2003年1月

12月 よもだ亭日乗 目次 1月

1月1(水) 

 午後から甘栗と甘納豆をかたわらに読書。しあわせだぁ……。

1月2(木)

 栗きんとんを食べた。大作を読む

1月3(金) 

 大作を読み終えた。一度も外の空気に触れず家の中にいた。

1月4(土) 初稽古

 この本を読むまえに必ず読んでおかなくてはいけない本というのがシリーズものにはありまして、その読んでおかなくてはいけない本はオットの蔵書にあるはずなのですが、捜索隊を何度派遣しても見つからないので買ってきてしまいました。買ったら見つかったりして。
 夕食はモスで、イタリア風メンチフォッカチャ。ソースにはトリュフが入っているらしいのだけど、トリュフの味を知らないわたしにはよくわからなかった。

1月5(日) 何だかんだいいながらよく食べる

 お正月はいちおう3日までのはずなのだが、今日も朝寝坊をした。朝食が遅かったのでお昼をパスしておやつに甘納豆と八つ橋。八つ橋は賞味期限が早いのでとにかく食べた。そんなわけで夕食もさほどお腹がすかず、いつもなら昼食に食べるビーフンを作った。栗きんとんと黒豆も片づけた。

1月6(月) 

 久しぶりに早起きをすると寒い。
 今日は太極拳の教室の初日である。これから週に一度、少なくとも3ヶ月通う。カルチャーセンターなので教室は3ヶ月単位なのだ。とはいえ、開講以来20年ずっと受講している人をはじめ、師範格のベテランが揃っている。今期が二度目という人もいるが、今回の新入りはわたしとオットだけ。どちらに向いても手本が見られるように、中央に入って経験者に囲まれて稽古する。動きがゆっくりな上に、前半と後半のあいまの休憩も稽古の時間と同じくらいあって、ずいぶんのんびりとしてきた。
 お昼は今日のところはモスでオットがイタリア風メンチフォッカチャ、亭主は焼肉ライスバーガー。今後のために早い・うまい・安いところをいくつか探しておこう。

1月7日(火) 

 さつま芋(鳴門金時)と舞茸のチーズ焼き、ほうれん草のブレイズ、大和芋のとろろ汁、玄米ご飯、ときて、今日はベジタリアンかなと思ったら、くるみ入り田作りがあった。これでもお腹は満足。

1月8日(水) 昔とった杵柄。

 先月買った青地に黒の紬のきものを着た。組み合わせはこれも一緒に買った、リバーシブル(黄・紫)の綿の半幅帯、兎さん柄でお揃いの帯締めと半襟。自分で着たのはほぼ10年ぶりだったが、だいたい覚えていた。帯結びは貝の口。これはさすがに本をひっくり返して簡単そうなのを選んだ。着ているあいだは本を読むか仕事をするかでほとんど動かず、夕食前には着替えた。今日のところはこれでよし。
 夕食は、今日も簡単にすませたいのであり合わせ。トマトソースに昨日のとろけるチーズを混ぜたスパゲティ。

1月9日(木) お礼参りと初詣。

 江戸東京博物館で「大江戸百八町展」を見るついでに、亀戸、錦糸町、浅草を散策する。
 この展示で江戸牢屋敷の場所を地図で見ると、昔の職場とは目と鼻の先である。当時、近くにあると話には聞いていたが、恐くて行ってみたことはない。
 昨年、亀戸に来たときには閉まっていた『珈琲道場 侍』に入る。「よろしければカウンターへ」と言われ、カウンターのロッキングチェアーに坐る。道場で侍に何をされるのだろうかと思ったが何もされない。侍オリジナルブレンドと、昼食代わりにケーキを頼む。応対は腰が低く、侍というよりは今どきのどの店よりも商人らしい。それから亀戸天神へ向かい、昨年FPの試験の合格祈願をしたのでそのお礼参り。亀が1匹だけ甲羅干しをしていた。その足で錦糸町まで歩き、浅草橋で地下鉄に乗り換え浅草へ。浅草寺で初詣。お腹が空くと寒さが身に堪える。
 新宿へ戻り『とんかつ三太』で夕食。オットはヒレカツと赤ワイン、亭主はロースカツ。

1月10日(金) 道は遠いね。

 パンを焼く。
 今日は醗酵させてもなかなかふくらんでくれない。分量にはまちがいない。まあ寒いからこのくらいは失敗のうちに入れないでおく。その代わりにオーブンで低温であたためてから焼いた。出してみたらほとんど焦げていない。時間を延長して焼いても茶色くならない。今日は全粒粉をほんの少ししか混ぜていないから、焼きあがりも白いのか? まさかそんなことはない。型から出してみると底の方も真っ白。なんとオーブンが天火モードのまま、つまり上からしか熱を出していなかった。

1月11日(土) 天気がいいとお稽古に行くのがらくちん。

 モスで北のコロッケフォッカチャを食べる。イタリア風メンチフォッカチャよりこっちが好み。素朴で、じゃが芋の味がよくわかる。まあね、トリュフを食べつけていればまたちがうのだろうけどね。

1月12日(日)

 友だちのお土産で、ねぎ味噌味のおせんべいを食べた。

1月13日(月) 晴れて良かったね成人式。

 ファイナンシャル・プランナーの講習があって渋谷の大学まで出かけた。今日は振り袖姿のお嬢さんをよく見かけた。青山通りで外人さんが振り袖を着た女の子に写真を撮らせてもらっていた。先日、中国国交回復30周年記念で中国へ行った友人曰く「海外できものを着るとそれだけでもてる」 そ、そうなのか。
 新宿でオットと待ち合わせる。夕食はカレーの店を何軒か検討し、新宿では入ったことのない『ラージマハール』へ。まえに渋谷で食べたタンドリーサラダがおいしかったので、それをリクエスト。ほかにサモサ、マトンブーナゴースト、プラウンシャヒーマサラなどを頼む。タンドリーサラダのスパイスの利いたパイナップルが何とも珍味。プラウンシャヒーマサラの、衣をつけて揚げたエビが何ともいえずおいしかった。サモサがとても大きくてお腹いっぱい。

1月14日(火) 

 地場野菜コーナーに、小さいじゃが芋があった。1袋100円。これと、にんにくを皮のままに入れて丸焼きにする。水も油もいらない。これに味噌をつけて食べるとおいしいのである。にんにくは食べるときに皮をむきます。

1月15日(水) 

 お腹の調子がいまひとつなので、胃にやさしい(そうな)ものを作ることに。手羽元、緑豆、そしてきのうのじゃが芋を使ったスープができた。ほうれん草はいつも一束をバサッとブレイズにして食べるのだけれど、今日は半分だけ買ってきた。これがいつもよりおいしいと感じたので、作るときの量も加減した方がいいのかもしれない。

1月16日(木)

 朝、お湯の方の蛇口が凍って出ない。水の方はみぞれのようなものが出てきた。お風呂場にいたっては2センチのつらら。
 未来科学館へ行くのに新宿からりんかい線に乗ろうと思ったら事故でしばらく動きそうもない。そこで新橋まで行ってゆりかもめに乗った。未来科学館で「ゴジラと科学展」を見る。特殊撮影の技術などは、昔のはいろいろ知恵をしぼったものがあって楽しい。ゴジラ映画の予告編ばかりを映していたので延々と見ていた。
 気がつくとお昼をとうに過ぎている。そこで、昭和30年代を復元したお台場一丁目商店街の中の喫茶店で昼食代わりにケーキを食べ、商店街を一回り。帰りは新宿までりんかい線を使う。
 お昼をおやつですますと夕方にはお腹がよくすいて何でも食べられそうな気になる。おまけに今日はひときわ寒かった。テンガロンへ行くとめずらしく宴会のお客さんがいて、バイトの人も一人多い。オットは牛タンステーキ、亭主はヒレステーキ、それにチリビーンズを頼む。ちょっと辛いのだけれどご飯と一緒に食べるとこれがおいしかった。

1月17日(金) 今日は満月。

 近所のバス通りに面した角地に、変わった建物ができた。数日前までは、鐘とその上のとんがりお屋根が地面に置かれていて、買い物で通りかかるたびに何ができるのか考えていた。そしてきのう鐘が建物の上に載った。そこは教会でも、幼稚園でもなく、長崎ちゃんぽんのお店になるらしい。

1月18日(土) 今週もお稽古の後はモスの北のコロッケフォッカチャ。

 今朝は満月に見送られながら家を出た。朝早いとわかっていながら昨夜は12時ごろまで横溝正史の「八つ墓村」を読んでいた。蒲団の中で……。こんな時、Pocket PCは便利ですね。画面が明るいので暗いところでも大丈夫。おかげで今日の始まりがいつからなのかよくわからない。
 寝不足のせいかお稽古のあとはへろへろ。

1月19日(日) こわれたのが冬でよかった。

 一昨日、蛇口につららができた日までは異状は見られなかった。おとといから冷蔵庫の中のものが凍りだした。今日はヨーグルトや牛乳、卵までカチンカチン。
 一人暮らしを始めたときに買ったもので、9年弱というところ。もった方なのかどうか。お稽古に行っているあいだにオットが温度センサーの部分まで拭いて掃除をしてくれた(涙)というが、今は手動で電源を切ったり入れたりして調節している(号泣)。
 凍って殻が割れた卵はスペイン風オムレツもどきになった。

1月20日(月) 

 冷蔵庫が持ちなおした様子。掃除したのがよかったのか、買い替えるという話を聞きつけて驚いたか。
 太極拳のあと、冷蔵庫を見てまわる。いずれ本当にこわれたときにあわてないように、研究するのである。展示してある冷蔵庫の中に、そのメーカーのカタログが入っていたので、片っ端から開けてゆく。カタログが冷えていてもあまりうれしくないけれど。
 お昼は『吉野家』にしようと思ったら並んでいたのでさきに冷蔵庫を見て時間をずらした。そのうちなんとなく近くのスパゲティ屋に行きたくなり、スパゲティ屋の行列に並ぶ。オットは数ある牡蠣メニューのなかから、牡蠣のトマトソーススパゲティ、亭主はベーコンとほうれん草のホワイトソーススパゲティを頼む。大盛り無料サービスです、と言われたが、欲を張らずに普通盛り。

1月21日(火) 「つくろう税を楽しく納めるしくみ」

 国税庁のサイト上で、税金の申告書を作成した。もうこんなことができるとは便利になったものだ。来年からは電子申告もできるらしい。新しもの好きとしてはぜひ試してみたい。
 午後になって今日は玄米を炊く日であったことに気づく。半日くらい水に浸けるので、すでに時遅し。きのう買っておいて忘れていたほうれん草があるので、シラスと椎茸を合わせて和風スパゲティを作った。

1月22日(水)

 今日はヒーターのまえに陣取ってパンをこね、2時間以上寝かせた。ふくらみはそれほどではなかったけれど、前回よりはよくできた。オーブンの設定もまちがえなかったし。
 夕食はアイディアがひらめかないので、塩タラ(1切れ100円)を買った。タラのガリシア風煮込みをまねて、ホールトマトで煮込んでみた。

1月23日(木)

 雪なのでお出かけは延期。夕食は野菜総動員カレーとあいなった。

1月24日(金)

 ひょっとすると鎌倉の雪景色が見られるのでは、と思い、出かけることにした。ちょうど蝋梅の季節でもあるので、この目にしかと蝋梅の「花」を焼きつけよう。大仏さまには申しわけないが、今回はお忍びで、挨拶は失礼するつもり。
 北鎌倉で降り、まずは東慶寺へむかう。蝋梅はあちらこちらにぽつん、ぽつんと植わっている。ふつうの梅は1本でも存在感があるのに、蝋梅こそまとまっていてくれないだろうか。浄智寺にもそこかしこに蝋梅がある。花の咲く時期に来たことがないので、これほどあるとは知らなかった。「ロウバイ」という名札がついていないものは見過ごしていたのである。見つけるたびに写真を撮り、今後の手がかりとする。
 なぜか雪がない。道の端に凍りついたかけらもない。『茶寮風花』で「このへん雪は降らなかったんですか」と尋ねたら、「雨でした」との答え。暖かいから雪はあまり降らないのだという。とても意外だった。うさぎ饅頭を食べたあと、明月院で蝋梅探し。近づいてよく見ると、花びらは蝋を塗ったような艶がある。朝露が宝石のように光るところを撮影。円覚寺は蝋梅密度が低い。かわりに急な階段をのぼって国宝の洪鐘(おおがね)を見る。
 うさぎ饅頭だけでは足りず、雑誌に載っていた分厚いホットケーキを目当てに鎌倉駅ちかくの喫茶店へ入る。ずんずん入っていって、サンルームのような場所の席に坐る。ゆがんだ窓枠からすきま風。窓の外は花壇のある庭で、かつては使われていたのではと思われるテーブルと椅子もある。カフェオレとブレンド、ホットケーキ1つを注文すると、店員さんが「申しわけありません、ホットケーキは」と言ったところで顔がひきつったが、「15分くらいかかりますが」と言われてほっとした。飲み物を飲みながら待っていると、ホットケーキと取り皿とフォークも二人分持ってきてくれた。
 いつも小町通りを歩く頃は日が暮れかかっていて、食べ物屋以外は店じまいをしていることが多い。早い時間に歩いてみると、今まで気づかなかった店がいろいろある。なんだかまるで蝋梅みたい……。
 お忍びなので早めに地元へ戻る。『ベリーニカフェ』で牡蠣のフリットを食べよう、と思って行ったら「本日貸し切り」であった似たようなことやってる。次の候補のイタリアンレストランでは、予約でいっぱいだと断られる。少し歩いてまた別のイタリアンレストランへ入る。
 大仏さまにばれてしまったのだろうか……。


1月25日(土)

 きのう家に帰ってみると、パソコンがネットワークの異常で外につながらなくなっていたのだった。やはりこれも仏罰か。

1月26日(日)

 バックアップを取るは1日仕事、とはいえすることがないのでパンを焼く。フードプロセッサを使うと量に限度があるので、手ごねにする。パンをこねて気を静める。

1月27日(月)

 午前中は太極拳。なかなかいい気分である。
 お昼は吉野家へ。12時になるかならないかだったので幸い席があった。頼んだらすぐに来た。吉野家は小学生のときに秋葉原で親と一緒に入って以来である。店員さんが若いお姉さんなのでほっとする。周りのペースと、背後に並んでいるお客さんの気配にうながされてあっというまに食べ終わる。
 帰りはオットとわかれてかねひろ治療院へ。「なんだか今日は姿勢がいいですね」と言われ、太極拳を始めたことを打ちあける。

1月28日(火)

 OSの修復インストールでとりあえずパソコンの問題は解消されたように思う。修復インストールでデーターが一部失われることがあるのはこのOSの欠陥らしいのだが、欠陥とも知らずバックアップを元に戻す。

1月29日(水) いそがしくておやつ食べそこねた

 風が冷たい。洗濯物のシーツが風になびいてグリーンネックレスの鉢をなぎ倒す。

1月30日(木)

 古代オリエント博物館で特別展示「ハンコの誕生」を観る。
  サンシャインプラネタリウムに入るまえに、「わんタッチにゃんタッチふれあい広場」でイヌにさわる。背広を着た年配のおじさんなど、子どもより大人の男性が多い。これが哀愁をそそる。プラネタリウムは一角獣座のお話。お昼はナンジャタウンの中の餃子スタジアムで。お腹と相談しながら少しずついろんな店の餃子を食べてまわる。
 江戸川乱歩展「蔵の中の幻影城」は盛況だった。男女問わず年配の人が多い。自製のスクラップブック「貼雑年譜」を見ると、なかなかの記録魔である。40回以上引っ越した住まいの間取り図がうまい。引っ越し双六まである。
 たいして歩き回っていないのに疲労が激しい。『とんかつ和幸』でふたりともカキヒレカツ定食。持っていた飲み物サービス券は昨年末で期限が切れていた。

1月31日(金)

 今まで使っていたカレー粉がやっと終わったので、今日初めてナイル商会のインデラカレー粉を使う。やはりちょっと辛い。さつま芋の甘みで助かった。辛みを除いたカレー粉もあるのだが、こちらは業務用のみで2キロから。



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