2001年10月

9月 よもだ亭日乗 目次 11

10月1日(月)

 カッテージチーズを作ったときにできる乳清を寒天で固めてみた(乳清ができるたびにカレーを作るのも大変)。そこでおやつはこの寒天に栗の渋皮煮と渋皮煮のシロップをかけた、蜜豆ならぬ蜜栗。
 おいしい。食べてみるまでなんとなく不安だったけれども、いやもっと早く思いついていればよかった。砂糖を入れていないからサラダにしてもよさそう。

10月2日(火)
《先日買った本》
エリカ・ジョング 『セックスとパンと薔薇 21世紀の女たちへ』祥伝社

 渋皮煮第二弾の仕上げ。なにせ時間がかかる。そして残った栗を栗ご飯にしようと思ってむいていたらムシさんとご対面。無意識のうちに虫のいそうなのをより分けていたのか、それともあたたかいところに置いていたから孵化してしまったのか。たぶん後者なんだろうな(そう思うとちょっとこわい)。
 栗ご飯を主役にするつもりで質素な献立にしたのが悔やまれる。どこかでおいしい栗釜めしを食べたい。

10月3日(水)

 渋皮煮の研究報告書をアップ。
 よもだ亭の表紙も思ったとおりのデザインになっていなかったことに気がついたので修正。

10月4日(木)

 家を出るのが遅くなったので今日は「デュフィ展」(安田火災東郷青児美術館)を見送り、新宿伊勢丹の屋上へ直行してお弁当をひろげる(野沢菜入り玄米おにぎり、栗の渋皮煮)。ペットショップコーナーのスッポンモドキ、今日は動きが鈍い。地下の食料品売り場ではあちこちでカキフライを売っている。通りかかった旬・さがみにもカキフライ定食が。
 玄海をのぞいて栗釜めしがあることを確認する。ここで夕食をとるつもり(栗ばかり食べるつもりか)。東急ハンズで小さくてこまわりのきくナイフを物色していると、近くに栗をむくためのいろいろな道具が並んでいた。うちの栗むき鋏の改良版も出ていて欲しくなるが、目的のナイフだけを買う。
 休憩に入った喫茶店で渋皮マロンタルトを食べる。オットははチェリーベリーのベークドチーズケーキ。かぼちゃのタルトも食べたくて、オットがそれを頼んでくれるはずだったのに、心変わりされた。
 4時からNHKホールにて、バイエルン国立歌劇場公演「トリスタンとイゾルデ」。指揮はズービン・メータ。平日なのに中途半端な時間に始めるものだ、でも終ったあとで夕食が食べられる、と思っていたのが甘かった。途中で40分間の休憩を2回はさんで、終わるのが9時20分。二度目の休憩時にロビーでパウンドケーキと飲み物を買って食べる。
 地元の駅ちかくのコンビニでおにぎりを買い、帰宅後に夕食。

10月5日(金)

 栗ご飯よりも先に、しかも家で牡蠣を食べてしまった。えのき茸と玉ねぎを炒めてお皿に敷き、その上に牡蠣、モッツァレラチーズを載せてオーブンで焼く。その名も牡蠣のチーズ焼き。これが意外と牡蠣の味をうまく引き出している。家で調理した中ではこれが一番おいしい。
 それでも牡蠣を食べるなんてまだ早すぎる。わたしは栗ご飯が食べたい。

10月6日(土)
《先日買った本》
Anaïs Nin 『Journal of a Wife - The Early Diary of Anaïs Nin 1923-1927』 Penguin
James Joyce 『Dubliners』 Penguin

 『ドトール』にマロンのデニッシュ発見。
 また親戚から栗が送られてきたという。やっぱり栗むき道具はそろえておこう。

10月7日(日)

 お稽古のあと、新宿でオットと待ち合わせ。旬花には栗釜めしが、とんかつ和幸にはカキフライが。
 そして一昨日行きそびれた玄海へ。見本の栗釜めしには大きな栗がいっぱい載っている。実物にもかなり大きいのがごろごろ入っていた。くちなしできれいに染まっているが、もちろん甘露煮ではない。セット(釜めしは好きなものが選べる)で頼んだおかずは昨年とまったく同じもの。
 栗ご飯、栗釜めしは季節のはじめにちょっと食べられれば気がすむものらしい。やはり栗はお菓子として食べる方が好き。モンブランは年中あるけれども、とくに旬の今はふだんお目にかかれない贅沢な栗のお菓子がいっぱい。

10月8日(月)

〜ベランダの怪〜
 まえに買った苺の苗が触角のようなものを伸ばし、その先から葉を出した。そこへ、土を入れた別の鉢を置いたら根を生やした。それだけではおさまらず、その先へも触角を伸ばし続け、また新しい葉を出しつつある。このまま行くとベランダじゅうの鉢やプランターがつながってしまいそう。今、その先端はミニトマトのいたプランターに置いてやっている。元の株からはもう二本目の触角も生えだした。
 ミニトマトはほぼ終わった。やりすぎた肥料を流すためにさんざん水をやったため、プランターと土にすきまができて、そこから丸くて白いものが見える。きのこらしい。マッシュルームに似ている。食べられるだろうか、これ。


10月9日(火)
《今日届いたCD》
Michael Mantler『The Hapless Child and Other Inscrutable stories』(Words by Edward Gorey)

 訂正先日近所にあたらしくもらわれてきた子犬はゴールデン・レトリバーではなくラブラドールのようです。まえの犬がゴールデンだったので思いこんでしまったみたい。もらわれてきてまだ二週間も経っていない(とはいえ生後3、4ヶ月は経っているだろう)のに、あれよあれよという間に大きくなって、立派なオトナに成長しつつあります。そこでようやくゴールデンらしくないことに気づいたわたし。
 今日届いたCDは、エドワード・ゴーリーの『不幸な子供』をタイトルにしたアルバム。ゴーリーの作品を歌っていることが、この絵本の訳者(柴田元幸さん)あとがきに書かれていたので買ってみた。マイケル・マントラーという人はジャズ・ミュージシャンらしいが、曲はおとなしいロックという感じ(訳者あとがきには「ロックがかったジャズ」とあった)。このCDを聴きながらゴーリーの絵本を読めば効果倍増。調べてみるとマイケル・マントラーはポール・オースターの詩も曲にしている。オースターの訳者といえば柴田元幸さん。こんなところでもつながっている。
 今日の夕食は鮭。シンプルに焼こうと言ってオットがソースに凝りだした。バルサミコ、オリーブオイル、塩、にんにくをまぜて鮭に塗り、焼きあがってからすだちをかけて食べた。

10月10日(水)

 別館へ出張料理の日。玄関をあけると枝豆の香りがただよう。雨にくじけて買い物に行けず、今晩のメニューはちりめんと桜海老をふんだんに入れた野菜の中華風炒め物。枝豆は香りに劣らず、味もよかった。
 明日から横浜。はたして横浜トリエンナーレ2001の巨大バッタを見ることはできるだろうか。

10月11日(木)

 横浜へ。
 前もって横浜トリエンナーレ2001のサイトで調べたところ、インターコンチネンタルホテルのバッタは強風のため破損し、修復作業中とのことだった。昨日は雨。滞在中に見られるかどうか。
 みなとみらいの動く歩道から、まずトリエンナーレ出典作品、野菜と果物の成った巨大な木が目に入る。インターコンチネンタルにバッタはいない。会場のひとつであるパシフィコ横浜で、赤瀬川原平さんの作品ほか多数を観る。

 観覧車(定休日で止まっていた)の脇を通り、ワールドポーターズの『Le Bon Pain』で、サンドイッチと飲み物を買って、フロア共通のテーブルで昼食。オットはおいしいトマトというバゲットサンドとアイスミルク、亭主はポパイ(ベーコンとほうれん草)のバゲットサンドとコーヒー。口の中は傷だらけになったけれど、久しぶりにおいしいサンドイッチに巡りあう。
 もうひとつの会場である赤レンガ倉庫では、いくつものテーブルの一面にスライドの写真を貼った展示が印象的。いろいろな国の風景写真で、日本の風景もあったが、外国人のとらえた視点が新鮮だった。バッタ制作者のコーナーには資金難のため募金おねがいのチラシがあった。

 クイーンズスクエアへ戻り、『アフタヌーンティールーム』で休憩。栗ものはないが、スイートポテトプディングがおいしそうなのでそれをひとつ(フォークは二人分)と、亭主はアイスチャイ、オットはオレンジアイスティを頼む。
 宿泊先のホテルへひとまずチェックインをし、荷物を置くことにする。今回のパン・パシフィックはスヌーピータウンに一番近いホテル(入り口がクイーンズスクエアに直結している!!)で、なんと部屋にはベランダがあり、テーブルと椅子まで用意されている。ホテルを出てスヌーピータウンで買い物をし、夜、ベランダで夜景を見ながら食べるむき栗を買う。

 ふたたびホテルへ戻って夕食の検討をする。近ごろステーキなどダイナミックな料理が続いていたので、野菜や魚が食べたい。イタリアン・レストランを何軒か品定めして、結局、前回と同じ(お茶の休憩も前と同じでした)『ブコ・ディ・ムーロ』へ。くしくも前回と同じ席。

 季節野菜のサラダ(スライスして揚げた蓮根、人参、ごぼう、チコリー、シメジ、マッシュルーム、椎茸)は薄味で野菜の味が生きている。このサラダ、前回も食べているが内容は違う(そもそも季節が違う)。イタリア野菜のトマトソースのカッペリーニ(ズッキーニ、パプリカ(赤、黄)、トマト、茄子)、カッペリーニは冷や麦のように細いパスタ。マッシュルーム・椎茸・シメジとモッツァレラチーズのピザは地味な色合い。何かをすりおろしたような茶色の正体不明のソースが使われていてなめてもきのこの味しかわからない。きのこの味だけで食べる感じ。真鯛のポワレ・バルサミコソースは、ジャガイモの細切りのかき揚げのようなものがついている。真鯛の皮が香ばしい。オットはグラスワインの白(今日のおすすめのもので、少し発泡酒のような刺戟があり、酸味が強い)、亭主はシチリアオレンジジュースを飲む。最後にエスプレッソを追加。

 ホテルへ戻り、ひといきついてからベランダでむき栗を食べ、お茶をすすりながら夜景を見る。ささやかな贅沢。観覧車がライトアップされないのがちょっと残念。

 追加:『アフタヌーンティールーム』も前回と同じ席でした。

10月12日(金)

 雲は出ていても晴れそうな気配。
 朝食はいつもの『マウカメドウズカフェ』で席もいつもと同じ。ここはある意味で本当の御用達になりつつある。

 ホテルをチェックアウトして、インターコンチネンタルホテルを見に行く。あいかわらずバッタはいないが、取り付け用のワイヤの下あたりで人が何人かごそごそしているので、午後には見られるかもしれない。
 二日目は洋館めぐり。山手イタリア山庭園で、ブラフ18番館と外交官の家を見る。
 お昼の時間になったので、中華街の『萬珍樓點心舗』へまっしぐら。もう迷う暇もないくらいお腹がすいていた。
 メニューは、季節の料理の栗・椎茸・炭焼き鴨の煮込み、チンゲンサイのにんにく炒め(にんにくの香りが程良く、歯ごたえ があっておいしい。なぜか茎のところばかりで緑の葉の部分は使われていない)、海老の紙包み揚げ(モスバーガーの海老カツを上品にした感じ)、チャーシュー饅頭、ワンタン高級スープそば、茉莉花茶。栗の料理、栗がびっくりするほどたくさん入っていてたしか15、6個あった。甘辛い餡をからめてある。栗自体は比較的固めに仕上げてあって、淡泊な味。鴨はとろけそうな柔らかさだった。

飛蝗

 食後、中華街で買い物をしてから昨年の夏に訪れたエリスマン邸をめざす。ここの喫茶室から元町公園の緑が一望できるのだが、今回は天気が良かったためか、森も明るく、緑の向うのビルまで見えてしまった。この前は大雨で視界がさえぎられていたのが良かったのだろうか。ともあれコーヒーと紅茶、それからパンプキンプディング(おめあてのモンブランはなかったけれどお昼に栗を食べたからいいや)をひとつ頼む。ここもまた同じ席。
 港の見える丘公園まで歩き、山手111番館へ。建物が古いため、2階部分は重量制限であがれない。台所はいまでも使えそうな(最近まで使っていたような)たたずまいをしている。使い勝手がよさそう。玄関ホールの吹き抜けもすてき。
 バスで桜木町駅まで戻る。だいぶ疲れてきた。ランドマークタワーの方へ向かってエスカレーターへ乗ると、インターコンチネンタルホテルに緑色の物体が留まっている。バッタ復活。まるで怪獣映画を見ているみたい。いそいでクイーンズスクエアを抜けてインターコンチネンタルホテルの下へ。バッタの触角が風にゆっくりとゆられていた。ホテルの中から間近にみたらどうなんだろう。ここに泊まったらうなされそうな気もするが……。
 やっと目的を果たし、帰路につく。お腹も疲れているので駅前のショッピングビルに新しく入ったお店で、簡単にそばとうどんを食べる。

 バッタ(飛蝗)のサイトThe Insect Wolrd


10月13日(土)

 もやし研究会に注文したものを受取る。アルファルファ大豆カイワレブロッコリーの種など。野菜の少ない冬はもやしを食べよう。

10月14日(日)

 昨日、オットの母がわたしたちと一日違いで中華街へお食事に行ったそうな。
 そのおみやげにいただいた肉まんと海老シュウマイ、それと、その他いろいろ品数が揃っていてまるで『よもだ點心舖』のようだった。どうもありがとう。

10月15日(月)

 今日のおやつは、中華街で買った特大仲秋栗子月餅(まんまるの栗が入っている月餅の特大サイズ600円)なのだっ。 でも半分に切ったら栗は全部オットの方にいってしまった。

10月16日(火)

 お米がない。今日、新米が届く予定なのだが、玄米は炊くまえに半日水に浸けるため、それでは夕食にはまに合わない。昨日の晩からわかっていたのだけれど、そのときは、まあ月餅もあるしなぁなどと考えていた。
 そんなときはやはりピザ。今日は普通にトマトベースで、ピーマンと赤玉ねぎと、なぜかスーパーでエビ祭りをやっていたのにつられてむきエビ。ちなみに、缶詰のホールトマトをぐつぐつ煮込むと、鍋がピカピカに甦るんだなこれが。うちのステンレス多層構造鍋は多少焦がしても使っているうちに焦げが落ちるけれども、トマトを煮るとよく落る。そんなトマトソースを食べている……。

10月17日(水)

 自慢じゃないが(大いに自慢)、料理は得意じゃないが(これは本当)、わたしはキャベツの千切りと玉ねぎのスライスには自信がある。

10月18日(木)

  今日は12月上旬の寒さだったという。体温までも下がり動きが鈍くなる。明日には天気も回復しそうなので外出を延ばす。今日は新米を食べました。

10月19日(金)

 お出かけ日和り。「日本人はるかな旅展」を見に国立科学博物館へ。入り口でチラシをもらうと、8月から12月までの数回にわたってNHKスペシャルで特集を組んでいるという。その割にはお客が少なく、ゆっくりと鑑賞できた。展示品が石器や骨ばかりで地味だからか(内容は濃い)。捏造石器も展示されていた。調査中のものをお願いして借りてきた、という貴重な品で、その石器の不審な点まで虫めがねで観察できる。

 この陽気なら上野公園で幻の豚まんを買ってベンチで食べるのもいい。しかし栗は待ってくれないので昼食は『釜めし春』にてふたりとも栗釜めし。店員さんに、「お味噌汁は?」と言われても、いさぎよく栗釜めしだけ。初めて気がついたけれど、ここの釜めしはご飯に味をつけた炊き込みご飯風だった。栗の味も生きている。やっぱりおいしい栗ご飯はおいしい。

 いよいよこの冬初のカキフライを食べる。『とんかつ和幸』でオットはカキフライ定食(カキフライ5個)と生ビール、亭主はカキヒレかつ定食(カキフライ3個)。カキフライは旨味が強く、ヒレカツも柔らかい。そして初めてキャベツをお代わりした。

10月20日(土)

 よもだ亭としては、博物館に併設されているレストランにも関心がある。昨日行った国立科学博物館内のレストランには上野の精養軒が入っていて、かつてハヤシライスを食べたことがある。ご近所の東京国立博物館のレストランも精養軒で、昨年のエジプト文明展のときには、エジプト文明特別メニューを置いていた。かはく(国立科学博物館の愛称)のレストランはテーマランチを置いているだろうかとのぞいてみたら、「草食ランチ」「肉食ランチ」というのがあった。どうもかはくの定番メニューのよう。いずれくわしい内容を調査せねば。

10月21日(日)

 飽きもせず見ると手が出る巨峰かな。今日は秋刀魚(すだちをかける)と巨峰を堪能しました。

10月22日(月)

 新しい種で育てたアルファルファが順調に育ち、今朝ひさしぶりに食べた(実に3ヶ月ぶり)。前に買ったのもそんなに古いわけではないのだけれど、暑さでだめになってしまったんだろうなあ。

10月23日(火)

 今日はあたたかかったせいか、大豆もやしがいっせいに発芽した。そしてベランダでは、先日きのこが発生したあの割れ目から苺の芽が出ている。さらに、花も終って種ができたバジルの鉢にはまたあたらしいバジルの芽が……。
 夕食の準備中、親指をざっくり切った。ああ成長していないのはわたしだけ。このまえうぬぼれたバチだ。派手にやりましたが医者に行くほどではありません。キーボードも打てます。オットが後片づけしてくれたし大丈夫です。

10月24日(水)

 乳清寒天は、カッテージチーズを1回作るとおやつ4日分できる。カッテージチーズは毎朝ひよこ豆にかけて食べていても、食べきるには4日以上かかる。実に悩ましい。

蜜栗(乳清寒天栗の渋皮煮)→

念のためお医者行きました。


10月25日(木)

 昨日、あした傷の消毒に来るようにと言われていたので、外出はとりやめ。今日はスーパーの一割引の日でもあるし、おとなしく観念する。
 スーパーで買い置きする品をひととおりかごに入れて、夕食のおかずを考える。お腹がすいていないためかひらめきがない。店内をぐるぐるまわったあげく、今日のところは質素に草食ディナーとすることに決定。
 メニューは、じゃが芋のチーズ焼き(ケイパーを加えて塩味と風味を加える)、ほうれん草のブレイズ、ライスペーパー巻き(納豆、めんつゆの出し殻、小ねぎ、青海苔)、味噌汁(かぼちゃ、ひじき、麩、わかめ、昆布、鰹節、干し椎茸)、玄米ご飯、海苔、巨峰。
 これだけ食べればまんぞく、まんぞく。明日こそ出かけるぞっ(消毒に行ってから)


10月26日(金) 〜魔性の街とカキ・クリ・カレー〜
《戦利品》
加藤郁乎の句集、アナイス・ニンの日記と小説(翻訳、原書)、他。

 神田の古本祭りへ。お昼にちゃんとお腹を空かせるために、朝食のパンを減らす。
 いつもと同じく目抜き通りから。永井荷風の書簡を鑑賞。その店の2階で加藤郁乎の「『エジプト詩篇』 限150毛署池田満寿夫オリジナル銅版画2葉 二重函 15万円」を背表紙だけ拝む。昼食はインドカレーの『カーマ』へ。オットはサブジ(小辛)、亭主はキーマカレー(中辛)。お店の人が他のお客さんに、辛いのがお好きな方はチキンカレー(大辛)かキーマ(中辛)です、と勧めているので不安になったが、辛いのが苦手なわたしでも食べられた。

 目指す古本屋を探して歩きだす。道に迷って引き返す途中で、さっき見つけた英米文学が専門らしい店に入る。お店のおじさんとおばさんは、はたから見るとケンカをしているようにも見える。そこでまさか見つかるまいと思っていた本に遭遇。おじさんは道を聞きに来た客を「地図が間違ってんだろ」とにべもなく追っ払う。はたしてわたしに本を売ってくれるかしら。別の本棚に並んでいる本を見て、その棚ほぼ1段分ちょっとだけ迷って買うことにする。一冊一冊は高くない。客への応対は親切だった。クレジットカードで払おうとすると、カードを転写する器具(今日買ってきたばかりらしい)を、二人でああでもないこうでもないといじったあげく、あきらめておばさんが手書きで記入する。おじさんはレシートを渡してくれるが、途中で切れていて、「どうなってるんだろうな」と首を傾げている。さっきの強面とは別人のよう。いいお店だ。
 目的のお店は廃墟を思わせる散らかり方。前に入ったことのある喫茶店の向かいで、そのときもやはり道に迷ったのだった。
 タキイでアーモンドの苗につくハダニ退治の薬を探す。木酢液が効くと書いてあったので、スプレーといっしょに買う。

 新宿へ戻り、夕食は『旬花』へ。栗釜めし御膳二つ、みぶ菜のおひたし、カキのチーズ焼き。ご飯は餅米のような歯ごたえ。カキのチーズ焼き(580円)はカキフライ(3個、600円)より安くてカキの数も多く、得した気分になった。

10月27日(土)
友だちが本を出しました。

 うちで食べるそばは山形の製麺会社に注文している。去年まではざるそばを食べる夏だけ頼んでいたが、今年はかけそば用に太切りそばも頼んでみた。新そばが出るのは秋からだものねぇ。

10月28日(日)

 今日は寒いからおなべっ。

10月29日(月)

 駅前に出かけて諸用を片づける。
 久しぶりにへ。ここはすいていて静かなのでゆっくりできる。いつもの席で、トーストのセットとストロングブレンド。
 風邪をひいているのであたたかいものが食べたい。夕食は鮭と野菜をたっぷり入れたスープ。

10月30日(火)

 オットがパソコンを改造した。
 わたしも今使っている自分のパソコンに少々不満があったので、いらないパーツをいただいて改造することにした。
 ハードディスクはそのまま。OSの再インストールはしなくてすむはずだったが、甘かった。
 お昼は端から手を抜くつもりで、お土産にもらった草餅と、カイワレとちりめんを和えたもの。
 おやつも食べずに作業を続けた。
 このままのめり込んでは危険だと気づき、夕食には気合を入れた。牡蠣のチーズ焼き、ほうれん草のブレイズ、ライスペーパー巻き(納豆、青海苔、めんつゆの出し殻、小ねぎ)、玄米ご飯(ちりめん山椒と海苔で食べる)、みかん。

10月31日(水)

 なんとか下界との通信環境は整った。
 栗の渋皮煮も今日でおしまい。



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