2001年1月

2000年12月 よもだ亭日乗 目次 2月

1月1日(月)

 去年の今日の朝食は何を食べたか、と記録を見ておどろいた。コーヒー豆の種類をのぞいて、今朝とまったく同じだった。まあ朝食の内容はほとんど定まっていて、たまに人参サラダパプリカのサラダに変わったり、カッテージチーズを作っていないとか、りんごジャムを作り忘れたとか、日によって微妙な違いがあるくらいなのだが。


1月2日(火)

 年末に買っておいたブルーマウンテンブレンドを開ける。
 昔、喫茶店でなにげなく注文したブルーマウンテンNO.1にいたく感動してから、ブルーマウンテンは特別なコーヒーとなった。なぜか値段も立派だ。


1月3日(水)

 胃が重い。


1月4日(木)

 先日、ふたりそろって亭主の実家へ行き、さんざん鰤を食べてきた。お正月には田舎から鰤をまるまる一匹取り寄せて、父親がさばくのが恒例になっている。食べきれなかったぶりの刺身を、ゆずの絞り汁に浸して締める(塩も少し入れる)。これは田舎でも山の方で新鮮な魚が食べられなかったころの食べ方なのだそうだ。それをお土産にもらってきたので夕食のおかずにした。


1月5日(金)

 「デ・キリコ」展を見に渋谷のBunkamuraへ。昼は東急百貨店の『永坂更科』でそばを食べる。店舗にも依るが、ここはわりとひいきのお店のひとつ。
 本屋で、話題の「うろんな客」と、鴎外の「即興詩人」を買う。オットにつきあってCDショップへ行って、ギルバート&サリバン作「The Micado」のDVDを見つける。DVDプレーヤーも持っていないのに迷わず買った。
 夕食は『洋食亭ブラームス』と決めていたので早めに八王子まで戻る。オットは牛タンシチュー(これが食べたかったらしい)とパンと生ビール。亭主はさんざん迷ってジャンボエビフライとライス。エビフライは頭つきが二尾。身が締っていて亭主好みである。


1月6日(土)

 バレエの初稽古。とちゅう本屋へ寄り、『健康』2月号(主婦の友社刊)を買う。もやしもやし……あった。よもだ亭のもやしもあったあった(142頁参照。記事は一人称ですが、ライターさんが書いたものです)。そばもやしは別のページでお役に立っている(141頁)。
 年が明けて、さぞ体も重くなったろうと思いきや、発表会のときより体重が減っていた。もやしとはあまり関係ないと思う。


1月7日(日)

 鶏肉の干物をいただいたので、オーブンで焼く。一緒にねぎも焼いた。ねぎがとろけそう。近ごろぶつ切りのねぎにかぶりつく(もちろん焼いて)おいしさに目覚めた。


1月8日(月)

 久しぶりに雪が積もった。寒いので、今晩はほうとう。


1月9日(火)

 昼にお餅を焼いて、チーズといっしょに海苔で巻いて食べた。おかずは白花豆のサラダと大根の漬物。寒い日は片づけがかんたんだと楽だナァ。


1月10日(水)

 今日の昼も昨日とまったく同じ。


1月11日(木)

 「大江戸落語展」を見に、江戸東京博物館へ。見終ったらすっかりお腹がすいて、駅前でみかけた江戸そばのお店に入る。オットはせいろそば、亭主はごまだれせいろそばを注文する。そばは見ただけでおいしそう。細くてしゃっきりしている。ごまだれもなかなか。後ろの席にはおすもうさんがいて、なぜかベビーパウダーの香りがした。
 飯田橋のパペットハウス・ギャラリーで開かれている知人の人形展へ。捨てるに忍びなかった包装紙が、みごとに可憐な少年少女に変身した。髪の毛はほどいた麻紐、色づけもえのぐや(ちびた)色えんぴつと、身近なものばかり。
 夜はひさびさに中村屋の『ルパ』へ。カキフライに後ろ髪をひかれながら、心を鬼にしてオットはインドカリーとビール、亭主はコールマンカリーとマンゴージュースを頼んだ。何かで聞いた通り、オットはルーを全部いっぺんにご飯にかけみた。このほうがおいしいような気がする、と言っていた。


1月13日(土)

◎お稽古に行く途中、アンテンドゥでお気に入りのパンを買った。セール中で、シールをいつもの倍くれた。カルディではコーヒー豆を。こちらも新春セールでスタンプをたくさん押してくれた。
◎お稽古場で、先週の先生にひきつづいて友だちに痩せたねと言われた。
◎家に帰ると、明日の夕食のカレーができていた。


1月14日(日)

 寒い。可能なかぎりの暖房をつけても寒い。
 今日のために作ったカレーは、市販のルーを使っての「なつかしいカレー」がテーマ。昨日からいい匂いがしていて、夕食まで何度誘惑にかられたことか。食べて顔は少しほてってきたが、まだ寒い。


1月15日(月)

 きのう残ったカレーを昼にスパゲティと和える。あ……またひときわ違ったおいしさ。
一度作って二度おいしいカレーかな。


1月16日(火)

 夕食のおかずはあさりの酒蒸しじゃが芋と玉ねぎのサブジ、味噌汁、実家でもらった大豆の五目煮(大豆、ひじき、人参、ごぼう、こんにゃく)。
 犬のことが気になって、食事中はなんとなくうわのそら。


1月17日(火)

 夕食は別館へお呼ばれにゆく。ゆりねや海老(!)の入った茶碗蒸し、蓮根と人参のきんぴら、鯖の干物、シジミの味噌汁などなど。
 ゆりねなんざ、結婚するまで食べたことなかったけれど、このクリクリ、ホクホク、という感触は、栗の季節が終わって沈んでいるわたしをなぐさめてくれますね。


1月18日(木)

 スヌーピーの生みの親、チャールズ・M・シュルツさんの原画展へ。シュルツさんが亡くなってもうすぐ一年になるのが信じられない。ご本人の写真を見ていたら目がうるんできた。
 諸々の事情から映画「郡上一揆」を見る。思わぬところで篠田三郎さんに会ってしまった。もちろんスクリーン上で。
 夕食はまた『ルパ』へ。ほんとうはとんかつ屋さんのカキフライを食べるつもりだったのに、行ってみたらカキフライ“だけ”のメニューがなくなっていたんですな。昼間に通ったときにはあったのに。やはり今年のカキフライの食い初めとしては純粋なカキフライを食べなければ。お隣のデパートに行ってみたらそこはお休み。ならば先週見たカキフライを食べよう、ということになった。奥松島・浜市産の牡蠣が6個。ぷっくりしていて衣が薄く、ぺろっと食べてしまった。


1月19日(金)

 近ごろジェフは鯵の干物がお気に入り。動けないので一日中寝ている。目を覚ましてモゾモゾしだすとトイレにつれてゆき、少し喉をうるおしてやるとまたコトンと寝る。20時間以上寝ていると思う。


1月20日(土)

 駅ビルのエスカレーターをのぼっていると、催事場の階で物産展をやっていた。ふと「ずんだ餅」の文字が目にとまったのでのぞいてみる。このまえ食べたずんだ餅とまたずいぶん違う。もちろん買う。
 枝豆の餡がかなりどろっとしてる。お餅は白。前回のずんだ餅の餡はふつうのアンコのようなかたさで、中のお餅も枝豆色だった。しかし、今回のずんだ餅の方があるかに枝豆らしい味がした。作り方もいろいろなのだろうか。ずんだ餅に関してはまだまだ経験不足である。あ……また食べたい。
 帰りの時間を気にせず地元でゆったり食事のできるお店を探そう、と話し合っていたら、帝国ホテルの洋食を手がけていたシェフがいる、隠れた名店があるという記事をオットがみつけた。バスで通るところなのでどこかはわかる。へぇぇ。


1月21日(日)

 本日はタンドリーチキン。おととしのクリスマス以来、二度目の挑戦。ただし今回は前日に下準備をして一晩寝かせてある。出来栄えは上々。ただしタンドリーチキンとはタンドールという窯で焼くものをいうらしいので、黒幕の労をねぎらう意味もこめて、わたしが「ダンドリーチキン」と命名した。


1月22日(月)

 餃子の出張料理。具もあまらずにおさまった(途中からぎゅうぎゅうに詰めたので)。
夕食後、明日のためにカレーを作る。今からあさっての残りカレーが楽しみ。


1月23日(火)

 今回のカレーのルーはちょっと甘め。里芋が意外とカレーに合う。


1月24日(水)

 ちょっと酸っぱいキウイはスライスして、薄い板チョコをのせて食べる。


1月25日(木)

 南大沢のアウトレットモールをのぞいてから、きのう立川の伊勢丹が駅前に引越しオープンしたので、立川参りをする。いつは高島屋のフォションへでパンを買う。今日もそのつもりで、でもちょっとだけ伊勢丹の地下をのぞいたら、アンデルセンにおいしそうなパンがあった。クラステンブロートとフルーツ&ナッツライ、イタリアの全粒粉のパンをお買いあげ。このまえみつけた喫茶店『黎明舎』で休憩。紅茶のおいしい店だというのにふたりとも黎明ブレンド。
 夕食は、例の店、『インペリアル』へ。二人用のテーブルがふたつ、四人用お座敷がひとつ、あとはカウンターという小さなお店。亭主はジュージュー鉄板焼きハンバーグステーキ、オットはサーモンのパン粉焼きカレーソースと生ビールグラス。それぞれサラダとスープとご飯がつく。ハンバーグはしっかりとまとまっている(こねる音も聞こえた)。ソースは別の容器(カレーを入れるあれ)に入っているので自分でかける。おいしいのでハンバーグを食べ終わってもライスといっしょにいただいた。今度食べてみたいのはカレー、オムライス、ビーフシチュー。


1月26日(金)

 今日は、ほうとうと、納豆とわかめとねぎ(細かく刻んで酢と醤油とコチジャンで味付けしたもの)。納豆……は、納豆嫌いの人でも食べられそうな、さっぱりした味。
 きのう買った雑誌「AMUSE」に牡蠣の特集が載っている。未知の牡蠣の名店がまだまだたくさんある。かつて牡蠣の写真を撮ってばかりいたころの写真コレクションにおさめた店も載っている。そこにはまだ入っていない。


1月27日(土)

 雪。成人の日のときよりだいぶ降ったのではなかろうか。これではお稽古にも行かれないので、夕食はオットとともに別館へ。太刀魚とフグの干物……めずらしいものを食べた。干物になるとフグの毒に対する警戒心が薄れてしまう。手土産に持って行ったザワークラウトが好評であった。


1月28日(日)

 コーヒー豆があとわずか。ということは、今日はなんとしてもお稽古へゆき、途中でコーヒー豆を買ってこなければ、と自分を励ます。天気がよく、思ったより足元も危なくない。あたたかいとがぜんはりきる亭主。カルディでコーヒー豆を買って、駅の反対側にあるアンテンドゥへ行ってパンオノアを買い、リュックをパンパンにしてお稽古場へ。


1月29日(月)

 前から気になっていた、栗あん絞りという和菓子を買ってみた。お餅を栗餡で包んでいる。エスプレッソを入れて一緒に食べる。
 夜は別館へ出張料理。ダンドリーチキンの段取りはOK。


1月30日(火)

 明日で1月が終わる。栗に比べたら牡蠣の季節はまだまだこれから、なんて思っていたけれど、そろそろ今季の牡蠣も計画を立てて食べていかねば。


1月31日(水)

 夕食は別館にお呼ばれ。なんとカキフライとエビフライでした。柚の汁で煮たさつま芋とりんごもなかなかおいしかった。



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