2001年4月

3月 よもだ亭日乗 目次 5月
パン・コレ(クション)を覗く。
よもだ亭の御用達新規追加!

4月1日(日)

 グラハム・クラッカーに関する英文の記事を読んだら、オットが子どもの頃に食べたクラッカーがなつかしいと言いだしたので、先日、横浜からの帰りに八王子のカルディでクラッカーを探した。ずばりグラハム・クラッカーがあったので買ってしまった。すぐに影響されるよもだ亭である。
 さて今日はお稽古に出かけたので、オットはひとりで昼食をとる。きっとクラッカーを食べるに違いないとにらんでいたら、そのとおりだった。でも納豆といっしょに食べるところまでは予想できなかった。


4月2日(月)

 グラハム・クラッカー(オリジナル)は甘くてしょっぱい。おいしいけれどちょっと味が濃くてお菓子みたい。これを生地にしてタルトを焼きたい。


4月3日(火)

 このまえ思いついたとんぶりをスパゲティに和えてみる。スパゲティを茹でるときに塩を入れ忘れなければおいしいはずである。


4月4日(水)

 先日植えたトマトの種は、説明では約何日で発芽とは書いていなかったけれど、植えてからほぼ1ヶ月で花が咲くまでに成長する、とあった。丈が15cmというから単純計算で1日あたり5mm伸びる。毎日鉢をのぞくたびに、はやく芽が出ないと1日のノルマが増えるではないかと人ごとながら気を揉んでいたら、今日の夕方、二つ芽を出した。写真で紹介したいところですが、写真では何がなんだかわかりません。


4月5日(水)

 小金井公園へお花見。
 小金井公園内にある江戸東京たてもの園内の食事処『蔵』で武蔵野うどん(冷たい方)を食べる。腰が強くておいしい。つゆの味も甘すぎず辛すぎず。食べたあとでよけいにお腹がすくような気がして困った。
 ちょいと国立へよりみちして邪宗門へ行こうと思ったら、木曜日は定休日。すっかり忘れていて(下北沢の邪宗門で空ぶりしている)店の前で立ちつくす。手前のロージナ茶房には行列ができていたので別の店で休憩したあと、大学通りを歩く。今日は入学式らしく、桜の下は宴会で盛りあがっている。歩道橋からの眺めはなかなかのもの。途中、樹齢百年のどんぐりの木のお引っ越しに100円ずつ募金をした。
 夕食は立川にもどって、前から気になっていたピザがおいしいという店へ。イタリア風のサラダ、スパゲティ(バジリコ)、ピザSサイズ2種類(魚介、オリーブとチーズ)等々。サラダは、素材はおいしいけれど野菜の切り方が大きくて食べるのに苦労(デートでは困ります)。ピザは、具が生地の端の方までのっていて(他のサイズではどうかしら)、もう少し生地を味わいたい気がする。スパゲティ……メニューにはリゾットやパエリアもあったので、お店の評価はそれを食べてからということに。


4月6日(金)

 すでにミニトマトは11個発芽。ぜんぶ立派に育ったらどうしよう、と皮算用。


4月7日(土)

 朝、起きてみるとトマトの芽は12個に。それから見るたびに増えてゆく。お稽古から帰ってくると16個になっていた。この調子なら、1時間ほど頑張って見張っていれば、芽の出る瞬間をとらえられるのではないかしら。


4月8日(日)

 マイケル・ルールマン著「料理人誕生」(Michael Ruhlman, THE MAKING OF A CHEF)を読んでいる。さすがに真似はできないけれど、その気になりやすいわたしはいつもより念入りに食器を洗ってみた。


4月9日(月)

 ただいまピザ作りを計画中。オーブンについてきたピザストーンが役立つ日は来るのだろうか。慣れないことをするので、今はイメージトレーニングをしているところ。
 「料理人誕生」の文章にはいきおいがあって、引きこまれるのは楽しいのだけれど、体力を使う。食後、就寝前は要注意である。


4月10日(火)

 トマトの芽、ただいま21個。さすがにぜんぶは育てられないし、もやしにするにはちょっと少ない。


4月11日(水)

 ベランダで冬を過ごし、一時は全滅しかかったミントがみごとに復活してきた。摘んでやらないと窮屈そう、何かいい使いみちがないかと考えて、紅茶に入れた。というと聞こえはいいが、野性的なはっぱの味がした。


4月12日(木)

 荻窪から新宿までを歩く。オットはこんなことをしょっちゅうやっていて、荻窪から善福寺川にそって歩くコースがなかなかいいというので歩いてみることにした。曇っていて陽射しも強くないし、疲れたら途中で電車に乗ってもいいということで。
 出発地点でまずドトールに入り、気合いを入れるために亭主はアイスラテ(ミルク多め)、オットはグレープフルーツジュースを飲む。それから川の左岸でもあり民家の裏道でもある狭い道を歩く。桜はもうほとんど散ってしまっていたけれど、川は一面が桜の花びら。散歩中の犬を見てははしゃぎ、ステキな家を見つけてはこんな家に住みたいと言い、川で泳ぐ鴨を見つけるとたちどまり、ときどきは花にも目をとめながら歩く。途中のコンビニでお茶とおにぎりを買ってベンチで昼食。
 ふたたび歩きはじめ、川と別れてしばらくすると中野区に入り、山手通りに出るとそこはわたしのお稽古場であった。そこで新宿までの距離がつかめて疲れを感じる。新宿西口についたらおいしいコーヒーを飲もう……。『可否道』はやはり閉まっている。そこで『皇琲亭』で休憩。そしてお買い物のために東西歩きまわる。
 地元でおいしいピザの店を探すという使命のもとに八王子へ帰る。事前に調べた店を実際に見てまわる。とりあえず入りやすそうなところからにしようということで、シャノアール系列の『リアナパ・デッラ』へ。
 かつての教訓から、初回ではパスタを頼まないことにする。生ビール(380円)とシチリアオレンジジュース(280円)。飲み物はどれもシャノワール価格。アスパラいっぱいサラダ、海老とマッシュルームのピッツァ、4月のおすすめ料理のラザニア。サラダはかなりの量だったけれど、さんざん歩いてきたので喉をうるおすように食べた。フレンチ系のドレッシングがかかっていてやや塩味がきついが、まあまあいける。ピザは30センチ大。ピザカッターがついてきた。おもしろいのでふたりで交互に切る。生地は一見厚そうで、実はかなり薄い。食べてみると、薄いわりに生地の歯ごたえがしっかりしていて、味付けも濃すぎず、結構おいしい。食べている間にラザニアが来る。わたしの好みからいうと少し酸味が強い。とりあえずピザを目当てに来る店を一軒確保した。
 本日の歩数31110歩。


4月13日(金)

 いよいよピザを作る。
 よもだ亭のパンブームが去り、全粒粉とドライイーストが残っている。賞味期限は切れていても作る覚悟はできている。しかし昨日の疲れが尾を引いて息も絶え絶え。午前中に買い物をすませ、昼は英気を養い、準備にかかる。今日はすべて自力で作ることにして、オットは撮影班にまわる。
 生地をこねたり、醗酵させるあいだのんびり待つのは楽しい。料理よりパンを焼くほうがわたしには向いている、と『料理人誕生』を読んでもそう思った。
 はじめてにしてはなかなかのできあがり。生地は厚めでトッピングがお山のようにこんもり。お店では決して食べられない採算度外視……といっても材料でいちばん高かったのはアンチョビ344円(税込み)。


4月14日(土)

 食べ物ってはかない。ピザは跡形もなく消えてしまった。などと落ち込んでいたら、先月植えたアーモンドの芽が出ているのを発見(3個中2個)。こんなに早く芽が出るなんてとよろこぶ以前に、ほんとうに芽が出たことに驚いた。ミニトマトといい、アーモンドといい、発芽運が上昇しているのかしら。しっかり育っておくれ〜。


4月15日(日)

 本日は欧風カレー。市販のルーに「欧風」と書いてあるからそうなのだと思う。わりとわたし好み。オットは印度風派である。


4月16日(月)

 朝食に食べるひよこ豆の茹で加減は圧力鍋で2分、ちょっと固めがおいしい。いつも同じように茹でているのに、たまに茹だりすぎてしまう。そういうときは食べきるまで毎日の楽しみがちょっと減る。今日茹でたひよこ豆はいかに。


4月17日(火)

 今回もひよこ豆はやわらかい。いつも同じ茹で方をしているのに、気温が関係しているのだろうか。
『ガスト』でカキフライを発見。ただし見ただけ。


4月18日(水)

 このごろ、蒲団に入ってからお腹が空いてしかたがない。ひもじい。夕食が早いせいもあるのかしらん。ひとりだったらきっと何か食べているにちがいない。毎晩のように「なに食べたい?」と、おいしいものを夢想しながら眠りにつくわれらは恵まれている。


4月19日(木)

 〜新宿編〜
 アントワープ王立美術館所蔵「黄金期フランドル絵画の巨匠たち展」を見に伊勢丹美術館へ。今回は大きな画が多くて所狭しと飾ってあったなぁ、などといつものように内容とはまったく関係のない感想を持ちながら、伊勢丹本館の『ロイヤルコペンハーゲン ティーラウンジ』へ。ここのカレーを食べに来たのである。ロイヤルコペンハーゲンとのご縁は結婚祝にもらったイヤープレートと、これも結婚祝にもらったペアのカップ&ソーサーくらいで、自分たちがお客になるのはこれが初めてのこと。
 トランクェーバーチキンカレー(飲み物つき)はロイヤルコペンハーゲンのトランクェーバーというシリーズの器で出てくる。マレーシア・シンガポール風の「ストレイト(strait?)風」カレーらしい。かなり細長いだ円のトランクェーバーに入ったカレーには手羽元が2本。家庭料理とはちがった洗練された味で、口当たりもいい。お米はパキスタン産バスマティー米で、クスクスのような舌触り。とてもよい香りのするお米だった。会計をすませたあと、ティーラウンジで使われている食器を探す。飲み物のカップの方は、ロイヤルコペンハーゲンの中では比較的手ごろな価格(それでも中身の10倍はしそう)だった。トランクェーバーは、ライスのお皿は確認しなかったけれど、あのカレーの入っていたのは(レストランの食器がいくらするかなんて考えたことはないけれども)、たぶん今までで一番高価なのではないかしらん。
 あちらこちら新宿を探検したのち、紀伊国屋でなぜか「6年の科学 2001年5号 ミニミニプラネタリウム」を衝動買い。今どき学研のおばさんなんていないのだろうか。実は望遠鏡型の星座早見(?)を持っている。プラネタリウムも何度か行っていて、いずれは精巧な家庭用プラネタリウムが欲しいと思っているくせに、星の名前はろくすっぽ知らない(知っているのは肉眼で見たものに限られる)。紀伊国屋のお隣の東急ハンズでピザカッターを買い、高島屋のフォションいつものパンを買った。

 〜地元編〜

 買い物をすませて休憩のお茶をしてから地元八王子へ。食事をしてから満員電車で帰るのもしんどいし、さがせば地元にもいいお店がたくさんある。ここのところピザ熱に浮かされているので、今晩もこれはと思う店にピザを食べに行く。
カンティーナ』はビルの地下にある。店の中はとても落ち着いた雰囲気でワイン蔵のようなデザイン。最初に出されたメニューはワインしかない……と思ったらワインリストだった。しかし今日はピザへまっしぐらなのでワインは遠慮して(そもそも亭主は飲めない)料理を選ぶ。

  • 海の幸のいろいろマリネ・ヴァージンオリーブオイル風味――よくつけ込んだ感じでしっかり味がしみている。味つけがきつすぎないのもよい。
  • 季節のいろいろ野菜のサラダ――トマトは、ジュースをゼラチンに閉じこめたような柔らかさ。
  • ピッツァパルマ(パルマ産プロシュートとルッコラのピッツァ)――薄い生地の上にチーズを載せて焼き、生ハムと薄く削ったチーズと生のルッコラをあとから載せている。これを丸めて全部いっしょに食べると、不思議な味わいが出る。生地はぱりっとしているのに噛んでいるとモチモチした感じ。
  • スカンピとフレッシュトマトのスパゲティ――初めての店ではパスタを回避すべしという教訓を破って今日は正解だった。実はスカンピ(手長エビ?)が何物かを知らずに(気軽にたずねるのもためらわれた)頼んでしまった。麺はカンパーニャほどの個性はないものの、茹で加減も適当で、スカンピの出汁がしみておいしかった。ぷりぷりとした卵らしきものも入っていた。

     今日入ったお店はどちらも一歩洗練された感じのお店でした。罪悪感を覚えるほどおいしいものを食べた一日でした。 


    4月20日(金)

     そして今日も家でピザを作る。
     具は、舞茸(おろしにんにくとオリーブオイルで和える)、トマト、アスパラガス、モッツァレラチーズ、ピーマン、パセリ。アンチョビを使わないので別に塩をふる必要がある。具をのせすぎたという前回の反省から、今回は欲張らないことにし、お湯は規定の分量をいっぺんに加えず、生地の状態をみて少しずつ加えた。
     それでもお店で食べるピザよりははるかに分厚くて、昨日買ったピザカッターは歯が立たなかった。



    4月21日(土)

     3つ植えたうち2つ芽を出したアーモンド、そのうちの1つはどうやら芽を出したところで力を使い果たしてしまった模様。しかもアーモンドは自家受粉しないので実をならせるには複数の木が必要らしいことがわかった。予定ではまだ発芽しなくてもあたりまえの時期なのだから、3つ目への希望を捨ててはいない。ビリケンさんお願い。


    4月22日(日)

     もっと食べ物や味覚に関する表現をみがかなくては、と切実に思う(日常のコトバもアヤシイのではあるが)。
     手始めに食に関する本でも読んでみようか。そういえば「奇食コレクション 大蛇の茹でたて」(皆美社編)なんていう本も、書評が出てすぐに買ったのにまだ手つかずのまま(奥付によると発行は平成11年)。
     そういえば、Bob GreenのコラムにNever Travel for Foodというのがある。このタイトルは彼の人生訓らしい。ピザのと〜ってもおいしい店に連れて行くという人の誘いについ乗ってしまい、その結果、彼は教訓を犯した罪をみずからつぐなうはめになる。ボブさんピザが好きなのね(ずいぶん昔の話だから今はどうなのでしょう)。イタリアでスパゲティとピザを食べておいしいトマトを買い込んで、スペインでパエリアを食べて、インドでカレーを食べたい、なんて言ったら怒られるかな。


    4月23日(月)

     夕食は別館へお呼ばれ。庭に生えているどくだみとユキノシタが天ぷらになって出てきた。
    食べた直後にお腹がすくのはなぜだろう。 食べたことは覚えているんだけれど、胃が忘れっぽくなったのか。


    4月24日(火)

     先日、ロイヤルコペンハーゲンのラウンジで食べたカレーの、クスクスのようなお米に触発されて、オットはひさびさにクスクス料理を作るという。亭主は実家に行くので帰りにカルディでクスクスを買う使命を負った。帰りが予定より遅くなって閉店まぎわに店に入り、クスクスを買った。帰るとクスクスを待ち受けていたスープには、全粒粉でつくったすいとんが入っていた。
     食べおわって片づけをしているところへ実家から電話。ジェフの容体が急変したというのでふたたび実家へ。


    4月25日(水)

     一日中雨が降っていた。実家では昨日から買い物に行くどころではなかったので、お米と缶詰くらいしか食料がない。ふだんならよもだ亭で培った腕の見せどころ……なのであるが、雨の中自転車をこいで買い物に行く気力がちょっとない。
     ドッグフードを食べるわけにもいかないので、歩いてコンビニへ行く。棚に並んだレトルトカレーを見ていたら、「よこすか海軍カレー」を発見。1種類ではつまらないので、ハウスの「かぼちゃのカレー」も買って、母と分けて食べることにした。福神漬けも買えばよかったとあとになって思った。


    4月26日(木)

     はりつめていたものがゆるんだせいか、体がだるい。今日も夕食はオットにすべてまかせた。タイガーエビを買ってきて、海老グラタンを作ると言う。最終的には、玄米ご飯も一緒にしてドリアができた。その方が一度に食べられてとても楽だった。


    4月27日(金)

     昨日の夜、蒲団の中でお腹が「カンパーニャのスパゲティが食べたい、にも行きたい」と鳴いているのが聞こえた。今日は天気も良いので、さっそく気晴らしに街へ繰り出す。家を出たところで駅まで歩いて行こうと決心した。バス通りを避けて歩いたので今まで知らなかっためずらしいものを発見した。そのひとつが「四方の湯」という銭湯。ヨモノユ? 煙突には鯉のぼりがたなびいている。よもだ亭(あえて漢字で書くなら四方田亭)とは何の関係もないけれど親しみを感じる。
     1時間半かかって駅に到着。「カンパーニャ」へ直行する。トマトとあさりのスパゲティ(かなり辛い)、ロースハムとほうれんそうのスパゲティ(シンプルな塩味)、グレープフルーツジュース、シチリアオレンジジュース。日替わりランチを頼まず単品にするところがひねくれている。ここのシチリアオレンジジュースはお酒のような味がする。歯ごたえはじゅうぶん。
     めぼしいショッピングビルを徘徊したのち、「」へ。他にお客はいない。珈琲クリームぜんざいと珈琲パフェを食べる。


    4月28日(土)

     気晴らし隊は今日も行く。
     きのう、シンプルで実用的なパスタ・カレー用の皿を買ったので、さっそく昼食のにんにくスパゲティに使う。食後の眠気と闘ったのち、近所にできたマクドナルドが今日オープンしたので、それよりちょっと遠い「サーティワン」で陰ながらお祝いをする。景気づけにダブル。亭主は新製品のドルチェ・ビータ(ヘーゼルナッツチョコレートアイスクリームとバニラアイスクリームとチョコレートをコーティングしたヘーゼルナッツのミックス)とストロベリーチーズケーキ(チーズケーキのアイスクリーム、ストロベリーのリボン、グラハムクラッカー)、オットはピンクグループフルーツソルベアンドクリームとオレンジサイクロン(オレンジシャーベットとバニラアイスクリーム)。


    4月29日(日)

     実家へ。ジェフのいない留守番。夕食はハインツのキーマカレー。ブロッコリーを茹でたお湯でカレーをあたためる。電子レンジがこわれたままなので、その上でご飯を蒸す。魚柄流同時調理。


    4月30日(月)

     今日は中村屋のインドカリー。どうしてもお店で食べるカレーと比べてしまう。レトルトはあくまでもレトルト。



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