店5分前にはすでに行列ができている。小学生の女の子3人組と向かい合わせに坐る。遠足か修学旅行の自由行動らしい。ざるそばを頼んで、わさびを入れた蕎麦湯がおいしいなどと渋いことを言っている。こちらはちょっと張りきってもりそば(オット)、かけそば(亭主)、マイブームのだし巻き玉子(!)、わらび餅を頼む。わらび餅、ふわ〜っとろ〜っとしていながら弾力があって、スライムのよう。口の中でおいしいホラーが展開する。店を出たあと、ふと、『ボデゴン』のランチが気になり、道路の反対側にわたってメニューを見てから鶴岡八幡へ。初めて宝物館を見学した。そのあと裏手から出て、巨福呂坂切通しを歩き北鎌倉へ向かう。

建長寺ほんとうの展望台からの眺め  圓應寺――初参り。ここには閻魔様がいる。ここには閻魔大王座像ほか、あの世で出逢う十人の王様が揃っている。閻魔大王は、亡者を取り調べてこの人が現世で罪を犯したと知ると、黙っちゃおれないんだそうだ。で、罰を与えてしまう。しかしたとえ相手がどんな人であろうと人に苦しみを与えるのはよくないことだから、これは「閻魔大王の罪」で、そのために彼は日に三度、煮えたぎった銅を飲まされる。その苦しみは自分が亡者に与えた苦しみの比ではないという。わかっちゃいるけどやめられない……閻魔さまも悩んでいるんだ。
 建長寺――2003年が建立750年で、まえに来たときはその準備のためか工事中だった。実際にはなかなか見られない国宝は国立博物館で観ている。方丈(龍王殿)の中を見学したのち、半僧坊をめざして階段をのぼる。前回はこの半僧坊があるところが展望台だと思っていたのだが、展望台はさらにその上であることが判明。すでに力を使い果たしてしまったが、なんとか這いあがるようにしてのぼる。

うさぎ饅頭品切れ  明月院へ。『茶寮風花』は、店の前に出ているメニューに「うさぎまんじゅう品切れ」と書かれた貼り紙。ま、それはそれ。お茶だけにしておけば夕ご飯がおいしく食べられるはず。と言い聞かせ、先に明月院へ入る。やぐらのある側が全体的に台風の被害を受けたらしく、そちら側の通り道は通行止めになっている。本堂の丸窓を通して後ろ庭園の紅葉を眺める。今年の明月院の紅葉は赤より黄色が優勢。
 『茶寮風花』に入るとマスターに饅頭がないことの詫びを言われる。抹茶にはくず餅がついているという(よほど食いしん坊と思われているのか)ので抹茶とカフェオレを頼んだところへ、「あ、ちょうどうさぎまんじゅうが到着した」という声。飛脚クール便のお出ましであった。それにしてもなんというタイミング。うさぎが我らを追いかけてきたとしか思えない。15分くらいで蒸せるというのでコーヒーとのセットに切り替える。
明月院の紅葉 他のお客さんも、もうお茶を飲み終えかけた人たちも次々にうさぎまんじゅうを注文。 あきらめていたうさぎ饅頭が食べられるので、いつもよりさらに嬉しい。そしていつもアツアツで、餡でやけどしそうになるのだけれど、いそいで蒸してくれた今日のうさぎはちょうど良いくらい。お勘定のときにマスターと話をしたら、台風のせいでお店の目印の赤い和傘の支えが飛んでしまい、傘はたたんであるのだとか。台風のときは明月院の塀が前の川を流れてきたというし、明月院は崖崩れで墓地も埋まってしまうほどの被害だったとか。そういえば周辺の民家の庭にショベルカーが入っていたのも台風のあとの修復作業だったのか。
 葉祥明美術館に入ってみる。明月院へ行くたびに通りすぎていた。明月院のあと、このまぶしい洋館に入るのを、今までなんとなく避けていたような気がする。「わたしにふれてください」に絵を描いている方。水平線の描かれた絵がたくさん飾られていてすがすがしい気分になった。2階に本物のネコ「ドッポくん(ドツボくんではない)」が寝ていて、撫でてもしっぽが動くだけで目を覚まさない。

 鎌倉駅へ戻る。いい天気だがいよいよ冬らしく冷え込んできた。
鎌倉人物  人通りの少なくなってきた小町通をぶらぶら歩きながら、ちょうど5時ごろ『ボデゴン』へ着く。予約を入れてあったので、お店も準備万端整っている。お約束のウナギの稚魚オリーブ油炒め、野菜サラダ・ボデゴン風ドレッシング、スペイン風オムレツ(今日も玉子づくし)、寒いと食べたくなる鱈のガリシア風煮込み、牡蠣のパエリア、イカスミのパエリア、そしてオットには赤ワイングラス。
 ウナギは、見た目は長いシラス。ムーミンに出てくるにょろにょろをスマートにしたような感じ。にんにくと一緒にたっぷりのオリーブオイルに浸っている。時間が経つと硬くなるので早く食べてと言われ、さっそく食べる。シラスよりも歯ごたえがある。量はほんのちょっとだけれど、これが全部大人(?)のウナギになってウナ重やウナ丼になることを考えるとものすごい贅沢である。ちなみに稚魚はまだ生態が完全に解明されておらず、養殖も難しいので、輸入ではあってもすべて天然なのだそうだ。残ったオイルはパンに浸して食べた。お腹の加減はパエリアが出てくるのが待ち遠しいくらいで、ちょうどよかった。オットがワインのお代わりを頼むと、おばさん、「あらごめんなさい、注ぎ過ぎちゃった」と大サービス。デザートを尋ねると「アイスクリームしかないの」という。そこでアイスクリームとコーヒーをお願いしたら、煮りんごの上に小さめのアイスクリームが2山(1人分)のっていた。コーヒーはサービス。そして今日も終始貸し切り状態。ここへ来ると、親切な人に助けられた空腹の迷子になったような気分になる。ヘンゼルとグレーテルだったりして。
 鎌倉駅構内、見慣れた大仏の模型が「鎌倉仏」になっていた。

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