2003年12月

11月 よもだ亭日乗 目次 1月

12月1日(月) それでも太極拳へは行った。

 腰回りに赤信号点滅。湿気が多いときにぎっくり腰になる人が多いとかねごんも言ってたっけ。
 SKIPから寒じめほうれん草が届いた。葉が肉厚でシワシワ。説明には生でどうぞ、とあるので少しだけサニーレタスとサラダにして、残りはブレイズに。
 成城石井で枝豆納豆に続いてだだ茶豆納豆を見つけた。これはこれで味わいがある。

12月2日(火)

 天気予報とにらめっこしながらこの日にねらいを定めた。地元の駅へ向かうバスの中から富士山がよく見える。

 北鎌倉で下車し、明月院へ。境内に昨年できた私設トイレについて景観にそぐわないと文句を言ったが、今回はありがたく使わせていただいた。しかし2つある女性用トイレのうち1つは閉じられており、利用者のマナーについて、ご住職の嘆きが貼り紙や立て札で表現されていた。女性の方がマナーが良くないというのは確かにそういう面もあるのだけれど、何をするにも女性は男性より手順が煩雑なので、おなじ結果を出すにもより高度な身体能力が必要なのでして。

 後庭園は1日から公開。電話でそのことを問い合わせたときは、今年は紅葉が遅くて、とお寺の人が申し訳なさそうにおっしゃっていた。たしかに紅いもみじはまばら。まだ青々としたもみじで、葉の端だけが、緑に朱を上塗りしたような不思議な色合いを帯びたものもある。雲ひとつない空をトンビが飛んでいる。カラスも街中で見るのとはまたちがった趣がある。風は少し冷たいけれど、今日は陽気のおかげで震えるほど寒くない。小一時間ほど静けさを満喫する。
 そして『茶寮風花』へ。今日はお客がいっぱいで、マスターはずっと中でうさぎ(饅頭)を蒸したり、お茶やコーヒーを入れるのにいそがしそうだった。
 真っ赤に染まったもみじが少ないので、円覚寺の門前など、ごくわずかな紅葉にカメラが集中する。自然は人の期待に応えようと無理をしないところがいい。

 大船へ出て、湘南モノレールに乗る。ここからも富士山がよく見えた。終点の湘南江の島で降りて江ノ島方面へ歩いてゆく途中、おもしろいものを見つけた。歩行者用の通路に車が入ってこられないように金属製の柵がありますね。その柵の上にスズメちゃんが数羽ついているのをご覧になったことありませんか。地元ではよくみかけるので、これはガードレールのように地方自治体によって違うのかしらんと思っていましたが、けっこう広範囲でみかけます。そのスズメちゃんが江ノ島にいるくらいでは驚きませんが、ほら、おべべを着てる。
 通りには磯料理のお店がいっぱい。江ノ島に行ってからお昼にするか、ここで食べておくか、我慢は禁物なのでここで腹ごしらえをする。店の前で盛んに呼び込みをやるおばさんあり。気の小さいわれわれはとても入れない。「本日釜揚げしらすあります」の掲示に惹かれて、和菓子屋の2階にある磯料理の店に決める。素っ気ないが清潔な感じの店内。魚の数だけ定食もあるが、釜揚げしらす(2つ)、てんぷら盛り合わせ、ご飯と吸物を頼む。菜っ葉のお新香としそひじきのふりかけもサービス。しらすがプリプリしてとてもおいしかった。家で取り寄せているしらすもおいしいけれど、地元に行ってピチピチのを食べたら、なおおいしかろうなぁ。

 江ノ島の弁天橋をカップルで渡ると別れる、というようなジンクスを子どものころから聞いていたので、いちおう、念のため、洒落に、離れて他人の振りをして橋を渡る。ここまでくるとほぼ地平線上に富士山が見える。橋が長いのでだんだん退屈して、「お客さん、どちらから?」などと会話をしてみる(これを「江ノ島弁天橋他人行儀渡©」と命名)。しかし龍恋の鐘というのもあって、これを二人で鳴らすと結ばれるとか。これは比較的あたらしいもの(もちろんわたしの子どもの頃にはなかった)なので、一緒に弁天橋渡っちゃったよ〜、という方は、龍恋の鐘を鳴らして来てはいかがででしょう。
 展望台まで「エスカー」というものを使う。子どものころ何度も来ているはずなのに、まったく記憶がない。エスカーとはエスカレーターだった。途中ののりば(4本のエスカーが間をおいてつながっているのです)の係のおばさんが、「今日は富士山がきれいに見えるよ」と言う。このあたりは遮るものがないから天気がよければ見えて当然なのかと思っていた。ところが「霧がかかったりして、晴れてもこんなにくっきり見えることは珍しいのよ」と言われ、きゅうにありがたく思えてきた。

 江ノ電で長谷へ。体調にいまひとつ自信が持てないので、フリー切符をフル活用している。ここでも大仏にゆく前に『ベルグフェルト』で休憩をする。腹ごしらえは重要だ。亭主はアプフェルトルテとミルクティ、オットはチーズケーキとストレートティ。とはいえわたしのミルクを入れて飲んでいたが。
 大仏さまにご挨拶をしたのち、長谷寺に行くともう閉門まぎわだったのでまた来ることに。

 江ノ電で鎌倉へ。鳩サブレーの豊島屋で邑楽と谷戸歩きという栗のお菓子を買い、鎌倉山納豆の店で納豆選びに迷う。お店の代表的な鎌倉山納豆(極小粒)を買う。
 『ボデゴン』へ向かう。通りに看板も出ているのでそそくさと階段を下りると入り口に「カキのパエリア始めました」(よもだ注:カキのパエリアに二重線)と書かれた黒板を見つけて興奮する。しかし準備中という掲示が出ていて扉が開かないのであたりをもうひと回り。陽はすっかり落ちたのにまったく寒くない。そして人力車にまったく声をかけられない日でもある。そもそも今日は人力車の数も少ない。そんなこんなしながら戻ってくると店が開いていた。
 注文するまえに、カキのパエリアがあることをまず確認する。ボデゴン風野菜サラダ、☆海の幸のサフラン煮込み、☆生ハムとエビのコロッケシナモン風味、スペイン風オムレツ、☆カキのパエリア、イカ墨のパエリア、赤ワイングラス、ウーロン茶を注文(☆は初注文)。コロッケは親指くらいのが6個、レタスの上に載っている。シナモンの香りがして、微かに辛い。サフラン煮込みは海老、ムール貝、あさり、イカがたっぷり。寒い冬に体を温めるのにぴったり。カキは11月から始めたのだそう。お客に出すのは今年が初めてだと言う。おいしかったと感想を述べる。また次も食べられますように。

12月3日(水)

 今日はせっせと節制だ〜。
 朝は柿とみかん、お昼はバナナとキウイ。そしておやつは鳩サブレーの店豊島屋で買った『谷戸歩き』。栗が栗あんの羊羹風のもので包まれている。夜にはさっそく鎌倉山納豆(極小粒)を食べた。納豆らしい納豆で柔らかすぎず、好みの味。家でお米を食べるときはたいてい納豆を食べるので、これはと思う納豆を見つけては試している。
 もう少し手間をかけずに記録の更新ができないだろうかと悩んでいた折、ニフティのウェブログサービスが始まった。

12月4日(木)おやつは豊島屋の谷戸歩きと邑落。

 お昼にフォーを食べた。先日、カルディでこれも買っていたのです。
 作り方の説明にある鶏肉も鶏のスープはない。が、サニーレタスがあるのでフォーをニョクチャムとからめて食べればいけるのではないか。玉ねぎはニョクチャムと一緒に火にかける。干し椎茸も入れてしまえ、と思ったのはよかったが、干し椎茸がタレを吸ってしまい、タレが少なくなってしまった。戻してから入れようね。少ないタレの分配もやや公平を欠き、味のついているところはおいしかったと、寛大なる感想をもらった。
 夜、SKIPのかぼちゃ(雪化粧)をどうやっておいしく食べよう。
 オットの発案で、かぼちゃを蒸してマッシュポテト気味にしてから、くだいたナッツと和えて、塩味とシナモンの風味を加えてライスペーパーで包むことにした。ボデゴンのシナモン風味コロッケを思い出し、考えただけでわくわくしてきた。そこで冷静さを失った。
 かぼちゃを蒸して、くるみとアーモンドをグレイターでおろし、塩をちょっぴり入れてかぼちゃとまぜて、ライスペーパーに霧を吹きかけて湿らせ、かぼちゃを載せてみたところで、ライスペーパー2枚分には分量がはるかに多いことに気がつく。俵おにぎりのようなかぼちゃを載せられるだけ載せ、後は別物として食べることにした。ライスペーパーをもっと使って小分けにするという方法もあった。とにかく早く食べたい一心で気がついたときには遅かった。そして他のおかずの用意もできてさあ食べようというところで、「あ、シナモン忘れた」。ライスペーパの上から気持ちひと振り。
 こうなってはかぼちゃをたっぷり使ったことが悔やまれる。食べるまえから悲しくなってくる。今日はお昼もずっこけた。しかし、このライスペーパーをまとったかぼちゃをひとくち口にするやいなや、目のまえの雲がさーっと晴れて江ノ島の富士山が見えたようだった。
 かぼちゃはかぼちゃだけで十分にあまくておいしかったのだ。わたしの思惑などものともせず。

12月5日(金) かぼちゃのライスペーパー巻き、それはおかずかおやつか。

 かぼちゃがまだある。今日こそシナモンを忘れずにいれるのだ。
 そして今日は鍋を焦がした。おそるおそる蓋を開けてみると、思いのほか蒸しもの用の器具の中に入ったかぼちゃは無事だった。
でも鍋の底はまっくろけ。
 今日は忘れずにシナモンを入れ、大きさも形も上品にまとめてライスペーパーもひとり2枚ずつ。
 少し焦げ臭くて、シナモンの風味もよくわからなかったけれど、おいしかった。かぼちゃがあれば毎日でも作りたい。

12月6日(土)

 焦がした鍋に重曹を入れてみたりなんかして。

12月7日(日) 焦がした鍋を天日干しにしてみたりなんかして。

 お昼は『ドトール』でスペシャルミラノサンド(ターキーとグレイビーソース)を食べた。
夜はオットがうずら豆と茄子のカレーを作ってくれた。

12月8日(月)

 太極拳のあと、お昼は久しぶりに『ル・パルク』でチャーシュー饅。これをひとり1皿ずつと、野菜と豆腐のスープ仕立てという温かそうなお料理を一品。欲ばらず、脇目もふらず。

12月9日(火)

 お昼の素パスタは、SKIPキャベツのにんにくスパゲティ。
 そして夜はSKIP白菜と春菊のスープ仕立て。立川中華街で買ってきたナンプラーは、いかにもナンプラーらしい匂いがする。春菊は別にしてブレイズにしようかと思ったけれど、量が多くないのでまとめてしまった。洗い物も減って一石二鳥。
 焦がした鍋はお日様にあてては重曹を入れてお湯を沸かして「美白のお手入れ」。美白するのに日にあてるっていうのもなかなか……。

12月10日(水)

 今日もお昼の素パスタは、SKIPキャベツのにんにくスパゲティ。昨日と違うのは、キャベツに茹で汁を加えたところ。こうするとパスタがよく絡んでツルツルっとした食感が楽しめる。茹で汁なしもなかなか。これは気分次第で使い分け。
 実家からもらった大和芋、洗う直前までおろしてとろろにするか、切って醤油でもかけて食べるつもりでいた。それを輪切りにして、オリーブオイルを引いて焼いた。こういうのをどこかで食べた記憶がある。あれはおいしかった。実際にもおいしかった。で、どこで食べたかというとたぶんこれだと思う。

12月12日(金) いい思いをさせていただきました。

 ご招待のご招待でディズニーランドへ行った。
 交通の便もよくなり、イクスピアリなんていうのもできて、変わったなぁと思う一方、昔の記憶そのままのアトラクションも健在。
 わたしは10年以上ぶり、オットは初めて。このようなチャンスがなかったらおそらくもう二度と、一生行くことはなかったかもしれない。
 招待客の入場は正午からである。はりきって10時には舞浜に着いたので、イクスピアリを見学。
 正午に入場し、まず『カフェ・オーリンズ』で腹ごしらえ。
 空飛ぶダンボ――待ち時間が長いのであきらめる。
 アリスのティーパーティー――コーヒーカップ! 乗っているあいだ、なぜか笑いが止まらない。
 スターツアーズ――すんなり入れた。スペースマウンテンはちょっとまえに事故があって休止中。そこで記念写真を撮った。
 カリブの海賊――あてどもなく歩いて通りかかったらすいていた。中から見えるレストランに入ってみたかった。
 トムソーヤー島――閉店(?)間際。近所を走っている汽車が気になる。
 〜いちど外にでてイクスピアリでお茶休憩〜
 ウェスタンリバー鉄道――さっきの汽車。乗りたかったので少し待った。日が暮れて暗闇の中を走る。
 魅惑のチキルーム――汽車を降りてから五重塔のようなものを見つけて歩いてゆき、暗いので何のアトラクションかわからないまま入ってみた。
 夕食はイクスピアリのグリルとパスタの店で、たくさん食べた。

12月13日(土)

 昨日はまるで外国にでも行くような感覚だったので、行くまえから下調べをしたりお土産を考えたり天気の心配をしたり。そしてふだんの歩きメインの外出よりもそうとう歩いたわりには疲れもなく、今日も早起きをしたのでした。

12月14日(日) 今日から新米を食べます。

 お稽古のまえにお昼は『ドトール』でスペシャルミラノサンド(ターキーとグレイビーソース)。夜はオット製うずら豆と蕪のカレー。なんだか先週の日曜と似ている。

12月15日(月) 待っているとなかなか来ないのよね。

 先週のSKIP野菜がけっこう残ってしまっているので、今日、便が届くまえにあらかた夕食の準備をして来る予定の春菊を待っていた。さいきんひらめいた白菜と春菊のスープ仕立ては、干し椎茸と昆布を戻した少量の水で白菜と春菊を蒸し煮にしたもの(春菊はあとから入れる)。ナンプラーとみりんと酢で味つけして、片栗粉でとろみをつける。地味な料理だけれど、ヒット作。

12月16日(火)

 お昼はレタスのにんにくスパゲティ。夜のおかずはかぼちゃのライスペーパー巻き、茄子とセロリの葉の味噌炒め、水なしで蒸した寒じめほうれん草(オイスターソースで味つけ)。いずれもきのう届いたSKIP野菜。

12月17日(水) 幻のウィンターガーデン、公開 @東京都庭園美術館

 お天気、宅配便そのた諸々の事情を検討した結果18日に出かけようと思ってきのう『カンパーニャ』に電話をしたら、18日はすでに予約でいっぱいとのことで、おそるおそるあす17日は、と尋ねたら17日なら大丈夫だというので、開店17:30に席をお願いした。そんなに早く来る人は少ないと思うけれど。食べそこねないようにかぼちゃのプリンだけ取っておいてもらうことにした。
 東京都庭園美術館「アールデコ様式 朝香宮がみたパリ」を観ながら、今まで入ることのできなかった3階へ。床が白と黒の大理石でモザイク模様を成していて、2方がガラス張り。2階のベランダもたしかこんな床で、大きな窓ガラスでしきられていたっけ。
 お庭にあるカフェは寒そうなので、新館1F喫茶コーナーでお昼。以前の習慣でカウンターまで注文しに行ったら、席で注文を受けるそうな。窓際のテーブルで、ふたりして庭に向かって坐る。サンドイッチ(ゴーダチーズとハム)とコーヒーのセット。サンドイッチは棒状のしっとりとしたパンで、ハムとチーズとレタスが挟んである。どこそこのパンを使っていると説明書きがあったのを、書き留めてくるのを忘れて残念。
 新しい『カンパーニャ』は今日が初めて。メニューもほとんど変わりなく、まえの店にあったインテリアも置いてあって、初めて来たところながらほっとできる。眺めの良い窓際は、冬はすきま風がちと寒い。
 おまかせコースを頼み、ワインとシチリア産の赤いオレンジジュースでちょっと早いお誕生日の乾杯。おまかせなので嫌いな食材あるかと聞かれ、まさかここで出されるとは思わないからありませんと答えたら、いきなり最初から前菜がの生ハム添えが。しかしこれは立派な料理となっていて、オットも喜んで食べていた。ほか、鯛と蕪のフリット、冬野菜とカニのスパゲティ、子羊と豚のカネロニ、黒豚のスカロッピーネ。ふだんはパスタばかり食べるので、新鮮な感じがする。デザートはお約束のかぼちゃのプリン、コーヒー。パンもワインもお代わりした。
 ここのお店の味(特にパスタ)が大好きな者としては、お値段が少し上がって量がちょっぴり少なくなった(特にパスタとデザート)のが惜しい。でも味は変わらずおいしいし、きっと長くここでお店を続けてくれると思うので安心しています。

12月18日(木) だれか〜。

 かぼちゃのライスペーパー巻きを作るようになって、場所を取らず生春巻きの皮をたくんさん戻すのに便利な道具はないかと思案するようになった。すき間をあけてだんだん重ねにできて、それぞれがスライドして取りやすいようになっているとすばらしい。あったら欲しいセレナーデ。

12月19日(金) 2000 2001 2002

 オットの誕生日。趣向を凝らし、プレゼントを抱えて外に出て玄関のチャイムを鳴らした。
 夜は恒例のフグ。冬は大物の旬の食べ物があって、うらやましいざんす。

12月20日(土) その分がんばって朝お稽古した。

 友人の送別会という名目で、南青山のイタリアンレストランへ。

12月21日(日) 今日もお稽古した。

 今日はお腹休憩、といってもふだんと変わりなく、昼は『ドトール』でスペシャルミラノサンド、夜はオット製うずら豆のカレー。3週連続日曜日が同じパターンになっている。

12月22日(月)

 今年最後の太極拳。なんとか1年続いた。
 お昼はチャーシュー饅をもとめて、『ル・パルク』のお隣へ。このまえ『ル・パルク』でチャーシュー饅を食べたあとで見つけてしまったのだ。こちらの方がちょっと大きめで安い。
 チャーシュー饅のほか、おすすめメニューに牡蠣がたくさんあり、その中から牡蠣のサクサク揚げマヨネーズ添え(牡蠣6個)を選ぶ。舌をやけどしそう。

12月23日(火)

 レニングラード国立バレエ「くるみ割り人形」。会場の入り口が「人体の不思議展」のすぐ隣。休日である上に会期が迫っているので行列ができている。と思ったら来年まで期間延長が決まったそうで。
 ホールに入るとエスカレーターからガラス越しに「レバンテ」が見える。昨年の暮れに移転前の店に行ったときとは雰囲気がちがっているようで別の店のよう。そして2階席までいくつものエスカレーターを乗り継ぐ。江ノ島のエスカーみたい! しかしいくつもフロアを通り越しているのに2階というのも変な感じ。
 夕食に備えて休憩は飲み物だけ、と『カフェ・ド・ランブル』へ。初詣みたいに年に一度来ている。そしてケースにケーキがあるのを確認して聞いてみたら、やはりこれはお持ち帰り用だそうだ。このくらいなら、二人でその場で平らげられそうな気もするが、なにせ夕食に備えるのである。メニューを見てあれこれ迷っていたら、店員さんが「何かおすすめしましょうか」と声をかけてくれた。酸味の強いものより苦みが強いものが好みだと言ってすすめられたグァテマラを、オットはブレンド(中濃)を頼む。
 本屋をのぞいたり、新しく銀座にできたうかいグループの店を探したりしているうちにお腹がすいてきた。5時すぎに『煉瓦亭』へ行くと、すでに数組そとで待っている。さいわい今日はあたたかなので、待つのは苦にならない。初めて3階のお座敷へ通される。カキフライ、エビフライ、そしてマカロニグラタンも。あ〜これでやっと年が越せるなぁ。
 そして夜の銀座を眺めながらマロン・オ・タルトをつつく。

12月24日(水) かぼちゃのライスペーパーは、いつもよりちょっぴり形をきれいに整えてみた。

 赤いパプリカ、ホールトマト、茄子……みんな一緒にしてカレーにしてしまおう。みんなナス科なので名付けて「ナスカの赤いカレー」。しかも塩がアンデス地方原産ときた。ちょっとできすぎ。

12月25日(木)

 片づけをしていたら、友だちが新婚旅行でスペイン土産にくれたサフランを発見。もったいなくて使わずにおくこと苦節3年。こうなったら惜しげもなく使ってしまおう。
 よもだ実家からもらった大和芋とよもだ実家の田舎からもらった鳴門金時と、じゃがいも。このイモ3兄弟を使って何かできないかな。じゃが芋とさつま芋(鳴門金時)を蒸して、その上からおろした大和芋を、ホワイトソースに見立ててかけてオーブンで焼いた。どんなものになるのかわからないので、とりあえずお皿にオリーブオイルを引いて塩で味つけしただけ。焼いたとろろは石膏みたい。表面がメレンゲみたいにパリッとして、中は蒸しケーキみたいにふわっとしている。

12月26日(金)

 新婚旅行土産にサフランをくれた友人の家を訪問。ご近所のスパゲティ屋でお昼を食べた。
 カウンター席で、厨房がよく見える。シラスを茹でるような巨大な釜で、お兄さんが顔をまっかにしてスパゲティを茹でている。標準サイズが1人前130グラムでボリュームたっぷり。しかもお店の名にちなんで6のつく日はサービスデー、ということでサラダがついた。

12月27日(土)

 ひとりで入った『インペリアル』、さきには4人家族がひと組。特製オムライスを頼んだあとで、目の前を4つのオムライスが通過した。そしてあとからきたお客さんもオムライスだった。

12月28日(日)

 一度やってみたかった、ほんとの素パスタ。そばで言えばざるか。
 にんにくとオリーブオイルだけ。あ、サフランも入れた。1人150グラムと欲ばったけれど、具がないとあっけなく平らげられてしまう。

12月29日(月)

 

12月30日(火)

 

12月31日(水)その名はまりこ

 年末恒例のすき焼き。
 オットの親戚から血統書付きの牛肉が送られてきた。以前、生きた伊勢エビをいただいたこともあったので、まさか牛一頭が「モーッ」なんて来るこたぁないとは思ったが、骨付き、蹄付き、皮も残っていたらどうしよう、くらいは思っていた。ごくふつうのお肉でほっとした。
 まりちゃんはおいしかった。曾おじいさんくらいの世代はいかにも牛や馬につけそうな名前なのだけれど、しだいに人間ぽい名前になっている。家族に同じ名前がいたらちょっと複雑。

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